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2020年11月 6日

社長記者会見

2020年度第2四半期決算について

澤田代表取締役社長 (同席)
谷山執行役員経営企画部門長
中山執行役員財務部門長

2020年11月6日(金)に行われた記者会見における澤田社長

会見での発言のポイントをとりまとめて掲載しています。

(澤田社長)

新型コロナウイルスの感染拡大により影響を受けていらっしゃる方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

2020年度第2四半期の連結決算の状況は、営業収益減収、営業利益増益です。現時点では、好調な進捗です。ただ、欧米を中心とした新型コロナウイルスの第2波の発生など、少し不透明な状況も今後、考えられますので、年間計画は変更せず対応していきたいと思います。

営業収益は、新型コロナウイルス影響などに伴うNTTドコモの端末機器販売収入減、また、海外におけるSI収入減などがあり、対前年1,782億円の減収となっています。

営業利益は、この新型コロナウイルスの影響による減益がある中、NTTドコモのスマートライフ事業の増益、海外事業において、コスト構造改革による収支改善がありました。これらにより、2020年度第1四半期は対前年76億円の減益でしたが、今期は対前年258億円の増益に転換しています。

当期利益ですが、前年度、エネットを連結子会社化した際の評価益を計上していた関係で、今年度は対前年62億円の減益という結果になっています。

海外営業収益については、一部の物販や保守のようなソリューションの収入を総額計上から純額計上への変更を行った、会計処理方法の変更に加え、新型コロナウイルスの影響などによって、対前年減収となりました。一方で、営業利益率は、NTT Ltd.による合理化などのコスト改善で0.7ポイント改善しています。

なお、この2020年度第2四半期決算において、新型コロナウイルスによる収支影響ですが、営業収益で1,300億円の減収、営業利益で200億円の減益の影響が生じています。

次にセグメント別の状況です。

移動通信事業は、先日のNTTドコモの決算発表のとおり、対前年営業収益減収、営業利益増益です。端末機器販売収入の減や、国際ローミング収入の減などによるモバイル通信サービス収入の減を、スマートライフ事業の増益などでカバーし、対前年増益という構造です。

地域通信事業ですが、新型コロナウイルス影響などにより、音声収入、あるいは病院収入の減などが発生しています。この結果、営業収益減収、営業利益減益の構造ですが、NTT東西とも好調な光ファイバサービスの純増があり、これを受けた収入増や、子会社の収入増、コスト削減などにより、第2四半期単独では営業収益増収、営業利益増益に転じている状況です。

長距離・国際通信事業ですが、NTT Ltd.において、先ほど申し上げた一部収入の会計処理方法の変更に加えて、新型コロナウイルスの影響、為替の影響もあり減収となっています。一方、構造改革などにより営業利益の改善が進んでいますので、対前年営業収益減収、営業利益増益の決算となっています。

データ通信事業は、先日のNTTデータの決算発表のとおり、ほぼ前年と同じ状況です。

その他の事業につきましては、リース事業をNTTファイナンスから分社化しています。この影響などで、対前年営業収益減収、営業利益減益というセグメントの状況になっています。

続きまして、NTTドコモの完全子会社化に伴い、一時的に有利子負債水準が高まる状況にありますので、今後の有利子負債目標の水準などについて説明します。

2019年度の有利子負債の実績は4.7兆円となっており、例えば有利子負債とEBITDA倍率で言うと1.5倍と、非常にレバレッジは低い状況になっています。これに対して、目標水準を6兆円程度にしたいと考えています。この数字は、DEレシオ(Debt Equity Ratio)のシングルA格の平均が約80%と見ており、これを下回る水準に持っていきたいと考えています。さらに、通信セクターにおいては、この有利子負債とEBITDA倍率は約2倍というのが、このシングルA格であると捉えていますので、この水準に向けて下げていきたいと考えています。

