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2023年11月 7日
島田代表取締役社長
(同席)
中村執行役員財務部門長
服部執行役員経営企画部門長
2023年度の第2四半期決算を説明します。
4ページをご覧ください。第2四半期連結決算の状況は、対前年増収減益、営業収益は第2四半期としては過去最高を更新しました。
営業収益は総合ICT事業セグメントやグローバル・ソリューション事業セグメントの増収などにより、対前年784億円増収の6兆3,646億円となりました。なお、この増収のうち、為替の影響は約+800億円です。
営業利益は、地域通信事業セグメントにおける大規模システム更改などのオペレーション効率化のための先行費用増や資産スリム化に向けた不要資産の撤去コストなどが増えたことにより、第2四半期時点では対前年456億円減益の9,509億円です。なお、第2四半期の計画は開示しておりませんが、収益、利益ともおおむね想定どおりの進捗です。
下期に向けて、成長投資の拡大とともに、ノンコア資産のスリム化を実施し、キャッシュ、利益を創出していく考えです。コスト削減施策の確実な実施などとあわせ、年間で増益となるNTT連結計画の達成に向けて取り組んでまいります。
当期利益は、営業利益の減や支払利息の増などにより、対前年258億円減益の6,708億円です。EBITDAは、営業利益の減などにより、対前年345億円減の1兆6,731億円です。
続いて5ページをご覧ください。セグメント別の収益、利益です。
総合ICT事業セグメントは、法人事業およびスマートライフ事業の増収などにより対前年増収しています。法人事業の中小企業向けの提案支援体制強化などのコスト増による減益を、コンシューマ通信事業のコスト効率化などによりカバーし、対前年増益です。
地域通信事業セグメントは、固定音声関連収入などの減収に加え、上期時点ではコストが先行しており、対前年減収減益です。収益、利益ともおおむね想定どおりの進捗であり、年間での増収増益に向けて引き続き取り組んでまいります。
グローバル・ソリューション事業です。公共法人分野を中心とした日本国内の増収に加え、為替影響などにより対前年増収です。海外事業統合コストなどの増はありますが、構造改革効果や増収に伴う増益により対前年増益です。
その他、不動産、エネルギーなどでございますが、アノードエナジーによる電気料収入の減などにより、対前年減収減益となっています。
6ページをご覧ください。第2四半期時点では、営業利益、当期利益とも対前年減益ですが、おおむね想定どおりの進捗になっており、下期の増益でカバーすることにより年間計画の達成、2023年度を最終年度とするEPS目標についても達成に向けて取り組んでまいります。
7ページをご覧ください。次に、トピックスについて4つ説明させていただきます。
8ページをご覧ください。はじめに、自動運転関連の取り組みについてご説明いたします。NTTは日本における自動運転サービスの本格展開を見据え、自動運転技術に強みを持つMay Mobility社に出資をするとともに、同社の自動運転ソリューションの日本国内独占販売権を獲得いたしました。May Mobility社の自動運転システムと当社の高速、高信頼のネットワークやICT技術を活かし、さまざまなパートナーの皆さまと連携をしながら社会課題解決に向けた自動運転サービスの提供を行ってまいります。
9ページをご覧ください。IOWNを活用したビジネス事例の創出に向け、NTTデータグループが、北米およびEMEALにIOWN Global Promotion Officeを設立しております。2025年度末を目標に、グローバルで600名規模のIOWN技術有識者を育成し、本格的な社会実装を目指してまいります。
10ページをご覧ください。次に、APNなどによるIOWNデータセンターの実現についてご説明いたします。分散型データセンター実現に向け、米英および国内でデータセンター間のAPN接続の実証実験を2023年度末に実施いたします。低遅延、大容量、高品質のデータ伝送を行うことで、複数拠点の施設であたかも単一拠点のデータセンターを利用しているかのような情報処理の実証を予定しております。今後、米英以外の国にも同様の実証実験を展開してまいります。
11ページをご覧ください。中期経営戦略について、取り組みの進捗状況はご覧のとおりです。
12ページをご覧ください。最後に株主数の状況についてご説明します。株式分割後の9月末の株主数を報告します。従来微増傾向だった株主数が、1.5倍超と大幅に増加となっています。株式分割を契機に、個人株主の皆さま中心にNTT株式への投資のご関心をお持ちいただけているのではないかと考えています。40代以下の層の割合が約4倍になるなど、年齢構成も多様化しています。
以上で、私から決算に関する説明を終わります。
