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2025年5月 9日
社長記者会見
島田代表取締役社長
(同席)
中村執行役員財務部門長
服部執行役員経営企画部門長
NTTグループのグローバルでのブランド強化のため、新たなCIを発表いたします。
最初に、新たなCIの背景をご説明します。NTTグループは、1985年の民営化から40年が経過し、国内の固定通信から、モバイル通信、海外を含めたITビジネスなど、多様なビジネスを展開しています。40年前に設定された社名(日本電信電話)と実際の事業内容のギャップが大きく、特にグローバルでの企業認知向上の妨げになっています。また競争の激しいグローバル市場では、国内外統一のコンセプトのもと、NTTグループの技術力やケイパビリティをわかりやすく示し、企業ブランドを高めることが急務と考えています。こうした中で、このたびグループのCIを刷新いたします。
新たなCIのポイントを3点ご説明します。
1点目は、社名ロゴデザインの刷新です。新社名は、NTT株式会社です。国内のお客様だけでなく、海外のお客様にも通じるNTTを正式名称とし、グローバルで事業展開を加速してまいります。続いて、ロゴデザインの刷新です。コーポレートのロゴは、NTTグループのシンボルマークであるダイナミックループと、社名のロゴタイプから構成されます。1985年に策定されたダイナミックループは、1本の曲線により、企業のダイナミズムを表現しています。マークの上部の小さなループは、常にお客様、社会の声を企業活動の原点として吸収し、広く社会の役に立っていこうという企業姿勢をあらわしています。
このダイナミックループは社内外で浸透しており、また海外の従業員の共感も得ています。これを、グループ統一のブランドのシンボルとして新たなロゴデザインでも継承してまいります。社名部分の字体、ロゴタイプは、グローバル市場で既に使用しているフォントを採用し、カラーをブラックからブルーに統一いたします。
2点目は、NTTグループの企業ブランドの統一です。グループのCI刷新に伴って、NTT東日本、NTT西日本、NTTアーバンソリューションズ、NTTアノードエナジーほか主要なグループ会社が新たなデザインのコーポレートロゴに変更いたします。NTTドコモグループは、国内でイメージが定着している赤をダイナミックループに適用し、新たなコーポレートロゴに採用いたします。傘下のNTTコミュニケーションズ、NTTコムウェアも、社名を変更の上、新たなロゴを採用し、日本国内でのブランド強化を図ることとなります。
3点目は「NTT Group's Core」ならびに「NTT Group's Values」の制定です。「NTT Group's Core」は、1985年に策定したNTTの原点となるステートメントを元に、市場環境の変化を踏まえてアップデートし、NTTグループ共通の在りたい姿としてまとめました。「人々の豊かな暮らしと地球の未来に貢献するため、お客さまを発想の原点とし、常に自己革新を続け、世の中にダイナミックな変革をもたらす企業グループをめざす。」といたしました。英語版は「Innovating a Sustainable Future for People and Planet」といたしました。
「NTT Group's Values」は、「Act with Integrity」「Build Trust」「Create Connections」の3つです。2018年から掲げていたShared Valuesを、社員が日々の業務で実践できるよう、より行動に落とし込みやすい表現に改めたうえで、再定義しました。
新たなCIは、本年6月19日の株主総会にて、社名変更の決議の後、7月1日から運用を開始する予定です。
NTTグループは、CI刷新により、グローバル企業としてブランド強化を図り、IOWNやAIなど、先進的なテクノロジーを活用し、お客様体験(CX)の高度化を目指して、さまざまな挑戦を加速させてまいります。
今後とも、NTT株式会社をよろしくお願いいたします。
ここからは2024年度の決算および2025年度の業績予想をご説明申し上げます。
2024年度連結決算の状況について、対前年増収減益です。営業収益は過去最高を更新いたしました。営業収益は、NTTデータグループの増収やNTTドコモにおけるスマートライフ事業の増収などにより、対前年3,302億円増収の13兆7,047億円です。なお、この増収のうち、為替影響は約1,400億円です。