NTTドコモの完全子会社化のためには、約4.3兆円の資金が必要ですが、7月に実施したリース事業の分社化で約1.1兆円、さらに、今後、考えている債権の流動化で約1兆円、これらにより負債を圧縮していくことになります。そうすると実質的な負債の増加額は2.2兆円になります。目標となる6兆円の有利子負債に向けては、0.9兆円の負債返済を考えていくことが必要になってくると考えています。

現在、フリーキャッシュフローは9,000億円、1兆円規模であり、配当を従前どおり実施しても、年間約5,000億円のフリーキャッシュフローが残ると考えていますので、これを株主還元や、あるいは、さらなる投資に向け、活用していきたいと考えています。つまり、計画的に負債を返済しつつ、従前どおり株主還元などを継続していきたい考えです。

なお、今回のNTTドコモ完全子会社化によるのれんは発生しません。これは、資本取引となることによります。

さて、今年度も、このような背景の中で、株主還元の一環として自己株式の取得を実施したいと考えています。

本日の取締役会において、総額2,500億円を上限とした自己株式の取得について決議をしました。これにより、EPS(Earning Per Share)の目標は年度途中からということになりますので、稼働月数を考えると、1円程度、増加するのではないかということで、目標を232円に見直したいと考えています。

株主還元方針については、先ほどもお伝えしたように、今後も変わらず継続的に増配を実施することを基本としつつ、自己株式の取得を機動的に実施する。これにより資本効率の向上を図っていきたいと考えています。

主なトピックスについて説明します。

リモートワールド実現に向けた取り組みや、中期経営戦略で掲げた取り組みについて、トピックスを3点紹介したいと考えています。

1点目はサービスについてです。新たなサービスブランド「Remote World」を立ち上げます。with/afterコロナにふさわしいサービスをお客さまに選択いただけるよう、サービスのラインナップ化を進めていきたいと考えています。ブランドのコンセプトですが、ブランドロゴを見ていただくと、色々な四角形が見えるかと思います。これは、リモートによって創り出される空間やサービスをイメージしており、どこにいても生産性の向上やイノベーションの創発を実現できる世界を表しています。

また、リモートであっても、誰もが安心・安全に、仕事が快適にできたり、あるいは、充実した教育などを受けたりすることができる世界を実感いただけるよう、Face to Faceを超える新たな空間の実現をめざそうと考えています。

2020年11月6日(金)に行われた記者会見における澤田社長

今回は、3つのカテゴリーに分けて、全部で7つのサービスを紹介させていただきたいと考えています。

1つ目は、リモート対応可能な業務の拡大です。先般、発表した「OriHime」を使ったオリィ研究所との連携の中で、遠隔操作型の分身ロボット「OriHime」をドコモショップなどで活用していく、あるいは、NTTグループのサービスと連携させて、販売していくことを考えています。2つ目は電話での説明を分かりやすくするために、インターネットサイトから簡単な操作で映像や画面の共有、チャットなどができるサービス「Comme@カスタマーサポート」をNTTアドバンステクノロジが7月に提供を始めています。

続いてコミュニケーションの進化として、3つ目ですが、NTTネオメイトが既に4月から提供しています「elgana」、これにID数無制限で無料でチャットトークができるフリープランを10月より提供開始しました。まずは、ビジネス利用でお使いいただき、今後は家族を含むコンシューマ向けの活用も展開していきたいと考えています。それから、4つ目として、スマートフォンの画面をスワイプすることで、好みのアングルで動画が見られるサービスをNTTドコモから11月より提供していきたいと考えています。

続いてオンライン化による生産性の向上です。5つ目はデジタル社員証です。これはスマートフォンをポケットに入れたまま、手をかざすだけで入退室を可能にするものです。これはBluetoothで個人認証をしており、物理的にはカードが不要となりますので、かなり手間が省け、接触も避けることができる利点があります。6つ目は、自動的に経費や交通費を精算できる「SmartGo™ Staple」というサービスで、モバイルSuicaで改札を通過するだけで、自動的に交通費の申請を完了するサービスです。それから、7つ目ですが、企業間取引を電子化する「BConnectionデジタルトレード」で、これも10月からNTTコミュニケーションズより提供を始めています。

