2025年1月27日
受賞・表彰
日本電信電話株式会社 サービスイノベーション総合研究所 社会情報研究所の中嶋良彰所長と佐藤亮太主幹研究員が2025年1月23日に開催された2024年度SCAT表彰式において、「重要インフラ及びSociety 5.0向け構成・状態分析技術によるサイバーセキュリティへの貢献」の功績により、SCAT表彰「会長賞」を受賞しました※1。
一般財団法人テレコム先端技術研究支援センター(SCAT:Support Center for Advanced Telecommunications Technology Research)は、情報通信技術(ICT)分野における先端的な技術に関する調査研究とその支援、研究開発(R&D)への助成、先端技術情報の提供、表彰などの事業を通じて、ICTの発展を支援する団体です。SCAT表彰は、ICTの研究開発により国民生活の安全安心に寄与するなど多大な貢献のあった研究者を、選考委員会において「会長大賞」「会長賞」「優秀賞」の対象者として選考し、2019年度より授与しているものです。
受賞者らは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム(以下、SIP)※2」において、通信・放送、エネルギー、交通など国民生活や社会経済活動を支える重要インフラ等を対象とするサイバーセキュリティ対策技術(重要インフラ設備を構成するソフトウェアの真贋を判定して不正機能の混入リスクを低減可能にする真贋判定技術、および重要インフラを構成するネットワークにおいてサイバー攻撃等によって発生するセキュリティ異常を検知可能にする動作監視・解析技術)の大規模研究開発プロジェクトを統括して国産サイバーセキュリティ技術を創出するとともに、本成果の導入によって東京2020大会における約4.5億回のサイバー攻撃への対応に貢献しました。さらに、第2期SIPにおいても、本技術を発展させスマートビル・スマートファクトリ分野等において利用されるOT(Operational Technology)/IoTシステムに適用する研究開発プロジェクトを企画・遂行し、Society 5.0※3に不可欠なOT/IoT向け国産セキュリティ技術の創出に貢献しました。また、当該技術が対象とするシステムの中身(機器、ソフトウェア、ファイル等の構成)を見える化するためのデータ(可視化データ)は各国が標準仕様として採用を進めているSBOM※4に準拠しており、受賞者らは技術の高度化と並行して、この可視化データの活用推進によってサプライチェーンセキュリティリスクの低減等に取り組む「セキュリティ・トランスペアレンシー・コンソーシアム」を設立(2023年9月)※5し、その幹事会員事業者として運営の中核を担っており、一連の活動により国民の安全・安心の向上に多大な貢献をしたことが評価されました。
NTT社会情報研究所は、これらの活動成果を起点とした研究開発の更なる発展とその成果の社会実装を通じて、安心・安全なサービスの実現に貢献してまいります。
※1SCAT表彰
https://www.scat.or.jp/awards/file/2024awards.pdf
※2戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第1期、第2期
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/sip1st_list.html
https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/sip2nd_list.html
※3Society 5.0
我が国が目指すべき未来社会の姿であり、「サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会」として、第5期科学技術基本計画(平成28年1月22日閣議決定)において提唱された。
https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
※4Software Bill of Materials、製品に含まれるソフトウェア部品を一覧化するためのデータ形式
URL:https://www.ntia.gov/page/software-bill-materials
※5セキュリティ・トランスペアレンシー・コンソーシアム
https://www.st-consortium.org/
https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/02/16/240216b.html
https://group.ntt/jp/newsrelease/2024/10/21/241021a.html
(右から)中嶋所長、佐藤主幹研究員
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