利益について、NTTデータグループおよびスマートライフ事業の増益はありましたが、モバイル、固定における通信サービス収入の減やNTTドコモにおける顧客基盤強化やモバイルネットワーク品質向上に向けた施策展開に加え、前年度に実施したノンコア資産スリム化の影響の反動などにより、EBITDAは対前年1,789億円減益の3兆2,393億円、営業利益は対前年2,733億円減益の1兆6,496億円です。当期利益は、営業利益の減に加え、前年度の株式売却益の反動などにより、対前年2,795億円減益の1兆円です。
セグメント別の収益、利益です。総合ICT事業セグメントについて、モバイル通信サービス収入の減はあるものの、スマートライフ事業における金融・決済を中心とした成長などにより、対前年増収です。スマートライフ事業の増益に加え、収支改善に向け各種施策に取り組みましたが、顧客基盤強化、それからネットワーク品質の向上に向けた施策展開などにより、対前年減益です。顧客基盤強化などの取り組みの結果、MNPは足元で着実に成果が出ているという状況です。
地域通信セグメントです。ネットワーク収入の減に加え、前年度に実施したノンコア資産スリム化の影響の反動により、対前年減収減益です。光サービスの純増数は、10ギガプランやマンション市場向けの全戸一括プランの販売強化などにより、対前年で増加しています。
グローバル・ソリューション事業セグメントは、日本におけるデジタル化需要の取り込みによる増収に加え、為替影響などにより、対前年増収です。増収に伴う増益などにより、対前年増益です。
その他(不動産、エネルギー等)です。NTTアーバンソリューションズにおけるデータセンターエンジニアリングの拡大に伴う増収などにより、対前年増収です。前年に実施いたしました資産売却の利益の減などにより、対前年減益です。
次に、2025年度の業績予想についてです。2025年度の業績予想については、対前年増収増益の計画です。営業収益はグローバル・ソリューション事業や総合ICT事業セグメントの増収を中心に、全セグメントで増収の計画としており、過去最高を目指してまいります。
EBITDA、営業利益、当期利益については、顧客基盤強化やモバイルネットワークの品質向上などの競争力強化に向けた施策を継続していきます。また、今年度の費用負担軽減に向けた施策の実施などを通じ、中期的な利益拡大に取り組んでまいります。
スマートライフや法人ビジネスなどの成長分野の利益拡大に加え、データセンター事業における成長投資の成果を、REITを活用して実現させることなどにより、対前年増益の計画としています。
2025年度は、2027年度の中期目標の達成に向けた各種施策をさらに加速していく年と考えており、中期的な利益拡大に向けた施策を積極的に実施してまいります。
セグメント別の収益、利益は、まず、総合ICT事業セグメントについて、成長分野であるスマートライフ事業や法人事業の増はありますが、中期的な成長に向け、顧客基盤強化やネットワーク品質向上などの施策の継続や、後年度費用負担軽減策の実施などにより、対前年増収減益の計画としています。6月からは新料金プランを導入するなど、強固な顧客基盤を構築することで、中期的な利益改善に取り組んでいく考えです。
地域通信セグメントです。固定音声関連収入の減やNTT西日本における中期的なコスト低減に向けた後年度費用負担軽減策の実施による減はあるものの、光サービス収入やシステムインテグレーション収入の増などによるベース利益の拡大により、対前年増収増益を計画しています。
グローバル・ソリューション事業セグメントです。引き続き、デジタル化需要の取り込みなどによる増収に加え、REITを活用としたデータセンター売却などにより、対前年増収増益です。
その他(不動産、エネルギー等)です。NTTアーバンソリューションズにおいて住宅販売の拡大に伴う増収などがありますが、NTTアノードエナジーにおいて前年度実施しました資産売却益の反動減により、対前年増収減益の計画です。
次に、中期目標達成に向けた取り組みについてご説明いたします。中期経営戦略の公表以降、将来の利益拡大に向け、データセンターやスマートライフなどの成長分野への積極的な投資を継続してまいりました。財務目標を設定した2027年度への折り返しに当たる2025年度についても、引き続き高水準の成長投資を継続することで、中期経営戦略公表時にお伝えした約8兆円の成長投資を確実に実行してまいります。
2027年度に向けては、これまでの成長投資の成果を確実に実現することで利益成長を加速させてまいります。あわせて、グループ内シナジー等を活用した国内外法人ビジネスの拡大、AI活用などによる抜本的なコスト構造改革などの取り組みをさらに強化することで、利益拡大を実現し、2027年度におけるEBITDA目標の達成を目指してまいります。