これに限らず、今後もさまざまなサービスを「Remote World」というブランドに加えていくことで、ラインナップの拡充をしていきたいと考えています。


さて、トピックスの大きな2つ目は、NTTがめざす世界観、あるいは、社会課題への貢献を発信する場として、3D空間を活用した「DOOR」というオウンドメディアを11月17日に開設します。NTT以外の方々にも参加いただける場を提供することで、リモートワールドの世界観を体現していきたいと考えています。

11月17日より開催する「NTT R&Dフォーラム2020 Connect」において、リモートでの紹介をこのメディアを通じて行いたいと考えています。


それでは、トピックスの3点目、最後のポイントですが、中期経営戦略の進捗について、簡単に紹介します。現在、実施中のNTTドコモの完全子会社化を通じても、中期経営戦略の推進を加速させていきたいと考えております。

B2B2Xのプロジェクト数ですが、2018年秋の時点では13プロジェクトでしたが、現在、88プロジェクトまで増やしており、2021年度までに100プロジェクトという目標に向けて順調に進捗をしています。

また、ミリ波を利用した5Gについても2020年9月の段階でNTTドコモよりスタートをしています。

それから、アセットの有効活用の中に、「局舎のサテライトオフィス化を推進」という表現があります。これは10月から登戸でスタートしており、今年度中に10カ所、来年度には50カ所をめざして、私たちの電話局を活用したサテライトオフィスを広げていきたいと考えています。

それから、地域社会・経済の活性化への貢献については、横須賀と長崎の例を記載しています。

さらに、ESG経営の推進ですが、先般、Science Based Targets、気候変動イニシアチブの認定をいただきました。産業革命前からの気温上昇を2度に抑える、この取り組みに我々も参画を表明し、かつこの団体から認定を取得しました。

また、国際的な機関であるITERとは既に提携をしていますが、今般、日本の量子科学技術研究開発機構と核融合エネルギーの実証を支援するということで、協定を結ばせていただきました。これはIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の1つのユースケースとなっていくと考えています。

私からの説明は以上です。

質疑応答

  • 中期目標で海外売上目標250億ドル、営業利益率7%を掲げているが、コスト構造改革が途上で営業利益率の面では目標との乖離が大きいと考えている。グローバル事業の再編の足元の取り組み、営業利益率の向上に向けた課題やどのように数値を高めていくのか教えて欲しい。

    海外の状況と今後の目標に対しては、現在、足元の海外営業利益率が2.9%ということで、おっしゃったように2023年度までの7%の目標に対しては少し乖離がありますが、もともとそういう状況で中期経営計画を織り込んでいます。合理化をかなり進めており、NTT Ltd.は2年間でPMI(Post Merger Integration)を進めていますので、そこは計画どおりです。

    クラウドも新しいハイブリッドクラウドの構造にシフトして、Azureをベースにしていく動きを加えたり、お客さまを広げるために今まで各社ばらばらに対応していた部分を、我々がアカウントさせていただくお客さまを1,700社選定し、各社が連携したりしながら対応するモデルをスタートさせています。

    何を売るかというと、高付加価値サービス、ハイバリューサービスですが、これは今年度の収入のうちの36%を高付加価値サービスにしようという目標を立てており、2023年度には50%にする計画です。この数値は、第2四半期で既に37%まできています。そういう意味では、コスト削減が順調な中、お客さまを増やして、より良いサービスを提供していくことも始まった、と捉えていますので、新型コロナウイルスの影響はありますが、現時点では、中期経営計画に向かって進めていきたいと考えています。