続いて、NTT法のあり方について当社の考え方をご説明します。まず、NTT東日本・NTT西日本とNTTドコモの合併禁止に関わる規律については、改めて申し上げますが3社を統合する考えはありません。電気通信事業法で定められているブロードバンドサービスのユニバーサルサービス義務にNTT法で定められている固定音声サービスも含めて統合すべきだと申し上げています。
電気通信事業法で、特定の事業者に対して、あまねく普及責務を課し退出規制を設けることについて、法制的に問題はないということを、元内閣法制局長官で最高裁判事であられました山本様からご意見をいただいております。
読み上げさせていただきます。
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総務省の通信政策特別委員会の審議内容を見ると、立法論を誤解している議論が展開されている。例えば、ある委員の意見では、ブロードバンドサービスのユニバーサルサービスのラストリゾート責務を担う提供主体について「国が指定を行うとなると、事業法で規定することになるが、事業法でNTTを名指しすることは困難」としている。しかしながら、事業法で、一定の要件に該当する事業者に対して法律上の義務を課すということは、ごく一般的に行われている。そこで、電気通信事業法の中で「全国にあまねく基礎的電気通信役務を提供するために必要な資機材を保有する事業者として政令で定める要件に該当するもの」をユニバーサルサービスを提供しなければならない事業者として指定することとし、その要件の設け方を工夫することにより、NTT東西だけが対象になるという方策も十分に考えられる。従って、別にNTT法によらなくとも、事業法でユニバーサルサービスの規定を設けることは、十分に可能であるし、それは事業法によくある通常の規定ぶりである。付言すれば、「事業法はニュートラル」、あるいは「NTT法は限られた分野の法律」という当該委員の発想は、同意し難い考え方である。法律というものは、特定分野の人に権利を与え義務を課すものであるから、その法目的に合致している範囲内において、なるべく一つの法律で律する方が、国民にとっての一覧性が高まり、かつ規制内容相互の関係性が理解しやすいものになると考えている。
令和5年11月2日 元内閣法制局長官・最高裁判事 山本庸幸
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このようにご意見をいただいています。
それから、外資規制の規律方法についての考え方ですが、当社としては主要通信事業者を対象とすることが必要だと考えています。その実現方法については、外為法だけではなく、電気通信事業法やその他の法令なども含めて幅広く検討をいただくことが重要だと考えています。NTTだけを対象にして守っても、守り切れないということであります。
次のページ、お願いします。電話のユニバーサルサービスについて、誤解が出るような発言が出ています。6,000万という数字が出ていますが、NTT法で定められる電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保の責務の対象については電気通信事業法において定められており、NTT東日本・NTT西日本が提供するひかり電話等のサービスは対象外です。電気通信事業法で定めている電話のユニバーサルサービスの対象は、加入電話、光回線電話、ワイヤレス固定電話、公衆電話です。メインはあくまで加入電話でありますので、契約数は現在1,350万回線です。
次のページ、お願いします。公社時代の資産の承継についてです。民営化時に政府に株式を割り当てた時点で、資産は株主である政府に帰属しています。その後、政府が売り出しをされて、3分の2が民間に移転したことに伴い、最終的な帰属については、3分の2は民間の株主に移転されています。イギリス、フランス、ドイツにおいても過去に資産承継をしており、事業法で公平、公正な貸し出しが規律されている点は日本と同様ですが、特殊法人法はありません。主要国での特殊法人法はなく、ユニバーサルサービスは事業法で規定されています。
以上です。
先月、NTT西日本子会社の元派遣社員による900万件の個人情報の流出問題が明らかになったが、島田社長の受け止めと、今後の対応について教えて欲しい。
NTT西日本の子会社が起こしたお客様情報の流出については、誠に申し訳なく思っております。特にNTTグループの中で定めていた、持ち運び可能な外部記録媒体は持ち込んではいけない、振る舞い検知のソフトを入れてないといけない、ログをしっかり残さないといけないといったルールが機能していなかったということを非常に反省しております。
現在、緊急対応として、NTTグループ全社に対して、ルールが的確に実施されているのかどうかをまず確認し、もしも課題があるということであれば、適切に早急に見直していきます。