次に、トピックスについて4つご説明させていただきます。ガバナンスの見直しについてご説明いたします。グローバル事業のさらなる強化に向け、グローバルICT企業における経営経験や業務執行へのアドバイザリーなどの知見を持ちますPatrizio Mapelli氏を取締役として新たに選任する予定です。また3月に公表したとおり、経営方針戦略に関する議論の一層の充実や取締役会のモニタリング機能のさらなる強化を図るため、当社は監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する予定です。これらによりガバナンス体制の一層の充実を図ってまいります。
次に株主還元についてご説明いたします。本日の取締役会において、2025年度の配当予想については年間配当予想を対前年0.1円増の5.3円とすることを決議しています。これにより2011年度から15期連続の増配を予定しています。また資本効率の向上、株主還元の充実を図るため、総額2,000億円を上限とした自己株式の取得を実施してまいります。
株主の状況についてご説明いたします。株主数は左側のグラフのとおり、株式分割前の3倍となる268万人と過去最多となりました。年齢構成についても若年層から50代までの株主が大きく増加し、株主構成の多様化が進展しております。また、個人の議決権保有比率も拡大しています。
中期経営戦略について、2月以降の取り組みの進捗状況は記載のとおりです。
私からの説明は以上です。
ここ数日、NTTデータグループの完全子会社化や正式社名の変更、外国人取締役の採用など様々な取り組みを発表してきたが、そこに通底する総合的なメッセージを教えて欲しい。
今回刷新したCIロゴの字体はNTTデータの字体です。海外では2022年の10月からダイナミックループとNTTデータの字体とのセットでマーケットに展開しています。つまり既にグローバルに展開をしているダイナミックループと字体を逆輸入したということです。その意味では確実にグローバルのマーケットを意識してコーポレートカラー、ブランドを統一していこうという考えに基づいています。
例えば私も海外に出張して色々なイベントに参加しますが、現状だと正式名称のNIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATIONと書かれてしまいます。また国内でも、NTTグループは過去、ローマ字表記が法人登記できなかった時代もありましたので片仮名でエヌティティと書いてある会社もあったり、NTTドコモのようにローマ字表記の会社もあったり、ブランドがすごくまちまちでグループとしての統一感がないとずっと気になっていました。そういうこともあって今回整理したということです。
NTTドコモに関しては赤のイメージがありますし、既にお客さまにそのイメージが定着しておりますので、CIロゴと字体を赤にし、そしてNTTコミュニケーションズはNTTドコモの傘下として、いわゆるビジネス向けのお客さまサービスを展開する会社としてNTTドコモビジネス、NTTコムウェアは同じくNTTドコモの子会社になっていますのでNTTドコモソリューションズという名前に新たに名称も変更していきたいということです。
業績について、2024年度は2023年度までに比べると大きな減益になってしまったことに加え、2025年度の見通しに関しても小幅な増益に留まる印象だが、その背景と、中長期的にどのように業績拡大をしていくのか教えて欲しい。
2024年の決算は、例えば営業利益では元々の計画に対しても1,600億円ほどビハインドしました。その大宗はNTTドコモの計画が同程度減益になったということですが、マーケティングコストをどれぐらいかけていくか、品質の向上にどれだけコストを投入していくかということは、前田社長がNTTドコモの社長に就任してから本格的に力を入れてやってきたわけです。
結果として2024年度の後半になってMNPも継続してプラスになりましたし、品質も着実に上がってきましたが、例えば品質改善に向けた工事の工程数が年度末に集中していたため関連会社にも相当ご尽力いただいて何とか対応していたわけですが、やり切れるかどうかすらわかりませんでした。2025年度は通信品質を上げるために工程数以上のものでもやれるものはどんどんやっていく方針です。
それからマーケティングに関しても、従来であれば年度末ぐらいになるとマーケティングコストをセーブすることもありましたが、年度末までやりきった結果としてコストがかかっています。
成果として従業員やショップの方々たちにも今年は本当にやり切るというマインドが芽生えましたし、関連会社の方々も本当に品質を上げるために色々なサポートしていただき工程以上のものを対応していただいたことがあります。
