2026年9月18日
NTT株式会社
Cailabs
NTT株式会社(以下「NTT」)と、フランスに本社を置き、先進的なフォトニクス製品の設計・製造を手がけるCailabs社(以下「Cailabs」)は、宇宙と地上を結ぶ光通信の実用化に向けた戦略的協業の可能性を模索するため、2026年9月17日に覚書(MoU)を締結しました。
本覚書にもとづき、両社は衛星ネットワークと地上データインフラ間の直接的な光接続を推進し、NTTのデジタルコヒーレント技術※1およびネットワーク制御技術※2のCailabsの光地上局(Optical Ground Station)への導入と近傍のNTTデータセンターへのAPN接続※3を検討していきます。
今回の取り組みは、NTTが推進するIOWN技術を宇宙ビジネス分野へ適用していくものであり、IOWN構想※4の実現に向けた新たな一歩となります。
近年、衛星コンステレーションの拡大やデータ通信需要の増加に伴い、衛星が取得した大量のデータを地上へ迅速に伝送し、データセンターや各種サービスへ届ける通信基盤の重要性が高まっています。その実現に向けては、宇宙の真空下において、従来の無線通信以上に大容量・低遅延通信が可能な光通信技術の活用が期待されています。
NTTは次世代情報通信基盤構想「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」のもと、地上ネットワーク分野における光通信および信号処理技術の研究開発を進めております。一方、フランスと米国に拠点を置くCailabsは、大容量の衛星・地上間通信用の光地上局を設計・製造しています。同社の光地上局は先進的な光技術と、実環境での展開・運用を想定して設計されたシステムを組み合わせています。
この度、NTTとCailabsは、それぞれが有する技術や知見を掛け合わることで、衛星システム、光地上局、地上光ネットワーク、データセンターをシームレスに接続する統合通信ネットワークの実現に向け、覚書を締結し協業を開始いたしました。
本協業においてNTTとCailabsは、NTTのデジタルコヒーレント技術およびネットワーク制御技術をCailabsの光地上局に統合する方法を検討します。両社は、実証実験や初期の通信機能整備から始め、将来的には大容量のコヒーレント光通信へと発展させる可能性を見据えた技術開発を段階的に進めていきます。
さらに選定された光地上局と近傍のNTTデータセンターをAPNで接続するとともに、地上局と地上ネットワークリソースを効率的に連携・制御する仕組みの開発についても検討を進めます。これにより、衛星、光地上局、地上データネットワークを光通信でシームレスにつなぐ通信基盤の実現をめざします。
NTTとCailabsは、本協業を通して宇宙ネットワークと地上ネットワークを統合する光通信インフラの実現に向けた技術検討を段階的に進めていきます。将来的には、NTTのデータセンターに接続された光地上局を起点に、より広範な通信ネットワークへの拡大をめざします。
NTTは、衛星と地上間光通信、地上光ネットワークおよびネットワーク制御技術を組み合わせ、NTTの宇宙事業ブランド「NTT C89」※5のもと、新たな商用サービス創出や事業機会の拡大につなげていきます。
<参考>2030年度以降の持続的な利益成長を実現するための新規領域の早期ビジネス化イメージ(2025年度決算プレゼンテーション資料より抜粋)
「Cailabs社との今回のパートナーシップは、NTTが推進するIOWN技術を宇宙分野へ適用していく上で、重要なマイルストーンとなります。NTTの研究開発で培った技術とCailabs社の光地上局の着実な展開力をもとに、宇宙分野での光通信インフラをグローバルに加速し、新たな成長機会を切り開いてまいります」
NTT株式会社 執行役員 研究開発マーケティング本部
アライアンス部門長 爪長 美菜子
「光地上局を地上光ネットワークに直接接続することは、衛星光通信を大規模に実用化するための重要な一歩です。NTTの先進的な光ネットワークに関する専門知識と、Cailabsの光地上局の設計、製造、展開における経験を組み合わせることで、今回のパートナーシップでは、衛星、地上インフラ、データセンターを接続するエンド・ツー・エンドのアーキテクチャを模索していきます。私たち共通の目標は、大容量光通信を、将来の衛星サービスに向けたスケーラブルなインフラへと変えることに貢献することです」
Cailabs
CEO Jean-François Morizur
Cailabsは、光通信を大規模に展開可能にする地上システムを構築する産業用レーザー通信企業です。2013年に設立され、フランスと米国で事業を展開するCailabsは、宇宙・地上間および地上・地上間の通信用光システムの設計、製造、導入を行っています。同社のソリューションは、大気乱流の低減技術、産業規模の生産能力、および宇宙、防衛、重要ネットワーク向けの運用サポートを組み合わせています。
URL:https://www.cailabs.com
※1デジタルコヒーレント技術
光の「明るさ(点滅)」だけでなく、光の波としての情報である「山と谷のタイミング」と「振動の向き」も利用する最新の通信技術。
※2ネットワーク制御技術
天候の影響で使えない光地上局を自動的に迂回し、複数地上局とAPNを連携させて高信頼通信を実現する技術。
※3APN
オールフォトニクス・ネットワーク(APN:All-Photonics Network)は、IOWNを構成する主要な技術分野の1つとして、端末からネットワークまで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し、エンド・ツー・エンドでの光波長パスを提供する波長ネットワークにより、圧倒的な低消費電力、高速大容量、低遅延伝送の実現をめざすものです。
※4IOWN構想(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)
あらゆる情報をもとに個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むコミュニケーション基盤の構想です。
※5「NTT C89」は、NTT株式会社の商標です。
「NTT CONSTELLATION 89 PROJECT」の略称であり、社会へのソリューション提供を通じて宇宙関連事業の拡大および宇宙産業全体の発展に貢献していく取り組みです。
本リリースは、NTTグループ各社等が展開する宇宙ビジネスのブランド「NTT C89」の取り組みの1つです。
URL:https://group.ntt/jp/aerospace
本件に関する報道機関からのお問い合わせ先
NTT株式会社
広報部門
E-mail:ntt-pr@ntt.com
Cailabs メディア担当
Victoria Pearson, Sonder London
E-mail:team-cailabs@sonder-london.com
ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
NTTとともに未来を考えるWEBメディアです。