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2024年11月 7日

社長記者会見

2024年度第2四半期決算について

島田代表取締役社長
(同席)
中村執行役員財務部門長
服部執行役員経営企画部門長

社長記者会見の写真

(島田社長)

2024年度の第2四半期決算をご説明申し上げます。

まず、4ページをご覧ください。第2四半期連結決算の状況について、対前年増収、営業利益、当期利益は減益です。EBITDAは増益の決算です。
 営業収益は第2四半期として過去最高を更新し、営業利益は第2四半期単独では対前年増益に転じています。営業収益は、総合ICT事業セグメントやグローバル・ソリューション事業セグメントの増収などにより、対前年2,261億円増収の6兆5,906億円です。なお、この増収のうち、為替の影響は約1,000億円です。
 営業利益は、NTTデータグループの増益やスマートライフ事業の拡大がありますが、モバイル、固定における通信サービス収入の減に加え、NTTドコモにおける顧客基盤強化に向けた施策展開などにより、第2四半期時点では、対前年307億円減益の9,203億円です。第2四半期末の計画については公表しておりませんが、内部の計画を上回る結果となっています。
 販売強化の成果として、光サービスの上期の純増数は前年比で増加に転じており、MNPは足元では改善傾向です。引き続き顧客基盤の強化とネットワーク品質向上を着実に実行しつつ、連結利益計画の達成に向けて、コスト効率化の加速、法人ビジネスの拡大に取り組んでまいります。
 当期利益は営業利益の減に加え前年度の株式売却益の反動などにより、対前年1,161億円減益の5,548億円です。EBITDAは、データセンターをはじめ、成長分野収入の増などに伴うキャッシュの創出力の拡大などにより対前年125億円増の1兆6,856億円となりました。

5ページをご覧ください。セグメント別の収益、利益について、総合ICT事業セグメントは、モバイル通信サービス収入の減があるものの、スマートライフ事業における金融決済を中心とした成長などにより、対前年増収となりました。
 スマートライフ事業の増益はあるものの、顧客基盤強化に向けた施策展開などにより、対前年減益です。顧客基盤強化やネットワーク品質向上を確実に実行しつつ、年間計画の達成に向けて、さらなるコスト効率化などに取り組んでまいります。
 地域通信事業セグメントです。ネットワーク収入の減に加え、災害復旧費用の増などにより、対前年減収、減益です。光サービスの純増数は、10ギガプランやマンション市場向けの全戸一括プランの販売強化により、前年比で増加に転じています。営業収益、営業利益ともにおおむね想定どおりの進捗であり、中期的な成長に向け、事業の選択と集中や、オペレーション業務改革など抜本的なコスト構造の見直しに積極的に取り組んでまいります。
 グローバル・ソリューション事業セグメントです。日本における公共・金融・法人分野の増収に加え、為替影響などにより対前年増収です。日本国内での増益および海外におけるデータセンター事業の増益、ならびに、構造改革費用の減などにより、対前年増益です。
 その他(不動産やエネルギー等)事業です。NTTアーバンソリューションズにおけるデータセンターエンジニアリングの拡大などに伴う増収により対前年増収、増益です。

6ページをご覧ください。次に、トピックスについて、8つ説明いたします。

7ページをご覧ください。まず、1つ目ですが、先日共同記者会見でご説明したとおり、モビリティ分野においてトヨタ自動車様と共同の取り組みを進めてまいります。

8ページをご覧ください。次に、自動運転サービスの普及に向けた取り組みについてご説明いたします。2023年11月に、アメリカのMay Mobilityに出資するとともに、2024年8月にはNTT西日本がフランスのNavya Mobilityに出資を決定し自動運転サービスの社会実装を推進しております。例えば、名古屋市内で全国初の都市部幹線道路での自動運転車両による定期運行を開始するなど、より安心・安全な自動運転サービスの実現に向けた取り組みを各地で実施してまいります。
 次に、世界初の国際間IOWN APN(All-Photonics Network)の実現についてご説明いたします。これまでの日本国内や海外におけるデータセンター間のIOWN APN接続に加え、2024年8月に日本と台湾間の3,000キロメートルをつなぐ世界初の国際間IOWN APN接続を実現しました。長距離を低遅延かつ揺らぎのない通信で接続することで、今後国際間でのデータバックアップやレプリケーションサービスなどの提供をしてまいります。