さらには、恒久な対策についてもあわせて検討を進めており、例えば持ち運び可能な外部記録媒体は基本的には今までも原則使わないというルールでしたが、原則も取り一切使わないような形にします。もしも例外的に使わざるを得ない場合は、限定して許可を得るような形にするなどを検討しています。また振る舞い検知に関しては、2020年の6月に特にお客様向けのシステムに導入することを指示していますが、それも守られていなかったので徹底させます。
この2点は完全に徹底させ、さらに内部統制の抜き打ち監査なども含めて、しっかり対応してまいりたいと思っています。ご迷惑かけたお客様には、本当に申し訳なく思っています。
第2四半期の決算について、営業収益が過去最高になったということだが、セグメント別の状況を見ると、グローバル・ソリューション事業が伸びている一方、地域通信事業が大きく落ち込んでいるように見える。これらの要因を教えて欲しい。
まずグローバル・ソリューション事業の収益は、国内のNTTデータのビジネスが順調に伸びています。一方で為替の影響があり+800億円ほどプラス要素が出ております。したがって単純に考えると+200億円強とご理解いただければと思います。利益は、国内よりも海外の構造改革の成果が表れておりプラスになっているとご理解ください。
地域通信事業については、収益は、固定電話についてNTT法に関するテーマでもお話しした通り既に赤字になっている部分と、今年になって、新型コロナ渦に伸びていた光回線のビジネスが反動によって伸び悩んでいます。
従来は光回線の純増を伸ばすことによって固定電話収益減をカバーしていましたが、厳しい状態になってきています。
こうした状況をコスト削減などでカバーしていく戦略ですが、上半期は、財務・調達などのシステムを全面的に入れ替えたほか、不要資産の除却や、再開発、売却などを上半期にやってきましたのでコストが先行しています。下半期は、そうしたアセットの整理などを通じ、全体として大体去年と横ばいの水準まで持っていければと考えています。
下期の事業環境をどう見ているか教えて欲しい。
収益の割合の大きいNTTドコモが、法人営業とスマートライフビジネスで先行投資をしており、その効果が後半に出てきますので、コンシューマ事業については上半期で既に+70億となっていますが、全体としても下半期に利益が上がってくる計画です。
NTT東日本・NTT西日本も下半期はコスト改善効果や不要資産の売却により利益が上がってくる見通しです。
グローバル・ソリューション事業に関しては、今のまま順調に利益を伸ばしていけると思っています。
電力の事業に関しては、今年は電力調達が非常に難しく収益を一気に落としていますので、その部分の収益と利益は回復するのは難しい計画としています。
May Mobility社への出資について、去年ソフトバンクも業務提携したと思うが、NTTが奪ったという理解でよいか。
あくまでもMay Mobility社と話をさせていただき日本の中の独占販売権を当社がいただいたということであり、取った・取られたということではございません。
NTT法について、KDDIやソフトバンクが、NTT法をなくすことによってのデメリットをアピールしているが、反対にNTT法を見直すことでの国民へのメリットがあれば教えて欲しい。
1つは研究開発の開示義務が色々な意味で制約になっておりますが、他企業とパートナリングしお互いの強みを持ち寄ってビジネスを展開しやすくなるということです。
また、NTT法の構成が、固定電話のあまねく普及となっているところ、今の時代に固定電話のあまねく普及について議論をしても意味がないので、進化しているテクノロジーをいかに国民の皆様に享受していただくかという観点で、先を見据えて議論をしていけるようになることが、今回の見直しでは大きな要素になろうかと思います。
後ろ向きに話をしていても未来は生まれてこないので、国民の皆様にとって、次のインフラはどういうインフラにするべきか、例えばオールフォトニクス・ネットワークやマルチコアファイバーに変えていくなら物理網から変えていく必要もありますし、更にAIやデジタルツインも組み合わせていく、加えてスターリンクとの連携や衛星コンステレーション、HAPSといった様々な新しい技術を日本の中で花開かせるような未来のビジョンを描いて制度化していくことが重要だと思っています。
それは各社で競争しながらでもやっていくものだと考えています。
先日起こった全銀システムの障害を巡り、NTTデータが再発防止策を検討していくということだったが、島田社長の受け止めについて教えて欲しい。
NTT西日本子会社の情報漏洩案件と同じく、日本中のお客様が利用するインフラとも言えるシステムが故障したということを誠に申し訳なく思っていますしご不便をおかけしたと思っています。
過去50年間障害はなく、初めてこういったトラブルを起こしてしまったわけですが、今回はクラウドに持っていくところで発生していてソフトウエアが関係しています。したがってこれからの新しいテクノロジーをシステムの中に導入していく時には、従来考えてなかったようなことが起こる可能性があるので、今回の件だけでなく、国家的な様々なシステムも含めて、出来る限りこれまで以上にきめ細やかな検証環境を作っていくことが必要だと思っています。
