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2019年2月21日

ICTのチカラで駅伝レースを"見える化"

2020年が近づくにつれ、全国各地で様々なスポーツイベントが数多く開催されるようになってきました。特に地方で行われる駅伝やマラソン大会、自転車レースは、地域活性化の観点からも、積極的な開催が見込まれています。

「遠隔地から特定選手を応援したい」という声に応える

駅伝やマラソン大会、自転車レースなどように、長区間で競技が展開される"ロードレース"は、非常に人気の高い種目のひとつです。多くの聴衆が沿道に立って競技者を応援する様子は、おなじみな光景となっています。

ところが、注目している選手が長い距離を移動していくため、応援する人が追従していくのは難しく、レース全体を俯瞰しながら観戦できないという難点が。多くの応援者からは「遠隔地から特定選手を応援したい」という声があがっていました。

また、チーム競技である駅伝などにおいては、戦略上、選手の状態を常にチェックしておきたいと考えるものです。現にチームのまとめ役である監督やサポートスタッフから「位置情報を正確に把握したい」という声もありました。

関西実業団対抗駅伝競走大会でICTを活用し
"レースの見える化"を実現

和歌山県龍神村で行われる「関西実業団対抗駅伝競走大会(龍神駅伝)」は、翌年元日に開催される全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)への関西地区代表としての出場権をかけた予選会も兼ねる重要な大会。自然豊かな龍神村のコースは起伏が多く、高低差はなんと200m!様々な区間で見応えあるデッドヒートが繰り広げられます。

NTT西日本はこの大会でICTを活用し「駅伝の見える化」をサポートしました。

具体的には、世界最小級となるGPS内蔵小型軽量デバイスを開発し、レース中の選手のタスキに装着。10秒間隔でそれぞれの選手の位置情報を取得・更新し、選手の位置情報をスマホやタブレット、PCの画面に表示する仕組みです。

GPS内蔵小型軽量デバイスは85×52×7mm、重さは38.6g。使用時間は、電池満充電時に6時間以上の通信が可能です。また、小型端末からの送信間隔は10秒~3,600秒での変更が可能となっています。

  • 画像:タスキにGPS内蔵小型軽量デバイスを装着 タスキにGPS内蔵小型軽量デバイスを装着

  • 画像:龍神村の体育館でのパブリックビューイング模様 龍神村の体育館でのパブリックビューイング模様

画像:レースの見える化画面イメージ レースの見える化画面イメージ

今回の龍神駅伝に合わせ、位置情報把握サービス「いまどこ+」の機能を追加・カスタマイズしました。

1.予測移動表示機能

取得した位置情報より平均速度を算出。
その速度を利用し、2秒間隔で予測位置情報により地図上に表示します。

2.繰上げ表示機能

繰上げスタートが頻繁におこる本コースに合わせ、同じチームの選手が2名同時に走る場合があることから追加した機能です。

3.指定チーム追随表示機能

特定のチームを選ぶと、地図中央に表示されたうえ、自動で追随表示する機能です。

4.進行方向表示機能

選手の走行方向位置を8方向矢印で表示。

5.高低差表示機能

自然豊かな龍神村の起伏あるコースを、走行している選手の位置に加え、標高差の表示機能を追加しました。

6.集団密集機能

レースの全体像を把握する際、縮尺を縮小した場合、重なり合うアイコンを見やすく整理しました。

ICT×駅伝で駅伝観戦の新しい可能性を提起

今回の駅伝大会での位置情報の見える化は、位置情報把握サービス「いまどこ+」の技術をベースに、GPS内蔵小型デバイスによる位置情報取得情報を表示する仕組みをトライアルしました。

リアルタイム位置情報提供に関するノウハウをもとに、駅伝やマラソン、自転車ロードレース等、さまざまなスポーツ競技やウォークラリーといったイベントでの活用など、NTT西日本は、これからもスポーツ観戦の新しい可能性を切り拓いていきます。