10ページをご覧ください。次に、陸上養殖の取り組みについてご説明いたします。NTTグリーン&フードが、2024年12月に静岡県磐田市で国内最大級のエビの陸上養殖施設の運用を開始いたします。2024年8月に子会社化しました「海幸ゆきのや合同会社」の生産量と合わせ、国内最大のエビの陸上養殖生産事業者になる予定です。グループ各社でもさまざまな取り組みを進めており、引き続きNTTグループとして水産業の課題解決、付加価値向上を実現し、産業振興、地方創生に貢献してまいります。

11ページをご覧ください。中期経営戦略について、8月以降の取り組みの進捗状況は記載のとおりであります。

12ページをお願いいたします。配当についてはご覧のとおり、継続的な増配を実施しておりますが、2024年4月のNTT法改正を受け、今回より中間配当の支払日の前倒しを行います。支払開始日は2024年11月29日を予定しています。これまでより大体半月ぐらい早くなったと思います。
 次のページをご覧ください。自己株式の取得については、2025年3月末までの取得枠2,000億円に対し、2024年10月末までの取得実績は883億円です。進捗率は約4割と、予定どおり進捗しております。

次のページをご覧ください。最後に、株主数の状況についてご説明いたします。前回の決算発表時にもご説明いたしましたが、その後さらに増加いたしまして、この2024年9月末には株式分割発表前に比べ2.7倍増となる244万人となり過去最高を更新いたしました。右側の円グラフのとおり、年齢構成の多様化も進行しており、さまざまな世代の方々に保有をいただいております。
 私からの説明は以上です。

質疑応答

  • NTTドコモについて、ahamoの見直しや通信ネットワーク品質に向けた投資など、コンシューマ事業のてこ入れを図っている状況かと思うが、現状の施策の進捗に対する評価と今後の見通し、期待する部分について教えて欲しい。

    ご認識のとおり、今年はまず顧客基盤の強化と、通信品質の強化の2つが非常に重要な課題だと思っています。コストをかけてもやり抜きたいと思っています。もちろんそのためには、あらゆる面でのコスト改善をしていかなくてはいけないということになりますが、その2点については本当に重視してまいりたいと思っています。
    おかげさまで直近ではMNPも非常に良い調子になってまいりましたし、新プランへの移行も例えばeximoでは2024年度末に大体60%程度を計画していましたが、第2四半期の段階でその水準まで来ています。

  • 先日TOBが成立したJTOWERについて、総務省の有識者会議の中で経済安全保障の観点から外資に国内の鉄塔が流出することを懸念するような声が上がっていたと思うが、改めて今回TOBの応募に至った理由と、NTTの事業や通信業界全体に与える影響をどのように見ているのか教えて欲しい。

    タワーシェアリング事業に関しては、我々も東南アジアなどで出資をしています。ですから、国内外問わず、グローバルには様々な方々が出資しているわけです。我々は元々JTOWERにNTTドコモやNTT東西の鉄塔を売却してきたところですが、基本的な契約について、耐用年数の間の料金や、仮にこれから売却するとした場合の条件なども全て固定化しているので、リスクは全くないと思っています。
    今回、売却先がアメリカの企業ということもあり、一定程度の国際間の経済交流は当然必要だと思いますし、我々も海外のサーバ事業者への出資などをやっていきたいと思っていますので、それを以て経済安全保障上の問題が生じるとは考えていません。

  • アメリカ大統領選挙でのトランプ氏が勝利したが、受けとめについて教えて欲しい。

    政治情勢についてはコメントを控えますが、基本的に日米同盟は日本の経済、それからグローバルの経済を支える非常に重要なものになっていると思いますので安定を求める必要があると思います。どなたが大統領になられても、関係性をしっかり保っていくことが日本にとって重要だと思います。我々は別に政治をやるものではありませんが、経済の分野の中で、アメリカとの協調をしっかりとっていくことが重要だろうと思います。

  • 先日投開票された衆議院選挙の結果として自民党・公明党が過半数割れし今後不安定な政権運営が予測されているが、NTT法の議論など事業への影響について教えて欲しい。