今回の具体的な対応については、またNTTデータの方から具体的なお話をさせていただく機会があると思いますので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
NTT法について、KDDIの高橋社長などは、単純な廃止はあり得ない、法改正は時間がかかるので、法を残して改正に留めるほうがよいと意見を述べているが、このことについての受け止めを教えて欲しい。
世界の主要国を見ても、特殊法人法を持っているのはオーストラリアのテルストラ法以外にほとんどありません。世界ではこの議論は20年前にしています。20年前に世界では変わっているのに、日本では同じ議論をまたするのですか、ということです。変えていくべきだと思います。
20年前、日本でも情報通信審議会で、今、当社が主張しているようなことは答申が出されています。何で日本だけ40年前のままで法律を残す必要があるのかと考えます。やはり未来に向かって進むべきだと私は思っています。
May Mobility社との連携について今後の展開を教えて欲しい。
まずは2024年に一定のクローズドなエリアで、日本の歩行者の行動の習慣や運転の特徴などを含め実証実験を始めます。実証にどれだけかかるかはやってみないとわかりませんが、日本の環境に合う自動運転の形が出来てきた段階で、2025年頃からコミュニティーバスサービスを運行される運行事業者様に提供していければと思っています。2025年問題に代表されるように、現在でも地方ではタクシー、車はあるものの運転手がいないとか、バスも運転手がいないから運行本数を減らすといった社会的な課題が生まれてきているので、出来るだけ早い段階で解決する1つの手段としてこういったソフトウエアを提供し、お客様のニーズに合ったサービスが展開できるような形に持っていければいいと思っています。
NTT法について、KDDIは電話の契約数が6,000万件あって、このことは総務省にも確認を取ったということを言っていたが、数字の認識に相違があるのはなぜか教えて欲しい。
光IP電話は、ユニバーサルサービス基金からお金をいただく対象になっていませんから、ユニバーサルサービスの対象サービスではありません。もしも光IP電話自体がユニバーサルサービスだと言うならば、同じように補填金をいただく必要がありますがいただいていませんから定義は明らかだと思います。
ユニバーサルサービスは、ラストリゾートについて他の誰もサービスを提供しないのでNTT東日本・NTT西日本に義務化されています。したがって、固定電話を引いてほしいと言われたら、いくらコストがかかっても、離島であっても何であっても回線を引いています。そこに対してユニバーサルサービス基金という形で全体の約10%を補填いただいているわけです。あまねく公平に、というユニバーサルサービスの原則は、コストがかかって設備工事をやったとしても同じ料金でご提供するということだと解釈しています。
NTT法について、20年前に情報通信審議会で答申が出ているが、なぜ何も変わらなかったと分析しているか教えて欲しい。
当社も、もっと訴えてくればよかったのかもしれません。最終的に法律を改正していくというのは政府の仕事ですが、当社も答申後に積極的な行動を取ってもよかったのではないかと、今思うと思いますが、残念ながらその当時はあまりしてこなかったという反省は正直言ってあります。
イスラエルとパレスチナ情勢について、現地法人としてNTTイスラエルがありますが、勤務者の現状と事業継続の見通しについて教えて欲しい。
NTTイスラエルCEOのノア氏とは今週直接メールでやりとりしています。9名の従業員はご家族も含めて無事なので一安心ですが、出来るだけ早く平和な状況になってもらいたいです。日本人2名は帰国させています。
事業自体は今も継続していて、NTTグループの一員としてしっかり活動を継続していきたいと聞いておりますので、非常にありがたいことだと思っています。
NTT法について、NTT東日本・NTT西日本とNTTドコモを合併するつもりはないという主張に対し、他社は口約束ではなく担保する法律がないことへの懸念を示しているが、考えを教えて欲しい。
電気通信事業法の中に禁止行為規制というのがあり、例えばNTT東日本・NTT西日本とNTTドコモの役員は兼務をしてはいけないとか、NTT東日本・NTT西日本の設備部門と営業部門は分けなくてはいけないといった規定があります。そこにNTT東日本・NTT西日本とNTTドコモは合併してはいけないと書き足すという選択肢はあり得ると思っていますし、ご紹介した山本庸幸様のご意見も同様のご主張だったと思っています。