そういう意味では、最終局面で業績見通しを見直すという選択肢もあったかもしれませんが、どこまでやり遂げるかよくわからなかったところもあったので、そのまま走って結果として計画よりも大幅な減益になった面があります。
この施策については、2025年度も継続しようと思っており、NTTドコモについては、当年度も減益の計画になっています。
NTT東日本・NTT西日本は頑張り始めていて、法人系ビジネスの拡充や、光回線も2024年度は約13万回線純増していますので、基盤作りもできてきつつあると思っています。結果としてわずかですが、増収増益の計画としています。
NTTデータは、シンガポールにREITを立て、その利益が1,500億円ほどあるのでそれでかなり上振れしますが、そういった要素も加味しながら、全体の連結計画を作り上げていったということです。
今後に向けては、2025年度がNTTドコモについては業績のボトムだと思っています。後年度の費用の負担なども織り込みましたし、またNTT西日本も減益の計画を作っていますが後年度の負担を軽減するような施策を2025年度にやって次年度からはジャンプできる形にしていきたいと考えて、全体の計画を作っています。
少なくとも2027年度の計画は2026年度の計画を上回っていくと思っており、2028年度は2027年度を上回るといったように続けていく考えなので、ここから減益になっていくことは考えておらず、必ず増益になる計画にしていきたいと思っています。
2025年度の事業環境について、特にトランプ関税の影響や、為替の円高の現状に関して、見解を教えて欲しい。
我々は輸出入をしている事業者ではありませんので、基本的には関税の影響は大きく受けないだろうと思っています。一方で、一番心配しているのは全体の景気の動向でして、今後事業として注力していくエリアである、北米やヨーロッパは今不況で、特にドイツは自動車を中心にしてネガティブな状況であるところ、ITビジネスの成長のためには、経済環境が良好になっていかないといけないと思っていますので、そのあたりはちょっと心配しています。
ただ全体の傾向としては、データセンターのビジネスで、我々がお客さまや市場から得ている感覚からしますと、どちらかというと工事をするキャパシティが足りない、キャパシティがもっとあればもっと作れるというほどの需要は出ています。ですから、データセンターに関して言うと、何かネガティブにとる必要はないだろうと思っています。精いっぱい頑張って、2025年度も建設してまいりたいと思っています。
外国人役員をはじめて選任したと思うが、その理由や期待を教えてほしい。
NTT法改正議論の時に、外国人役員も雇えない、社内の優秀な外国人も役員にできない、ということを申し上げてきましたので、まずは社内の中から、グローバルなビジネスをよくわかっている人間を選んだということです。
経歴を見ていただきますとわかる通り、Patrizio Mapelli氏はコンサルティング会社の経験もありますし、NTTデータイタリアのCEOを務め、そこからずっとNTTのヨーロッパでのビジネスや、NTTデータグループ全体のグローバルビジネスをフォローしてきていて、今はNTTデータグループの取締役もやられている方です。
そういう意味では、過去からのNTTのグローバルビジネスや、最近のグローバル事業の再編についてもよくわかっていて、今のグローバルビジネスの環境についてもよく理解している人に持株会社の取締役として来ていただくということです。彼からの色々な知見を受けながら、我々はさらにNTTデータグループに対して新たなリソースを投入していって、さらなる成長を図りたいと考えております。一番ふさわしい人物だろうと思っています。
来年になるか再来年になるかわかりませんが、いずれは複数の外国人の方に取締役をやってもらいたいと思っています。社内の人だけではなく社外からも入れていきたいと思いますが、それはこれから先の話だと思っています。
社名の英語表記について、NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATIONについては、今後使わなくなるということで良いか教えてほしい。
2025年7月1日からは使いません。NTT, Inc.を使用します。
新社名のNTTには、意味はあるのか教えてほしい。
NTTという今世の中で使われているワードをそのまま社名にしたということであって、意味はないです。
公社時代を含めて1952年から続いてきた日本電信電話という社名がなくなるという点に関し、島田社長は公社時代の入社だと思うが、この感慨や一抹の寂しさがあるのか教えてほしい。
一抹の寂しさは全くないです。やはり未来に向かって成長していかないといけませんので、新しい社名のもと、NTTグループ34万人一丸となって、NTTを盛り立てていきたいと、そのように思っています。