    経済にとっては政治の安定が重要です。何かマジョリティを取っていくことが安定というわけではなく、様々な価値観を議論した上でコンセンサスを得て安定させていくことが重要だと思いますので、そうした形で政治情勢が安定していくことが望ましいだろうと思います。

  • 株主の数が過去最多になったとあったが、肝心の株価はあまりよろしくないのではと思う。直近のマーケットからの評価をどのように受け止めているか教えて欲しい。

    2024年5月の決算発表で2024年度決算が減益になると発表したことで、株価が下がり株主の皆様には申し訳なく思っていますが、先ほどお伝えしたように、機関投資家様が売却したものを個人株主様が買っていただいてると見ています。個人株主様が増えていることについて非常にありがたく思っておりますし、実際にこれから株価を上げていくためには、業績をしっかり上げていかなくてはいけません。新中期経営戦略で定めたように成長分野にしっかり投資をして、キャッシュを稼いで、その事業が成長することによって株価も上がっていくと確信しておりますので、着実に推進してまいります。

  • 総務省でNTT法の見直しの報告書案が出て、電話のユニバーサルサービスがモバイル網固定電話などで規制緩和の方向になったと思うが、これにより、今後地域通信事業の経営はどのような改善が期待できるのか見通しを教えて欲しい。

    まずコスト削減は永遠の課題ですので着実にやっていかなくてはいけません。今、AIとDXでもってプロセスを改善していくということにNTT東日本、NTT西日本をはじめNTTグループを挙げて取り組んでいますので、着実に進めてまいります。
    そのうえで、ユニバーサルサービスについて、モバイルの固定電話を利用してもいいという方向性が今回示されたところですが、我々が試算した結果、今は固定電話で約550億円の赤字であり約30億円はユニバーサルサービス基金から負担いただいていますので、約520億の実質赤字であり、これが2035年になると900億円を超えていく赤字になるところ、今回の見直しで大体30億円程度の赤字になるので、ユニバーサルサービスの基金で補填されるとほぼ収支が均衡することになると思っています。
    現実には収支が改善すると思いますが、移行コストを踏まえて固定電話を新たな代替するサービスにどのように巻き取っていくのか、今回の見直しで提供事業者となった他社も含めて具体的に計画した上で、実際の収支に与える影響などを算定していく必要があろうかと思っています。
    いずれにしても今回の結論は、NTT東日本、NTT西日本にとってプラスの方向に働くことは間違いありませんし、2035年ごろに設備限界を迎える、今のメタルの固定電話の設備を変えていくというめどが立ったことは非常に大きな成果だと思っていますので、今回の報告書案に関して非常にありがたく思っています。

  • 国が政府の保有株を活用して、Rapidusなどの半導体産業を支援する財源に充てる方針という旨の報道がされているが、こうした新しい半導体産業を振興する枠組みについて、所感を教えて欲しい。

    報道は承知していますが、事実かどうかもわかりませんし、また政府がお持ちの株をどのように使うかは政府のご判断なので、コメントは控えさせていただきたいと思います。

  • Rapidusへの追加出資も取り沙汰されているが、これまでの出資の実績も含め、Rapidusや次世代の半導体について期待や課題感があれば教えて欲しい。

    半導体に関しては、九州や北海道など産業振興につながっていると思います。半導体の事業を日本で前工程から後工程も含めてやっていくということは地域経済の発展にもつながるため非常によろしいことだと思いますし、経済安全保障上のサプライチェーンの課題に対しての解決にもなっていくと思います。
    またRapidusに関して申し上げると、少数で発注ができる半導体を生産してくれるような供給元があるのは、NTTだけではなく日本の様々な製品を作られている企業の方々にとっても非常に重要だと思いますので、できる範囲の中でサポートをしてまいりたいと思います。

