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2016年9月28日

日本電信電話株式会社
東レ株式会社

生体情報検知機能素材hitoe®の医療用途展開を開始

日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦 博夫、以下「NTT」)と東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺 昭廣、以下「東レ」)は、生体の電気信号情報を伝達できる機能素材hitoe® の医療分野への用途拡大のため、医療機器としての基準を満たす機器の安全性と有効性を満足する心電測定用製品の開発を進めてまいりました。このたび、東レグループは、NTTとの協業成果をもとに、単回使用心電用電極の「hitoe メディカル電極」(一般医療機器、医療機器届出番号:13B1X00015000031)と専用の心電計ケーブル及びリード「hitoe メディカルリード線」(一般医療機器、医療機器届出番号:13B1X00015000032)を一般医療機器として、8月10日に独立行政法人 医薬品医療機器総合機構へ届出を行い、登録を完了しました。

現在、医療用に使用されている単回使用心電用電極の多くは、皮膚への粘着性がある含水性ゲルが使用されており、長期間使用するとかぶれ、痒みなどの皮膚トラブルをひき起こすことがあります。
一方で近年の研究では、発作性心房細動※1)の検知率は、心電を長く測定するほど高くなることが知られており※2)、より長期間使用できる電極が望まれていました。
機能素材hitoe®は、ポリエステルのナノファイバー生地に導電性高分子を固着させた柔らかい風合いの導電性布帛で、皮膚への安全性も確認されています。このため、hitoe®を使用した「hitoe メディカル電極」は長期間肌に密着してもかぶれにくく、専用の「hitoe メディカルリード線」、「hitoe 専用ウエア」と組み合わせて使用することでより快適に長期間にわたる心電図測定を可能にします。
「hitoe 専用ウエア」は着用者の体型、体格別にサイズ展開があり、心電を測定するのに適切な位置に「hitoeメディカル電極」が配されるよう設計されています。ウエアを着るだけで電極の位置が定まるので、例えば入浴時などに一時的に脱衣し、再び着用しても心電測定を再開することができます。これらにより、将来的には24時間を越える長期間の心電図測定などへの適用も期待されます。
今後は、本格販売に向けた準備を進め、機能素材hitoe®の医療用途展開を加速してまいります。

※1)発作性心房細動について
心臓の鼓動が突然速くなったり(1分間に100回以上)、遅くなったり(50回以下)、リズムが乱れるもので、それに伴った自覚症状が現れます。特に不整脈の一種である「心房細動」は加齢と共に増加し、国内患者数は90万人といわれています。心房細動患者では、健常者に比べて脳梗塞が起こりやすくなるため、早期発見と治療の重要性が指摘されています。
  • 公益社団法人日本脳卒中協会プレスリリース(2016年3月8日)
※2)心電測定時間と発作性心房細動の検知率について
発作性心房細動の検査として、現在は24時間程度の連続心電記録を行う「ホルター心電検査」が主流ですが、心房細動の検知率は2~3%程度と言われています。測定時間が長くなると検知率も高くなり、最新の研究では30日間の長期測定では、検知率が5倍になるとも報告されています。
  • N Engl J Med 2014; 370:2467-2477

hitoe(R)

  • hitoe®は、東レ株式会社および日本電信電話株式会社の登録商標です。

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