電気通信事業法の中に色々な規定を作っていくことが出来ますし、海外の主要国は全部事業法で規定しています。日本ではなぜ電気通信事業法で規定できないのか、逆に教えてもらいたいぐらいです。
NTT法について、結果的に廃止というスタンスは変わりがないのか教えて欲しい。
かねてから結果として廃止と申し上げていましたが、その点は変わっていないです。
議論を尽くして、その結果廃止になるものだと思っておりますし、頭から廃止と言っているわけではなく、電話のユニバーサルサービスも電気通信事業法の中に統合し位置付けた方が国民の皆様の生活にとって良いと思っています。
音声はブロードバンドの中のアプリケーションのようなものですから、将来的には技術基準を守った電話サービスをブロードバンドの中に位置付けしてもいいとは思いますし、その時代にあったサービスの中身を考えていくべきだと思います。
仮に世の中から高いレベルの音声サービスを求める方が国内に多くいらっしゃるのならそういうルールにすればいいし、もっと簡易なソフトウエアで制御していくアプリケーションでもいいというニーズであれば、そういう形の整理だってあり得るかもしれません。
したがって、何が社会、それから国民の皆様が求めているものかというのを明確にして、提供していくという仕組みが重要だと思います。
一方で、ユニバーサルサービスというのは、赤字のエリアにサービス提供をするということですからコストが当然かかります。したがって国民の皆様のコスト負担をいかに少なくしながら最良のサービスを考えるかというバランスが重要だと思いますので、議論して整理をすることは必要だと思います。
May Mobility社のソフトが持つ特徴について教えて欲しい。
May Mobility社の特長は、AIで周辺情報を全て監視している点です。アメリカでは本社のあるミシガン州以外にもカリフォルニア州など様々な場所で35万回以上の走行テストをしています。ただ、日本には日本の交通ルール、運転マナーがあり、米国などに比べて歩いている人も多いので、日本の環境にあった運行システムに、チューニングしながら実用化していくことが大事だと思っています。
ドコモの通信品質についての受け止めを教えて欲しい。
頑張ります。追加で+300億円を投資してしっかりパワーアップさせます。まだ路線の一部では課題があるのは事実です。したがってしっかり強化して、今年12月までにNTTドコモは90%と申していますが、出来るだけ早い段階で100%、いや120%まで持ち上げていけるように取り組んでまいります。
これからもトラヒックはまだ増えるはずです。新型コロナ渦が明けて一部の都市部などではトラヒックが1.7倍になりましたが、これから利用のされ方で映像サービスを屋外で使われるお客様が増えていくと思いますので、それにも備えて準備をしてまいりたいと思いますし、当社はAIサービスも自ら作りましたから、うまく組み合わせて品質の向上に全力で取り組んでいきます。
IOWNに関して、NTT法によってワールドワイドの普及に制限がかかっているのか教えて欲しい。
研究開発の推進普及義務に関してはない方がありがたいわけです。なぜかと言うとパートナー企業様とコラボレーションする際は、オープンにするケースもありますし、特許を出していくケースもありますし、ブラックボックス的なオペレーションを行うというケースもありますが、相手があることなのでどれを選択するかというのは我々だけで決められないわけです。
したがって、同じパートナリングをするにあたり、選択肢が普通の企業と同じような形であるほうがパートナー企業様にとっても良いわけですし、そうでない場合は戦略のチョイスが減ってしまいますから、コラボレーションする上でのネガティブ要素になってしまうわけです。当然当該箇所は早く見直ししていただきたいと思っていますし、研究開発を進めていく上でも、国益としてもプラスになるだろうと思います。
自動運転などのサービスが展開していくと、5Gなどで大きな帯域が必要になってくると思うが、大幅な投資の予定などがあるか教えて欲しい。
モビリティーサービスの展開においては5Gのネットワークが重要になるのは仰るとおりだと思います。5Gのネットワークも必要ですし、自動運転の時代の到来は2030年頃だと思いますので6Gの世界に移ってくるわけです。したがって、5Gの段階で色々な実験をして、例えばコミュニティーバスでの提供では特定エリアの中にフォーカスしたサービスになりますから集中的にアンテナを打つなどして拡充しつつ、6Gの段階ではAPNもセットになってくると思いますので、全体として光と無線を組み合わせた世界で新たなモビリティーサービスの展開を図っていくということになるかと思います。
以上
NTTグループ中期経営戦略
2023年5月、「NTTは挑戦し続けます。新たな価値創造と地球のサステナビリティのために。」を基本的な考え方とした中期経営戦略を発表しました。
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