2026年7月23日
お知らせ
2026年6月25日~6月28日にカナダのモントリオールで開催された、AIの公平性・説明責任・透明性に関する学際分野の難関国際会議「The 2026 ACM Conference on Fairness, Accountability, and Transparency(FAccT 2026)」に、NTT社会情報研究所の論文が採択されました。
FAccT 2026には985件の論文が投稿され、325件の論文が採択されました(採択率33%)。
論文の概要は以下の通りです。
青島 達大(社会研)、秋山 満昭(上席特別研究員)(社会研)
大規模言語モデル(Large Language Models、LLM)の普及により、私たちの生活はますます便利になっています。その一方で、LLMが生成する回答は、人々の考え方や判断に影響を与える可能性があります。
LLMは、社会で蓄積されてきた大量の文章を学習しているため、特定の人種や性別などに対する偏見や差別につながる表現や判断傾向も学習してしまうことがあります。その結果、LLMの回答に偏見や差別につながる内容が含まれると、人々に誤った印象を与え、不公平な判断を助長することが懸念されています。
そこで本研究では、LLMの回答における偏見や差別につながる可能性のある「ステレオタイプ(固定観念)」について分析・評価するための新しい手法を提案しました。本手法は、人に関する意思決定にLLMを利用する場面において、偏見や差別に関するリスク評価への活用が期待されます。
本手法を活用し、複数のLLMの回答を詳しく分析した結果、これまでの研究や現行の法律で問題とされてきた差別につながる判断だけでなく、新たに注意すべき問題も明らかになりました。例えば、歴史的な差別を必要以上に持ち出す表現や、これまで差別の対象とされてこなかった人々に対しても、人種や性別などを理由に発言を控えるべきだと受け取られかねない表現が確認されました。
さらに本研究では、AI開発者やAI提供者に向けて、人種や性別などの情報をAIに与える指示や質問から取り除くだけでは十分な対策にならないことを示しました。信頼できるAIを実現するためには、回答に含まれる偏見や差別につながる表現を分析・評価し、改善していくことが重要です。
NTT社会情報研究所は、これらの活動成果を起点とした研究開発の更なる発展とその成果の社会実装を通じて、安心・安全なサービスの実現に貢献してまいります。
参考:Tatsuhiro Aoshima and Mitsuaki Akiyama. 2026. Does It Lead to Prejudice or Discrimination? An Assessment of Stereotypes in LLM Decision-Making. In Proceedings of the 2026 ACM Conference on Fairness, Accountability, and Transparency(FAccT '26).
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