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自律的キャリア形成

方針・考え方

以下のページをご覧ください。

私たちの事業環境は急速に変化しています。この変化に柔軟に対応するためには、多様な人材が、個々の持つ能力を十分に発揮することがとても重要になってきます。と同時に、高い専門性を有した個人を活かし、将来の変化に適応し続けるため、組織力を高めていくことも重要です。人材力と組織力を高めていくことで、イノベーションが生まれ、その結果、お客さまや社会に新たな価値を提供することができ、NTTグループとしての企業価値向上につながっていくと考えています。そしてそうした成果に対して「ワクワク感」を持ちながら仕事に取り組むことで、社員のエンゲージメントも高まっていくという好循環を創出したいと考えています。その考え方のもと、2023年度は様々な変革を行いました。その中核になるのが「自律的キャリア形成(キャリアのオーナーシップ)」です。この仕組みを通じて、社員が自らのスキルや強みを伸ばし、さらにそれらを活かせる組織や仕事を選択することができるようになります。また、そうした意欲を持った社員がより働きやすい環境を整備することも重要であると考えています。こうした不断の変革を通じて、社員の自己実現と事業成長の両方を達成していきます。

主な取組み

自律的なキャリア形成を支援する人事体系

管理職の人事体系

年次・年功から脱却し、社員のチャレンジ機会を創出・拡大する仕組みとするため、2021年10月から全管理職にジョブ型の人事給与制度を導入しました。これにより、戦略実現に必要な役割・仕事(ポスト)に最適な人材の柔軟な配置を可能とし、組織の成果最大化を図ります。
管理職の抜擢率(2023年7月の人事異動で、これまでの昇格ペースを上回って配置された管理職の割合)は18.8%となりました。年次・年功から脱却し、従来の適材適所から適所適材へと着実に転換を進めています。今後も事業成長に必要な役割・仕事(ポスト)に見合う人材の配置をめざして取組みを進めていきます。

一般職社員の人事体系

社員がより自律的にキャリアビジョンの追求・実現ができるよう、年次・年齢や経験年数ではなく、専門性の獲得を重視した仕組みへと見直しを行いました。具体的には、外部市場を意識した18の専門分野を設け、分野ごとに求められる専門性や行動レベルを明確化した"グレード基準"を設定しました。また、これら"グレード基準"に基づき、高い成果を上げた社員が適正な評価を受けることが可能な絶対評価の導入や、昇格における最短在級年数廃止等を行い、専門性の獲得・発揮度に応じて昇格・昇給していく仕組みとしました。
一般社員の抜擢率(2023年10月の一般社員昇格タイミングにて、これまでのペースを上回って昇格した社員の割合)は10.0%という結果となり、自律的なキャリア形成、チャレンジが伸長しました。
今後も採用・育成・配置すべてのフェーズにおいて、専門性を意識した運用を進め、社員の自律的なキャリア形成を支援していきます。

能力開発の支援

各事業分野に必要な専門スキルを習得するための集合研修やOJTに加え、自己研鑽のための通信教育やeラーニング、その成果を測るための社内資格制度や資格取得の支援などを通じて、社員が一層活躍できる場を提供しています。また、グループ共通のタレントマネジメントシステムを導入し、社員がより積極的に自身のキャリア形成に携わる環境を提供するとともに、めざすキャリアの形成に有効である研修の推奨等を提供していきます。

人材育成に関する状況 教育(社員1人当たり)

※横スクロールできます

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
年間平均研修時間(時間) 30.0 24.0 34.0 38.0 40.7
年間平均研修コスト(万円) 11.3 9.1 9.0 10.3 11.7

年度のはじめや中間・年度末に上長と社員が計画・振り返りの面談をするとともに、ステップアップのタイミングでマネジメント研修を開催するなど、積極的に社員のキャリア形成を支援しています。特に近年では、増大するセキュリティリスクに対処するため、セキュリティ分野のエキスパート人材を育成するカリキュラムを実施しているほか、将来の経営リーダーの育成に向け、部長・課長クラスから選抜した約400人程度に対して、リーダーシップ開発および人的交流を促進する研修カリキュラムを実施しています。また事業のグローバル化を見据えて、グローバル市場で活躍する社員の育成に向け、海外大学院への留学や海外企業派遣プログラムを充実させています。