  • 今日の東京株式市場が、29年ぶりの高値で引けているが、市場環境について澤田社長の考えを聞かせて欲しい。

    非常に喜ばしいことだと考えています。新型コロナウイルス、あるいは米大統領選と多少不安定な部分はあるかと思いますが、全体的な流れとしては、それを克服していく動きが出始めているのではないかと思います。製造業のPMI(Purchasing Managers' Index)を見ても、主要国では日本以外は既に50以上になっています。

    そういう意味から言いますと、日本の製造業PMI、あるいは日銀短観も早くプラス側になって景気が活性化してほしいと希求しています。その中で今日は良い徴候だったと捉えています。

  • NTTドコモの金融や電子商取引といった非通信のサービスに関する澤田社長の認識を聞きたい。KDDIやソフトバンクは、非通信領域が大きく伸びた結果、営業利益の増益幅が大きくなった。NTTドコモもスマートライフ領域は伸びてはいると思うが、他の会社に比べると相対的に伸びがまだ小さいのではないかという分析もされている。このあたりに関する澤田社長の問題意識と当面、NTTドコモの非通信領域を強化するためにどういった取り組みが必要と考えているのかを教えて欲しい。併せて、NTTドコモを完全子会社化することで、非通信サービスを伸ばしていけるのかどうかという点についてもコメントをお願いしたい。

    通信でない領域、新領域と言いますか、ご案内のように例えばソフトバンクですと、ZホールディングスがヤフーやLINEを子会社化したり、KDDIでは電力が好調だというコメントをしていたり、NTTドコモが十分持っていない領域を広げている部分はあるかと思います。

    NTTドコモが今スマートライフで特に注力しているのが金融や決済関係でして、例えばdアカウントは、我々の通信サービスを利用していないお客さまを含めて、その顧客基盤は既に8,000万を超えるまで広がっています。クレジットカードをはじめとした金融事業もかなり好調です。そういう意味では、今まで以上に、これからウイングを広げていければ、他社と比べても変わらない、むしろそれ以上の収益を上げていけるのではないかと考えているところです。

    NTTドコモを完全子会社化した後ですが、まだTOB期間中ですので、検討もこれからということになりますが、一般論で言いますと、やはり色々なシナジーを発揮し、パートナリングを活用しながら、NTTドコモ自身のウイングを広げていくことを期待しています。

  • 欧米中心に海外の情勢が不透明だということで年間の計画は変更しないとのことだが、欧州では、フランスなどで再度ロックダウンが発生していて、米国では、大統領選挙で今後どうなってくるかという状況にある。こういった状況が、今後の業績にどのような影響を与えると見ているか、足元の状況を教えて欲しい。

    まず、米大統領選について、民主党であれ共和党であれ、両党とも景気、いわゆる経済拡大のための予算化を企画しているため、どちらが政権与党となったとしても、恐らく経済を加速する政策が出てくると考えています。NTTグループは米国での事業がかなり大きな部分を占めているので、そういう意味においては、私どもも期待をしています。

    欧州や米国でも少し新型コロナウイルスの影響は出てきましたが、NTTデータの会見でもお話をさせていただきましたが、通常のパイプラインは下がります。あるいは、NTT Ltd.が持っているような工期の短いソリューションというのは、新型コロナウイルスの影響を受けてパイプラインがなくなったりしますが、長期的なものは、見ている範囲ではパイプラインが残っています。さらに、リモートワールドで、新しいデジタルソリューションをお願いしたいという追加案件も出てきていますので、このままの状況でいけば、かなり良い環境になると見ています。ロックダウンが今月で終わるのか、さらに長期化するのか、あるいは、ワクチンや治療法が近々確立していくのか、今日の時点においては、状況を注視しながら対処していきたいというところです。

  • 昨日、NTTドコモから5Gの基地局整備を加速していくというような説明があったが、完全子会社化によって5Gの展開、あるいは6G、IOWNの世界展開の加速に向け、どのような影響が出ていくるのか。