  • tsuzumiの発表から1年、商用のローンチから半年強という状況だが、直近の動向の評価を教えて欲しい。

    お問い合わせの数は900社を超えました。ご提案させていただいている会社も400社を超えており、受注も数10社いただいております。おかげさまで非常に好評を得ていますけれども、提供を始めれば課題も当然出てくるわけでございまして、日本は雇用の流動性が諸外国から比べて低いので、人に依存していて頭の中に知識とか経験が蓄積されデータや文章がマニュアルになっていないという課題も明らかになってきています。
    これからこうした課題の整備もあわせてやっていかないと、生成AIの活用が中々進まない、社会全体として遅れてしまう可能性があると思います。
    あわせて、我々は7Bの非常に軽量型のAIをまずスタートさせましたが、もう少し大きいニーズの需要者の方々もいらっしゃいますので、来年に向けて開発を進めていきたいと思っています。
    その意味で、パートナーの方々も今260社ぐらいお声がかかっていて、こうした方々とも、販売はもちろんチューニングも含めて進めていければと思っています。
    総じて前進しているという認識です。

  • 楽天モバイルがコンシューマ向けの生成AIを使ったチャットサービスを導入しているが、NTTとしてコンシューマ向けのサービスにどのように取り組んでいくか教えて欲しい。

    コンシューマ向けの生成AIサービスについては、現実問題として現在世の中で使われ始めている中で今すぐビジネスとして展開するというのは今の段階では考えておりません。

  • アメリカ大統領選についてトランプ氏の返り咲きという結果になったが、自社のビジネスには影響がないと見ているか教えて欲しい。

    あまり影響ないとは思っていますが、我々はアメリカでも事業をやっていますのでこれから見極めてまいりたいと思います。プラスに働くことを期待しております。

  • 先日のトヨタ自動車との発表について、AIを使ったモビリティ向け基盤を開発されるということだったが、光電融合デバイスそのものが車体に入っていくことになるのか現時点での考えを教えて欲しい。

    具体的に何かお話ししたりしているわけではありませんが、極端なことを言えば、ワイヤハーネスも光にすればいいと思います。ですから、今は半導体の電子回路を光の導波路に変えていくというところからやっていますが、光電融合デバイスが様々な機器類の中で置き換わっていくということは十分様々なところであり得ることだと思います。
    もちろん耐久性の問題などを解決していかなくてはいけませんが、そういった研究開発も進めつつ、自動車メーカーや電装メーカーなどとも話をしてまいりたいと思います。
    今、申し上げたことは、すぐにできる話ではありませんが、機会としてはあると思っています。

  • 先日、一部報道で栃木市にデータセンターを建設するための公募にNTTが応募したとあったが、今回栃木市への建設を決められた狙いを教えて欲しい。

    栃木市に決めた事実はないのでコメントはしづらいところがありますが、栃木市に限ったわけではなく、国内で電力が供給できて、立地としてもデータセンターにふさわしい場所をNTTグローバルデータセンターのメンバーが探しているのは事実です。
    首都圏周辺のエリアでふさわしい土地があれば非常に有利なポジションになると思っておりますが、印西などはもう満杯になっています。ですから、少し離れるが意外とアクセスが近いようなところでデータセンターを置くことは非常に価値のあることだと思っています。したがって報道に出ているような話は大きな候補の一つであろうかと思います。

  • 御社のライバルグループなどではデジタル給与払いに向けた動きが進んでいるかと思うが、デジタル給与払いに関する見解を教えて欲しい。

    ビジネス機会としては十分考えられると思います。キャッシュレスが進んでいく中、給与自体をデジタル基盤に置くというのは、ユーザとしても非常に利便性もあることだと思いますので、まったく否定するものではないと思います。

  • トヨタ自動車との提携について、2020年に締結したスマートシティの業務提携の進捗を教えて欲しい。

    先日の記者会見時にトヨタ自動車様の佐藤社長がお話しされていましたが、今回のプロジェクトを進めていく上では当然ウーブン・シティでまず実験をします、と答えられていましたので、そういう進め方になっていくと思います。
    ウーブン・シティに関してはトヨタ自動車様のプロジェクトでございますので、その中身についてはコメントを差し控えさせてもらいますが、元々品川エリアでもトヨタ自動車様と一緒にスマートシティのプロジェクトをやると言っていたところ都市計画の関係で若干開発自体が遅れているので、今回の新たなトヨタとの取り組みを進めていく中で、ふさわしい場所で様々トライアルを進めてまいりたいと思います。

  • 以上

NTTグループ中期経営戦略

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2023年5月、「NTTは挑戦し続けます。新たな価値創造と地球のサステナビリティのために。」を基本的な考え方とした中期経営戦略を発表しました。