次世代経営人材の計画的な育成(NTT University)

経営環境が大きく変化する中、幅広い視野と経験を有し、世の中をリードできる意欲あふれる多様なグループ経営人材を輩出する取組みとして、"NTT University"を運営しています。5年以内の役員登用をめざす Next Executive Course(NEX)に加え、将来の役員をめざすFuture Executive Course(FEX)を2023年7月に開設しました。
年次・年齢を問わず、経営者になる覚悟をもつ人材を実力主義で選抜し、経営人材としての成長を支援します。重要かつ困難な経営課題の解決を担うポストへの配置を行うハードアサインを中心に、現役の役員との対話により学びや気づきを得るメンタリング塾、外部のカンファレンス、セミナー、研修等を選択できるサポートプログラム等を通じ、受講生の自律的成長を促します。

CX変革人財育成プログラム

CX関連ビジネスを成長期待領域として位置づけ、徹底的にユーザー起点で課題を捉え、新たなブランド体験を創出するCXソリューションを企画・実現できる人財の育成強化に取り組むこととし、NTTグループ横断でCXビジネス推進のための人財育成プログラムを実施しています。

本プログラムでは、CXビジネスに必要な「ヒアリング力や課題解決力・仮説設計力等のコンサルティング力」、「ユーザーへのリサーチ力や顧客視点でのCXサービス発想力」、「アジャイルでのコミュニケーション力・実行力」の獲得・強化を行っています。

2023年度実績:13社、39名(満足度87%、実践活用意欲度100%、推奨度62%)

挑戦機会の拡大

NTTグループJob Board(公募)

人事異動における自発的なチャレンジを支援する仕組みとして、常時募集を行いタイムリーに応募が可能な"NTTGroup Job Board"を開設しました。2023年7月1日以降、1年間で約1,000件の応募があり(前年度までの旧公募施策の約6倍)、自発的なチャレンジが進んでいます。

社内副業(ダブルワーク)

社員自身のスキルの研鑽や自律的なキャリア形成を支援するため、現在の所属組織での業務を継続しながら、勤務時間の一部を他組織での業務に充てることができる社内副業の仕組み(ダブルワーク)を整備しました。NTTグループで働く社員の積極的なチャレンジや自己成長につながる環境整備を引き続き推進していきます。

目標管理

組織の事業計画等に基づき、各資格等級にふさわしい行動や業績レベルを設定し、通年で目標を設定します。組織目標が修正される場合や注力すべき内容に変更が生じた場合には、適時見直しを行っています。
目標設定は、組織の事業計画に基づき、上長からカスケードダウンして設定されます。具体的には上長は、所属組織の事業計画及び、上長の個人目標を明示し、説明を行います。そのうえで、社員は上長から明示・説明された目標と管理職の場合は、自ポストのジョブディスクリプションをもとに目標設定を実施します。
上長は、目標設定面談を通じて、社員と当年度の目標の意識合わせを実施し、合意の上で承認します。

上司との定期的な個別面談

NTTグループでは、社員が業績目標やその達成に向けたプロセスを上司と共に認識し、改善点や成長への方向性を共有していけるよう、全社員を対象に上司や人事部との定期的な個別面談を実施しています。

上司との個別面談は、日々の業務の進捗状況の確認や業務上の課題などについて適宜共有・相談する場として、日常のプロセスマネジメントとして実施する1on1ミーティングのほか、「目標設定MTG」「中間MTG」「振り返り面談」の機会を設けています。「目標設定MTG 」では、当該年度の目標などについて認識を合わせ、必要なアドバイスを行っています。「中間MTG」 では上期の成果及び達成度について確認するとともに、下期に向けての課題等についても意識合わせを行っています。「振り返り面談」では、達成した成果・業績と目標達成のプロセスを上司と部下が一緒に振り返り、さらなる改善と成長に向けたアドバイスと動機づけを与えています。