    5Gの加速は既に、NTTドコモの完全子会社化に関係なく、施策として織り込んでおり、これは変わらず、どんどん加速していくと思います。その5Gの向こうにある6G、例えばNTTドコモは、この5年間で5G向けに1兆円投資をしてどんどんアンテナを打っていく予定で考えていますが、それをさらに拡張し、その向こうの6Gを開発していく、そういう部分においては、まさに完全子会社化の目的の1つであり、いわゆる持株会社の研究所とNTTドコモの研究所がより協業し、6Gの世界を加速します。今回の完全子会社化は6Gの展開には不可欠であると考えています。

    社長記者会見の様子
  • 澤田社長は、常々GAFAへの危機感について語っている。NTTドコモの完全子会社化も含めて、これまで体制を変えてきているが、GAFAと戦っていく上でまだ足りないところや、今後どのように戦っていくかというところを改めて教えて欲しい。

    GAFAと戦うといっても、いろんな分野がありまして、既にGAFAと総称されるような会社は、上位のアプリケーションの世界で非常に高いシェアを持ち、展開していて、その上で、さらにクラウドや海底ケーブル、データセンターなどに関しても既に色々と展開しています。

    実は、データセンターやネットワークでいうと、場合によっては、我々のものを使っていただく場合もありますので、あるときは競ったり、あるときは協力したりという関係になります。アプリケーションは、NTTドコモで使わせていただいており、モバイルキャリアからすると連携をする対象でもあるわけです。

    ところが、eSIMが良い例ですが、いわゆる真ん中のサービスのソフトウェア化が進むと、いよいよGAFAが通信に入ってくることになります。IBMが他社と組んで、モバイルのバック側ですね、クラウドと呼んでいますけれど、そういうところにも参入するという記事が出ていましたが、そういう強いアプリケーションを色々と持っているGAFAやコンピューターメーカーが、テレコムの後ろ側にも参入しています。通信会社としては、ここが付加価値の基本なので、そこを強化していきたい。そのためには、5Gを自分たちの手でソフトウェア化していかなければならないと考えています。ところが、NTTドコモは無線のみ、持株研究所は基本的に固定ということで、移動・固定融合型の6Gには対応しにくく、そこに対応していかないと、GAFAとの戦いにも臨めないということになります。

    それ以外のところで、他の領域では足りないことが多いわけですので、これは個別に、例えばアプリケーションでどうだとか、あるいはどの方面の海底ケーブルでどうだとかいうような形で、競争しながら協調するような世界を実現するということではないかと考えています。これが基本的なところです。

    さらに、スマートシティやAIといわれるようなデジタルツインの世界に関しましては、ぜひ私どもも参画をしたいと考えていますので、恐らく、色々な競争関係も出てくると考えています。

  • デジタルツインのところで、GAFAと違うNTTの強みとなるところがあれば教えて欲しい。

    デジタルツインコンピューティングについては、まだ世の中にない、これからのものですから、強みはどこの会社にもないと言ったほうが良いかもしれません。ソフトウェアをどれだけ組めるか、AIをどれだけ構築していけるか、というユースケースもそれぞれの議論かと思います。例えば、シアトルでスマートシティを構想していたものの、実現しなかった例もあります。

    ご質問としては、ちょっとまだ時期が早いかと思います。それぞれの会社が自分の能力を高めるために色々と競争し合っていると捉えていただいたほうが良いと思います。

  • 新型コロナウイルスの影響により営業収益で1,300億円、営業利益で200億円のマイナスとのことだが、国内、海外の内訳を教えて欲しい。さらに、新型コロナウイルスによるプラス影響もあるかと思うが、そこは相殺されているとの理解で正しいか。また、下期もこの上期と同様な傾向が続けば、今後上方修正の可能性があるかどうかについても説明して欲しい。

