APAC地域での新たなネットワークサービスの創出とそれを支える仮想化基盤技術に関する研究開発イニシアチブ「APAC Telecom Innovation Initiative (ATII)」の設立について

日本電信電話株式会社（代表取締役社長：鵜浦　博夫）とインドネシアの主要電気通信事業者であるPT. Telkom Indonesia (Persero) Tbk（President Director: Alex J. Sinaga）の2社は、APAC地域における通信サービス向上と2020年以降の新たなネットワークサービスの創出を目指し、それを実現する仮想化基盤技術に関する研究開発イニシアチブ「APAC Telecom Innovation Initiative」（略称：ATII）を設立しました。本イニシアチブでは、仮想化時代の新たなネットワークへの要求に対して、技術検討やPoC（概念検証）などを共同で行います。また、今後、サービス事業者や様々なパートナー企業の更なる参画を促進しながら、本イニシアチブの拡大を目指します。

背景・目的

現在、APAC地域の通信サービス事業者は様々な課題に直面しており、例えば、大規模な台風／地震などの自然災害によるサービス持続可能性や、島国特有の複雑な地形の中での人口偏在（人口の増／減）を考慮した通信サービスの課題などがあります。本イニシアチブでは、それらの解決を目指し、アジア地域特有の社会に相応しい新たな通信サービス・技術の提案を目指します。さらに、APAC地域の様々なプレイヤーとのコラボレーションを行うことで、ICT技術を活用したイノベーションを生み出し、APAC地域の豊かな社会の実現と持続的な発展を目指します。

取り組み内容

本イニシアチブでは、APAC各国の市場環境を考慮しながら2020年以降に必要とされる新たなネットワークサービスの創出にむけた共同検討や、上記課題の解決を目指して、主に仮想化基盤技術のもつ即時性や高い可用性に着目し、柔軟で効率的なネットワーク技術に関する技術検討やPoC（概念実証）を共同で行います。まずは、1) ネットワーク支援型高付加価値サービスの検討、 2) 仮想化サーバ基盤技術の検討、 3) アクセス仮想化技術の検討 の3つの検討テーマを進めながら、技術仕様やPoC結果等をホワイトペーパー等に取りまとめ、更に標準化団体や業界アライアンスへの提案・提言を行います。

今後の展開

サービス事業者や様々なパートナー企業によるフィールドトライアル等の企画も行い、最終的にはAPAC地域での商用サービスへの展開を狙います。さらに、ICTを活用した新しいマーケット創造を目指して、本取組みに賛同頂けるサービス事業者や様々なパートナー企業の新規メンバー企業の参画を促進しながら、本イニシアチブの拡大や、新しい検討テーマを進めていきます。