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2023年3月 1日

受賞・表彰

量子計算アルゴリズムの先駆的研究と耐量子計算機暗号の安全性評価に貢献した2名が第68回前島密賞を受賞

日本電信電話株式会社 先端技術総合研究所 コミュニケーション科学基礎研究所の谷 誠一郎 特別研究員、国立大学法人群馬大学 情報学部(元日本電信電話株式会社 先端技術総合研究所 コミュニケーション科学基礎研究所)の高橋 康博 准教授の2名が、第68回前島密賞の受賞者に選ばれました。

谷氏、高橋氏は、量子計算機を活用するために不可欠な量子アルゴリズムの研究に長年取り組み、ネットワーク接続された多数の量子計算機および量子計算機単体におけるアルゴリズムの基礎技術において先駆的な研究成果を上げるとともに、耐量子計算機暗号技術の安全性評価においても多大な貢献をしたことが評価されました。

谷氏は、量子アルゴリズムおよび量子計算複雑さ理論の専門家として、「リーダー選挙問題」および「クロー発見問題」など応用上重要な問題に対して、古典計算では成し得ない高速性を達成する量子アルゴリズムを考案したことが評価されました。特に後者の問題に対する量子アルゴリズムは、耐量子計算機暗号技術の主要な方式の強度評価に応用され、暗号分野の専門家からも高い評価を受けています。

高橋氏は、量子回路の専門家として、算術演算回路の高速化において中心的な役割を果たし、古典回路も含め多くの先行研究では実現できなかった量子優位性を示す本質的なスピードアップを成し遂げました。算術演算回路はあらゆる計算で用いられる基本となる回路であり、耐量子計算機暗号技術の強度評価においても重要な役割を果たします。

前島密賞は、逓信事業の創始者「前島密」の功績を記念し、その精神を伝承発展せしめるため、昭和30年(1955年)に設けられ、情報通信および放送の進歩発展に著しい功績のあった方々に贈呈される賞です。

【受賞業績】

量子計算アルゴリズムの先駆的研究と耐量子計算機暗号の安全性評価への貢献

【参考】

谷 誠一郎 特別研究員の紹介
https://www.rd.ntt/organization/researcher/special/s_021.html当該ページを別ウィンドウで開きます

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