    新型コロナウイルス影響については、営業収益は海外が500億円、国内が800億円のマイナスです。営業利益については、海外は調達してそのまま提供しているものも多いため、営業利益への影響は大きくなく、マイナス200億円のほとんどは国内と見ていただいて良いかと思います。基本的にはこれらの数値はネットしており、純額の数字になります。

    また、上方修正につきましては、我々の能力と現状からすれば、十分あると考えています。ただ、環境条件がどうなるか見えない部分がありますので、それを勘案しまして、上方修正は見送っています。

  • NTTドコモの完全子会社化によって9兆円に増える有利子負債を6兆円に圧縮する1つの手段として債権流動化が1兆円ということであったが、具体的にどういうものがあるのか説明して欲しい。また、これとは別にNTTグループ全体の総資産、22兆円をどこまで流動化して現金化するかという全体像について、併せて説明して欲しい。

    債権の流動化については、具体的には今年度目標にしているのは3,500億円です。これはNTTドコモの端末の割賦債権と、クレジットカードの債権で、この部分で、実は7,000億円ぐらいを対象としており、今年度と来年度で3,500億円ぐらいずつ実施していく予定です。残りの3,000億円は、クレジットの決済の債権化で、その流動化で毎年数百億円出てきます。その数百億、500億円とか600億円出てくるものを数年間累積すると3,000億円ぐらいになるということで、1兆円債権流動化と書かせていただいています。

    つまり、既に7,000億円、0.7兆円の債権流動化は計画に入っています。残り3,000億円、0.3兆円はこれから先の分で、おそらく高い確率で出てくるだろうということで、1兆円は確度が高いということで記載しています。これ以外に資産の流動化も検討していきたいと考えており、現実的に色々なものを考えていこうと考えています。

    総資産が全体で22兆円ありますが、このうち固定資産は10兆円とか、そういうレンジでありますし、一番大きいのは1兆円以上ある建物系になります。このうち、電話局というのはなかなか流動化しにくいわけです。このあたりもNTTアーバンソリューションズを一昨年、上場廃止し、流動化を進めながら、資金効率を上げていくというのが1つの考え方でしたので、これはどこまでいくかわかりませんが、実績的には数十億円、数百億円の世界ですが、これにトライしていきたいと考えています。

    それから、NTT東西の持っている設備などは、法律もありまして、流動化、オーナーシップを変えることはできないため、ここは難しいです。

    それ以外で言いますと、NTTドコモやNTTコミュニケーションズ、NTTデータや海外のデータセンター、あるいは他の設備ということになりますが、データセンターは非常に分かりやすいので、現在、流動化をどのように実施するのか検討を進めているという状況です。今あるものを流動化するというのはたくさんできないかもしれませんが、これも毎年1,500億円規模の投資をしていきますので、これからのものを流動化するということはやりやすいかもしれません。

    具体的に、全てのものを網羅的にここが流動化可能か、可能でないかとか、そういう検討の仕方はしておりません。非常に流動化しやすい、市場でも非常に魅力的なものはどれかというような形で絞り込みながら対応しているというのが現実です。現状では包括的な整理がない中ですが、数千億円は出てくるのではないかと考えています。

  • 今回、債権流動化は1兆円しか織り込んでおらず、考え方によっては、今後の有利子負債の圧縮はかなりの部分を資産の流動化でカバーしていくようにも聞こえるが、それは今、織り込めていないということで、現在計画として入れているのは1兆円だけということか。

    6兆円ぐらい負債を持っていても良いという考え方に立っていますので、あと9,000億円、0.9兆円をどう返済するかということになります。借金を返済する能力はあります。今期は自社株買いをやり、あえてその分を返済しませんが、通常は、年間で2,000億円、3,000億円を返済できますので、借金として残っている9,000億円は4、5年で返済が終わるということになります。もし自社株買いをやらずに全て借金返済に充てると2年で完了します。2年でこの9,000億円は返済できます。それで6兆円の借金を持っていても、シングルA以上の良い財務基盤を持って対応できるということで、決して資産を売って、それで返すお金をつくらないといけない会社ではないため、そこをよくご理解いただければと思います。

