NTTグループは、通信事業者として国内で初めて、バリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を算定・公表しました。
近年では、企業活動による温室効果ガスの排出量について、従来から報告されてきた「燃料などの使用による直接排出量(スコープ1)」「電力などの購入したエネルギー利用にともなう間接排出量(スコープ2)」に加え、「スコープ2以外のバリューチェーンからの間接排出量(スコープ3)」についても情報開示をすることが社会的に求められています。
この要請に応え、NTTグループでは、これまで公表していたスコープ1、2に加え、スコープ3を算定し、CSR報告書2014において、通信事業者として国内で初めて、スコープ3の全15カテゴリを含むバリューチェーン全体の排出量を公表しました。スコープ3算定は、環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver2.1)」に基づき実施しています。
NTTグループではこれまでに、提供しておりますICTサービスの環境影響評価に取り組んできており、その中で通信回線の環境負荷を独自に算定するなど、スコープ3算定に不可欠なデータを蓄積してまいりました。今回、これらのデータを活用することで、通信事業者として初めて、スコープ3の全15カテゴリの排出量を算定いたしました。
スコープ3のカテゴリのなかで、特に排出量の大きい「カテゴリ1 購入した製品・サービス」「カテゴリ2 資本財」「カテゴリ11 販売した製品の使用」については、「グリーン調達ガイドライン」に基づく環境負荷の少ない機器の導入促進や、お客さまが使用される機器の省電力化の取り組みを進めています。
NTTグループでは、今後もスコープ3を含むバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量の算定・公表を継続することに加えて、ICTの利活用によって、さまざまな分野で変革をもたらすとともに、社会の環境負荷低減にも貢献していきます。
〔国内のグループ会社を対象〕
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区分 | スコープ、カテゴリ | 算定対象 | 排出量 (万t-CO2e) |
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自社 | スコープ1(直接排出量) | 自社での燃料の使用や工業プロセスによる直接排出 | 22 | |||
スコープ2(エネルギー利用に伴う間接排出量) | 自社が購入した電気・熱の使用に伴う間接排出 | 463 | ||||
上流 | スコープ3 | 1 | 購入した製品・サービス | 原材料・部品、仕入商品・販売に係る資材等が製造されるまでの活動に伴う排出 | 196 | 1,217 |
2 | 資本財 | 自社の資本財の建設・製造から発生する排出 | 500 | |||
3 | Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 | 他者から調達している電気や熱等の発電等に必要な燃料の調達に伴う排出 | 34 | |||
4 | 輸送、配送(上流) | 原材料・部品、仕入商品・販売に係る資材等が自社に届くまでの物流に伴う排出 | 5.5 | |||
5 | 事業から出る廃棄物 | 自社で発生した廃棄物の輸送、処理に伴う排出 | 0.5 | |||
6 | 出張 | 従業員の出張に伴う排出 | 4.9 | |||
7 | 雇用者の通勤 | 従業員が事業所に通勤する際の移動に伴う排出 | 2.1 | |||
8 | リース資産(上流) | 自社が賃借しているリース資産の操業に伴う排出 (Scope1、2で算定する場合を除く) | 算定対象外※1 | |||
下流 | 9 | 輸送、配送(下流) | 製品の輸送、保管、荷役、小売に伴う排出 | 算定対象外※2 | ||
10 | 販売した製品の加工 | 事業者による中間製品の加工に伴う排出 | 算定対象外※3 | |||
11 | 販売した製品の使用 | 使用者(消費者・事業者)による製品の使用に伴う排出 | 303 | |||
12 | 販売した製品の廃棄 | 使用者(消費者・事業者)による製品の廃棄時の輸送、処理に伴う排出 | 4.2 | |||
13 | リース資産(下流) | 賃貸しているリース資産の運用に伴う排出 | 19 | |||
14 | フランチャイズ | フランチャイズ加盟者における排出 | 30 | |||
15 | 投資 | 投資の運用に関連する排出 | 118 |
※1カテゴリ8(リース資産[上流])は、リース資産が使用する燃料や電力はスコープ1または2で算定済みのため、算定の対象外としました。
※2カテゴリ9(輸送、配送[下流])は、自家物流や自社施設での排出(スコープ1また2で算定)、委託輸送(カテゴリ4で算定)がほとんどであることから、算定の対象外としました。
※2カテゴリ10(販売した製品の加工)は、NTTグループの主事業において、中間製品の加工を実施していないため、算定の対象外としました。