NTTデータグループの子会社化について、SIやデータセンター事業、コンサルティングなど、同じ事業をやっている会社が傘下に複数ある状態になるかと思うが、特にNTTデータとNTTコミュニケーションズがそれぞれで事業をやるメリットはあるのか、今後統合や整備を考えているのかというところを教えてほしい。
NTTデータとNTTコミュニケーションズは法人のお客様をお相手しているビジネスですが、中身は全く異なります。NTTデータはシステムインテグレーションを例えば銀行のシステムを作り上げていくビジネスですが、NTTコミュニケーションズはどちらかというとそのコミュニケーションラインを作っていくビジネスですので、分野が異なります。
ですから、例えば、お客様の窓口として、NTTデータがそのお客様と近い関係を持っているとすれば、NTTデータが窓口となって、NTTコミュニケーションズや他のグループ会社のサービスやソリューションをうまく取りまとめていくような、そういう体制は作っていきたいと思いますが、基本的には扱っているプロダクトやサービスがかなり異なりますので、単純に一緒にはできないだろうと思います。
データセンター事業に関しては、例えばNTT東日本やNTT西日本、NTTコミュニケーションズで、かつてから保有していたデータセンターはそれぞれの会社で持っていますが、新しく作るデータセンターは基本的には全て、国外だけでなく国内も含めて、NTTデータグループのNTTグローバルデータセンターが全体をカバーしてサービスするようにしております。
NTTデータの鈴木新社長の人事が発表されたが、狙いや鈴木氏の人物評を教えてほしい。
鈴木氏は非常にお客様にもかわいがられており、お客様とのコンタクトもお上手だと思っておりますので、NTTデータグループの佐々木社長は良い方を選んだと思っています。私もよく知っていますが、温厚かつ鋭い人間ですので、お客様には喜ばれるだろうと思います。
昨日のデータの完全子会社化も含め、グループの再編が進んでNTT法の必要性がどんどん薄れていくような面があると思うが、改めてNTT法に対する考えについて教えてほしい。
いつも申し上げているとおり、我々はNTT法の廃止ありきで考えているわけではなく、時代時代に合った形の法体系にしてもらいたいとお願いして、昨年は改正していただき、研究開発の完全開示についてはなくしていただいたり、外国人の登用について認めてもらったりしていきました。
今年はユニバーサルサービスが最大の議論で、NTT法の中では非常に大きな問題でした。固定電話は2035年ぐらいが維持限界と申し上げておりますが、そこに向けていかにお客様にご迷惑をかけないで新しいサービスに移行していくかということを早く決めていかないと時間がなくなってしまうので、その意味では、今議論していただいている今年の法律の改正というのは非常に重要なものだと思っています。
ただ、まだ我々として、例えばNTT東日本・NTT西日本についてさらにサステナブルに通信基盤を支える事業体としていくためには固定電話の負担などが厳しいので事業統合させてもらうとか、また総量規制のような経済安全保障上の問題も、NTTだけ縛るのではなく他の事業者も既に非常に大きな事業者となり多くのお客様を抱えているので米国のCFIUSのような個別規制を日本でも導入すべきではないか、といったことを申し上げてきています。
ですから、NTT法はまだこれからも見直ししていかなくてはいけない部分はあろうかと思っているところ、今の国会に提出されているものが、3年後に再度議論するような形の付則がついていますので、議論をそのタイミングでしていってより時代にマッチしたものに変えていくべきだろうと思います。
NTTドコモの新料金プランに対して、要らないものをつけて値上げしているといった評価も出ているが受け止めを教えてほしい。
基本的には全ての人にご満足いただく料金プランというのは難しいと思います。今期のKDDIが出されたプランはNTTドコモとは違う路線でしたから、これから各事業者が色々なタイプのプランを出して、違うものをバンドルするなどしていくことによって、多様なサービス、多様な料金プランが出てくることはお客様にとっても選択の幅が広がっていって良いことだと思います。また新たな違う競争のフェーズになっていくと思いますが、NTTドコモにしっかり頑張ってもらいたいと思っています。
以上
NTTグループ中期経営戦略
2023年5月、「NTTは挑戦し続けます。新たな価値創造と地球のサステナビリティのために。」を基本的な考え方とした中期経営戦略を発表しました。
NTTとともに未来を考えるWEBメディアです。