  • 中期計画発表から2年が経つが、海外の売上高、営業利益率以外の項目、例えばROIC(Return on Invested Capital)8%に向けた状況など、現状の認識を教えて欲しい。今回のNTTドコモの完全子会社化により中期経営計画の見直しの考えなどあれば教えて欲しい。

    まず、ROICですが、現状6%台ですので、債権の流動化や資産の流動化などを重ね、借金を返済しながらやっていきます。これを積極的にやらないと、なかなか8%まで上げるのは、厳しい状況です。NTTドコモの完全子会社化で、シナジーがどれぐらい出るかということで、ROICの数字も見えてくるかと考えています。

    Capex to Salesは2021年までに13.5%の目標ですが、こちらはほぼ照準に入っています。コスト8,000億円削減も照準に入っていますので、今回のNTTドコモ完全子会社化で、これらの数値をどう置いていくのか、今年度末の決算発表の際に中期経営計画の見直しという形で発表したいと考えています。

  • NTTドコモの完全子会社化に絡んで、NTTコミュニケーションズなどとの連携の話があったかと思うが、直近のNTTコミュニケーションズの国内の数字を見て、成長性などNTTコミュニケーションズの国内事業に関しての現状の認識と、NTTドコモと連携することでのシナジーを聞かせて欲しい。

    NTTコミュニケーションズというのは、プラットフォーマ、大きい意味でのGAFAのようなプラットフォーマではなく、B2B2Xビジネスのプラットフォーマをめざしています。色々な方との連携が多いのも、NTTグループの中ではNTTコミュニケーションズになります。

    長距離電話やネットワーク事業が縮減していく中で、法人営業力やパートナー力が強いため、現状も非常に利益率が高い構造で推移をしています。さらに、データセンターをはじめとする、ITインフラ系につきましても、これから先、特に期待が持てるところでもあります。

    不足しているのは、モバイルソリューションです。そういう意味では、NTTドコモと連携を深めることで、NTTドコモ側も強くなりますが、NTTコミュニケーションズというユニットも非常に競争力を持てる構造になる、と考えています。

    昔の長距離電話やIPネットワークをベースにしたNTTコミュニケーションズではなく、B2B2Xモデルのプラットフォームを意識した、そういうバリューパートナーになるのに適した会社ではないかと考えています。

  • NTTドコモとNTTコミュニケーションズ両社の企業文化もかなり違うと思うが、その辺はどのような協力が考えられるか。

    企業文化は違いますが、例えば、NTTグループの利益1兆円の半分はNTTドコモですが、それ以外はグローバルを含めて、色々な会社が頑張ってくれて上がっている利益なわけです。このダイバーシティはNTTドコモとNTTコミュニケーションズの差どころではないわけです。NTTデータもそうです。電力もあります。不動産もあります。医療関係もあります。さらに、海外もあります。それぐらい、色々な企業文化がある中で、持株会社というのはガバナンスを考えて動かしています。

    そういう意味では、ビジネス向けとコンシューマ向けの違いもありますし、マインドセットはNTTコミュニケーションズとNTTドコモとでは違うと思いますが、それはガバナンス、例えば権限委譲のやり方などで管理していけるものと考えています。

  • 東京オリンピック・パラリンピックへの対応について、大会スポンサーの契約期間が12月で切れるが、これは延長する見通しか。また、延長するにはどのような条件が整うことが必要だと考えているのか。

    契約期間が切れるということに関しては、議論をしていますが、現時点において、どうするのかなど条件についてはお答え出来ません。大変申し訳ありませんが、議論をしていますし、オリンピック・パラリンピックはぜひ来年実現していきたいし、していただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

以上

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