2021年7月27日
日本電信電話株式会社
株式会社 ACCESS
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 社長執行役員:澤田 純、以下「NTT」)、株式会社ACCESS(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 :大石 清恭、以下「ACCESS」)は、本日、「IOWN構想(※1)の実現」を目的とした提携に合意いたしました。
本提携を通じ、IOWN時代の新たなユーザインターフェース及びユーザエクスペリエンス(UI/UX)の研究開発を進めます。また、ACCESSの100%子会社であるIP Infusionの体制を活用し、NTTのソフトウェアをグローバル市場向けに販売していく基盤を整える事で、開発したソフトウェア製品を、グローバル展開するためのバリューチェーンを先行整備します。
ウィズコロナ/アフターコロナにおいては、ソーシャルディスタンスの確保などを前提とした分散型社会にシフトしていくことが考えられます。そのような分散型社会での、リアルとバーチャルがシームレスに連携する世界の実現のために、皆が簡単にデジタル情報のみならず様々な形態の情報を処理し価値創造できる情報基盤が求められ、かつその新しい情報基盤をあらゆるユーザにとってわかりやすく簡便に使いこなせることが自然にできるような画期的なUI/UX技術が求められています。
更に、それらを支える情報基盤には、人、モノ、バーチャル空間等、あらゆる場所から生み出された膨大なデータをつなぐための、迅速なスケーリングや柔軟な構成変更できる能力が求められます。これらの実現に向けて様々なプレイヤーが、自動化やAI等との親和性の高い、ソフトウェアベースでのネットワーク技術開発を活発にし、費用対効果の高いインフラを展開しています。
こうした中、NTTは、「"Your Value Partner"として、事業活動を通じて パートナーの皆さまとともに 社会的課題の解決をめざします」というグループビジョンの下、世界に変革をもたらす革新的な研究開発を推進しています。具体的には、社会に多彩なサービスを生み出す基盤をつくるためのビジョンとして、IOWN構想を打ち出し、世界のパートナーとともに、ゲームチェンジを可能とする技術開発などを通じたイノベーションに取り組んでいます。
ACCESSは「すべてのモノをネットにつなぐ」という企業ビジョンの下に成長し、インターネットの普及とともに「人々とインターネットの情報やサービスをつなぐ技術」を進化させ続けてきました。特に、"ケータイ"をインターネットにつなぎそれを全世界に提供した実績等、ブラウザをはじめとする「組み込みソフトウェア技術」と卓越したノウハウを有しています。またIP Infusionは、ホワイトボックスソリューション(※2)におけるリーディングカンパニーであり、爆発的に急増するネットワークトラフィックの厳しい要件に応える世界最先端のネットワーク技術を開発し、通信キャリアが求める品質・信頼性を持つホワイトボックス製品を提供することでネットワークのオープン化とディスアグリゲーションの実現に取り組んでいます。
今回の提携では、NTTのUI/UX技術、ACCESSの組み込み向けブラウザ技術を活用した研究開発を推進します。更に、350社以上への提供実績を通じて構築した、IP Infusionのソフトウェア型ネットワークオペレーションシステム(ネットワークOS)の技術・知見、及びサポート能力とグローバルなデリバリー・オペレーション体制を活用し、IOWN構想により生み出された画期的な技術を効率的に世界中に広げていくことをめざします。
インターネットの誕生は情報空間の膨大な拡張を可能にし、そこへ誰もがいつでもどこからでもアクセスできることによって世界を大きく前進させてきました。IOWN はリアル世界とバーチャル世界が通信の帯域や遅延による制約を受けることなくシームレスに連携する新たな情報基盤を提供する事をめざしています。その情報基盤の価値を最大限に引き出し全てのユーザが簡便に自然に使いこなせるようにNTTがこれまで培ってきたUI/UX技術とACCESSのブラウザ技術を活用し、IOWN時代に必要とされるUI/UXを実現するための研究開発を推進していきます。
NTTは、ホワイトボックスの通信キャリアネットワークへの活用に向けて、Beluganos(L2/L3ネットワーク装置向け)(※3)、Goldstone(光伝送装置向け)(※4)といったホワイトボックス用ネットワークOSを様々なパートナー、コミュニティとともにオープンに研究開発してきました。一方、IP Infusionは、自社製ホワイトボックス用ネットワークOSであるOcNOS®(※5)等だけでなく、DANOS-Vyatta editionのグローバルインテグレーター兼カスタマーサポートプロバイダーを担い、またオープンソースであるCommercial SONiC Distribution のサポートも行う等、パートナーも含めた幅広いポートフォリオの製品を開発し、継続的にサポートするグローバル体制を整えてきました。本提携を通じ、IOWNをはじめ最先端のネットワーキングを可能とするネットワークOSをグローバル市場で販売・サポートする基盤となる体制の早期実現をめざします。
本提携を通じ、UI/UXに関わる共同研究では、IOWNを通じて得られる多種多様な情報を、受け手それぞれの特性や価値観に応じて効果的に提示できるような、新しいUI/UXの構築をめざしていきます。
更に、IOWN構想実現の具現化に向け、先駆け的ネットワークOSの位置づけとして、Beluganos、Goldstoneの、2022年度の市場投入をめざします。
両社は、今後もIOWN構想を実現するため、グローバルに様々なパートナーとオープンに研究開発を推進していきます。
会社名 | 主な役割 |
---|---|
NTT |
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ACCESS |
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※1IOWN構想
Innovative Optical and Wireless Networkの略で、NTTが提唱する、ネットワーク・情報処理基盤の構想です。IP Infusionは、IOWN構想に賛同する企業が推進する国際フォーラム活動 IOWN Global Forum(2020年1月設立)に、2021年1月より参画しています。
https://www.rd.ntt/iown/
https://iowngf.org/
※2ホワイトボックスソリューション
ソフトウェアとハードウェアを分離(ディスアグリゲーション)して大幅なコストダウンの実現と柔軟なネットワーク構築を可能とし、新機能やサービスの実装を迅速に実現するネットワークソリューション。
※3Beluganos
ネットワーク装置のコモディティ化、ディスアグリゲーションを加速するため、2017年世界に先駆けてホワイトボックス上でのキャリア向け高度機能を実装、オープン化したネットワークOSです。NTT内実験網の運用やMetro Ethernet Forum(MEF)、Telecom Infra Project(TIP)等における先進的な実験にも貢献し、ホワイトボックスの普及を推進しています。TIP は、ハードウェア・ソフトウェア・オペレーションに革新をもたらすことを目標として、2016年に発足した団体であり、NTTも参画しています。
https://www.rd.ntt/research/NS0029.html
※4Goldstone
Goldstoneは大容量の光伝送システムを柔軟に構築することができるソフトウェアセットとして、TIP(Telecom Infra Project)でオープンソースプロジェクトとして開発されているネットワークOSです。
※5OcNOS
OcNOSは、IP Infusionが開発・提供する、シングルソースで通信事業者からデータセンタまで幅広いユースケースに対応が可能なホワイトボックス向けのネットワークOSです。TIP の各仕様に準拠したディスアグリゲーションと オープン化を求める世界中のキャリアによる採用が進んでいます。
https://www.ipinfusion.com/products/ocnos/
報道機関からのお問い合わせ先
日本電信電話株式会社
広報室
E-Mail:ntt-pr@ntt.com
株式会社 ACCESS
広報 コーポレートコミュニケーション担当 半澤 美雪
電話:03-6853-9087
E-Mail:prinfo-gr@access-company.com
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