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2025年10月 7日

お知らせ

学びの現場にウェルビーイングを取り入れるための考え方と実践方法を解説した書籍『ウェルビーイング・コンピテンシー』を発行

NTTは、金沢工業大学とともに、ウェルビーイングの学びに関する書籍『ウェルビーイング・コンピテンシー』を東洋館出版社より発行いたしました。本書は、NTTと金沢工業大学の「ウェルビーイングの学び」に関する共同研究の成果を書籍の形でまとめたもので、ウェルビーイングの基礎概念から、その資質/能力の学びの枠組み、カリキュラム設計まで解説しています。事例を数多く収録しており、小中学校・高等学校の教職員の方々、企業の人材育成に携わる方々が、すぐに現場で実践可能な内容となっています。

1. 書籍発売の背景

「ウェルビーイング(Well-being/Wellbeing)」とは、それぞれの人の「よく生きるあり方、よい状態」を意味します。近年、企業経営や働き方、街づくりなど、さまざまな場面で取り上げられるようになり、特に、教育の分野では重要なテーマの一つ※1となっています。

2023年度より、NTT社会情報研究所 Well-being研究プロジェクトと、金沢工業大学 平 真由子准教授は、「自らのウェルビーイングを、多様な人々と共に実現する実践的資質/能力」を"ウェルビーイング・コンピテンシー(Well-being Competency)※2"と呼び、その獲得・向上のためのモデル構築(図1)の共同研究を行ってきました。ウェルビーイング・コンピテンシーは、VUCA※3の時代をしなやかに生きるために必要な資質/能力であると考えられ、その学びを教育の現場へ届けたい、という思いから本書の執筆にいたりました。

図1. ウェルビーイング・コンピテンシー獲得・向上のためのモデル 図1. ウェルビーイング・コンピテンシー獲得・向上のためのモデル

2. 本書で解説している主な内容

本書では、ウェルビーイング・コンピテンシーの考え方を丁寧に解説するとともに、学校現場での豊富な実践事例を紹介しています。ウェルビーイング・コンピテンシーの学びは、ウェルビーイング・コンピテンシーの獲得・向上を主たる目標としたターゲット型実践、各教科の目標や内容を踏まえた上で無理なくウェルビーイング・コンピテンシーの学びを取り入れたアレンジ型実践、さらにそれらの振り返りの実践に分けられ(図2)、ターゲット型実践の例を14例、アレンジ型実践の例を9例、掲載しています。また、振り返りの実践については、中学校の年間カリキュラムでの実践例を示しています。

図2. 本書で解説している主な内容 図2. 本書で解説している主な内容

本書で取り上げた事例の多くは、小中学校や高等学校の事例ですが、その学びの枠組みは、広く企業の研修や地域コミュニティでの学びでも適用できるものです。多くの方がウェルビーイングの学びに関心を持ち、教育現場や企業での働き方、日常生活で実際に役立てていただけたらと思います。本書の詳細などについては、<別紙>をご覧ください。

※12019年にOECDが公表した学習のフレームワーク「OECD Learning Compass(学びの羅針盤)2030」では、ウェルビーイングはそのゴールとして明確に示されています。日本国内でも、第4期 教育振興基本計画(2023年6月閣議決定)のコンセプトのひとつに「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」が掲げられました。

※2 "ウェルビーイングの学びの指針となる「ウェルビーイング・コンピテンシー ホワイトペーパー NTT-KIT 2024年度版」を公開" https://group.ntt/jp/topics/2024/06/20/ntt_kit2024.html

※3Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)を特徴とする予測困難な社会状況を表す造語。

本書籍についてのお問い合わせ

NTT株式会社
サービスイノベーション総合研究所
企画部広報担当
nttrd-pr@ml.ntt.com

<別紙>

・書籍情報

書名:『ウェルビーイング・コンピテンシー 学びの現場にウェルビーイングを取り入れるための考え方と実践方法』
著者:平 真由子、渡邊 淳司、横山 実紀
定価:2,299円(10%税込)
発行元:東洋館出版社
単行本:208ページ
ISBN-10 : 4491057222
ISBN-13 : 978-4491057224

・発行日

2025年9月10日(水)

・目次

はじめに
第1章 ウェルビーイングと学び
第2章 ウェルビーイング・コンピテンシー
第3章 学校教育におけるウェルビーイングの学びの設計論
第4章 ウェルビーイングの学びの実践事例
第5章 ウェルビーイングの学びのカリキュラム設計
おわりに

・著者プロフィール

渡邊淳司 JUNJI WATANABE
 NTT株式会社 社会情報研究所 Well-being研究プロジェクト/コミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部感覚共鳴研究グループ 上席特別研究員。専門はウェルビーイングを創成する身体性に基づくコミュニケーション技術・方法論。博士(情報理工学)。ウェルビーイング学会理事。Well-being Technology展 実行委員長。著書に『情報を生み出す触覚の知性』(化学同人、毎日出版文化賞受賞)、『ウェルビーイングの設計論』(監修・共同翻訳、ビー・エヌ・エヌ)、『ウェルビーイングのつくりかた』(共著、ビー・エヌ・エヌ)、『わたしたちのウェルビーイングカード』(監修、NTT出版)など多数。

横山実紀 MIKI YOKOYAMA
 NTT株式会社 社会情報研究所 Well-being研究プロジェクト/コミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部感覚共鳴研究グループ 研究員。専門は社会心理学。集団における人々が納得できる合意形成プロセスの設計·評価を研究。博士(人間科学)。2022年3月に北海道大学大学院文学院博士後期課程修了、同年4月から現職にて個人の集団の両方のウェルビーイングに関する研究に従事。

平 真由子 MAYUKO TAIRA
 金沢工業大学教職課程 准教授。専門は教育心理学・スポーツ心理学。石川県の公立中学校で社会科教員として勤務し、特別活動主任、道徳教育推進教師、生徒指導主任などを歴任。日教弘教育賞個人部門最優秀賞受賞。教員を続けながら大学院で学び、2020年にスポーツメンタルトレーニング指導士資格を取得。小学生から日本代表選手・コーチまで、メンタル面のコーチングや支援を行う。道徳科教科書編集委員、日本道徳教育学会評議員。学校教育におけるウェルビーイングの実践と研究に取り組む。

<本書のお求めはこちら>

Amazon:https://www.amazon.co.jp//dp/4491057222/当該ページを別ウィンドウで開きます
東洋館出版社:https://www.toyokan.co.jp/products/5722当該ページを別ウィンドウで開きます
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