面談年間スケジュール

これらの個別面談については実施状況を管理しており、休暇・休職などの事由により期間中に面談を実施できなかった場合を除けば、すべて100%の実施率となっています。

スキルマッピング、 資格取得の奨励・支援

グループ各社では、各事業特性をもとに、独自のスキルマッピングを設定し、その分類にもとづいて人材を育成しています。また、マッピングにもとづいて一人ひとりのレベルを測定しており、各レベルの認定人数を把握し、実施状況を測定しています。具体的には以下のように運用しています。
① 業務に必要な専門性にもとづく専門分野の設定
② 専門分野でのスキルに応じたレベルの定義・認定
③自己のキャリア計画にもとづく、上長・組織の支援のもとでの、PDCAサイクルを回した育成
また、NTTグループでは、ICT業界で広く活用されている、技術士、情報処理技術者など業務に関連する資格取得を奨励しており、資格保有者の増加をめざしています。

適正な評価運用と評価者研修

評価は、上長(担当課長等)が一次評価者となり、当該社員の業務の達成度や行動の発揮度を判断する「一次評価」、担当部長等が二次評価者となり、実際の業績・行動の事実に照らし合わせて適切に評価しているか確認する「二次評価」、組織長が組織内全一般社員の結果について組織全体の業績達成度との整合が取れているか等を確認・承認する「評価決定」の三段階で決定しています。これにより、評価者の主観や恣意による評価エラーを防ぐよう努めています。

また評価の納得性・公正性のさらなる向上に向けた取組みとして、上司(評価者)に対しては「評価者研修(eラーニング)」や「新任管理者研修」を実施するとともに「人事評価マニュアル」を提供しています。また、社員(被評価者)に対しては「被評価者研修」・「目標設定研修」等を実施し、「評価・目標設定等の解説書」「人事・給与制度理解促進に向けたWeb教材ツール」「ハイパフォーマーズ・モデル事例」を提供しています。

公正な評価・処遇

NTTグループでは、成果・業績を重視した社員資格制度において各資格等級にふさわしい行動や業績レベルを設定し、その目標設定をもとに評価をフィードバックする一連の評価プロセスを確実かつ的確に実施することで、社員の自律的・主体的な職務遂行の促進を図る人事制度を運営しています。

人事・人材開発に関わるさまざまな仕組みを各社個別で運用するのではなく、社員に期待する人材像(行動と業績)のレベルを示した社員資格制度を軸に、社員の「適切な配置」「能力開発」「評価」「格付・給与」といったものをトータルなシステムとして運用しています。(評価制度のカバー率:NTTグループ全体の60%)。

それぞれの事業を円滑に推進していくためには、社員一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう、適材適所の人材配置を行うことが重要です。

こうした観点から、個々人の能力開発の状況やキャリアプランを総合的に勘案して定期的に人事ローテーションを実施しています。

多面的評価

グループ各社では、管理者育成の一環として、管理者を対象に、本人、上長、同僚、チームメンバーによる「360度多面評価」を実施しています。
この評価制度では、ビジョニング、コーチング、リーダーシップなど、管理者に求められる要素を多面的な視点で評価し、その結果を本人に伝えます。評価点による定量的な評価に加え、定性的な評価として「伸ばすべきよい点」と「改善すべき点」に関するアドバイスも必須とすることで、自己評価と他者による評価のギャップを認識してもらうとともに、管理者に期待される姿勢や行動について本人に明確な「気づき」を促し、意識・行動の改善につなげています。

組織に対する評価

NTTグループでは、企業として従業員エンゲージメント向上に取り組むことを目的に、従業員エンゲージメントをサステナビリティKPIの重要指標として位置づけています。主要会社における従業員エンゲージメント(肯定的回答率)を対基準年より改善をめざし、各組織単位に取組みを行っています。
また、従業員エンゲージメントに対して組織としてしっかりと取り組むために、役員報酬の指標としたほか、全管理者の賞与の評価指標に設定しました。