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2025年3月 7日

お知らせ

NTTと東京大学 「サステナブルウェルビーイング社会連携講座」を開始
人間・情報・自然がつながりあう社会に向けた学際的研究教育に関するキックオフシンポジウムを開催

日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、国立大学法人東京大学(以下、東京大学)と、東京大学大学院情報学環(以下、情報学環)に「サステナブルウェルビーイング社会連携講座」を開設しました(2024年12月1日より3年間)。本講座では、自然物や人工物、さらにそれらを包摂する自然環境や情報環境の中で持続的に、共によりよく生きるためのあり方を探求する共同研究、及び人材育成に取り組みます。ここでは人間中心の枠組みを超え、テクノロジーやサービスのデザイン、アート表現など多様な視点から実践的研究を展開し、また、人材育成の取り組みを通じて産学を超えたコミュニティの創成をめざします。2025年3月10日には、本講座の活動コンセプトを広く示し、しなやかな協働の起点となるべく、キックオフシンポジウムを東京大学にて開催します。

社会連携講座の概要

  • 名称
    (和文)サステナブルウェルビーイング社会連携講座
    (英文)Sustainable Well-being Social Collaboration Initiative
  • 設置期間
    2024年12月1日~2027年11月30日(3年間)
  • 設置機関
    国立大学法人東京大学 大学院情報学環
  • 担当教員
    筧康明(情報学環教授)
    苗村健(情報学環教授)
    高木聡一郎(情報学環教授)他
  • 連携機関
    日本電信電話株式会社(NTT)

本講座を担当する東京大学大学院情報学環 教授 筧 康明の紹介

博士(学際情報学)。物理素材特性とデジタル技術を掛け合わせたインタラクティブメディア研究を推進する。活動は工学・アート・デザインの分野を越境し、SIGGRAPH、Ars Electronica Festival、ICCなどでの作品展示や、STARTS PRIZE 2022 Honorable Mention、第23回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、2012年グッドデザイン賞BEST100など受賞多数。

社会連携講座の目的

情報学に関わる学際研究・教育を推進し、アートやデザインなど表現領域の実践を進める大学院情報学環を中心とする東京大学と、幅広いICTの基礎研究から実社会における価値を創出するNTTが連携し、気候変動や人口減少など現代社会の課題に向き合うための、サステナビリティとウェルビーイングを接合する先進的かつ包括的なフレームワークを構築します。また、このフレームワークを社会の中で実践する人材を育成し、産学連携による実践的共創の場を生み出します。

社会連携講座の実施内容

分野構築と実証実験

人間が、自然環境や情報環境の中で、他の生物やAIとともに、リソースを共有しながら豊かに生きられる「人間・情報・自然がつながりあうリジェネラティブ社会」の要件(概念、機能モデル、評価方法等)を、思考実験、プロトタイピング、フィールド実証を通じて構築します。具体的には、本講座では、以下のようなテーマを中心に共同研究を進めます。

1. 《自然》(と)のウェルビーイング

気候変動や生態系の変化を踏まえ、人間中心の考え方を超え、自然環境のウェルビーイングを探求し、人間と自然が持続的によい関係を築くための関わり方やライフスタイルを実践的にデザインする。

2. 《モア・ザン・ヒューマン》と関わりあう

データの可視化や物理化、AR(拡張現実)技術などを活用し、自然生態系や情報生態系における人間とは異なる存在(動植物、モノ、AI、コンピュータウイルス、ロボットなど)との関係を構築し、気づきや理解・共在に導く方法論を探求する。

3. 持続可能なエコノミーとコミュニティ

分散型台帳技術などを活用し、多様なステークホルダーがリソース(例えば、ネットワーク、電力、素材、水、社会関係、文化、記憶)を効率よく共有・継承しながら、個人にも社会にも利する新しい経済システムの形を提案します。

4. サステナブルウェルビーイング評価指標の開発

人間のウェルビーイングだけでなく、自然生態系や情報生態系を含めた関わりにおける、新たな評価指標を提案する。

人材育成と社会実装への展開

本講座では、研究成果を社会に還元し、さらなる共創メンバーを募るために、レクチャーシリーズやワークショップを外部へも開いていきます。レクチャーでは、デザイン・エンジニアリング・心理学・倫理学・環境科学などの視点を交え、サステナビリティとウェルビーイングの考え方を接合し実践的な課題解決に向けた議論を行います。また、本講座のフレームワークを社会の中で実践できる人材のコンピテンシー(資質・能力)を明らかにし、その人材を育成していきます。

期待される成果

サステナビリティとウェルビーイングを接合する包摂的循環社会に向けて、インタフェースおよびネットワークを中心とした技術開発やデザインを実施し、対外的な成果発表に結びつけます。そのアイディアやプロトタイプは具体的なフィールドにおいて実証され、設計要件としてまとめます。また、レクチャーシリーズを通した人材育成及びコミュニティ創生への貢献が期待されます。

東京大学大学院情報学環 学環長 目黒公郎からのコメント

情報学環は、情報学を基盤としつつ、多様な知の融合を通じて学際的な研究・教育の新たな可能性を探求してきました。
 本サステナブルウェルビーイング社会連携講座におけるNTTとのコラボレーションを通じて、持続可能な社会とウェルビーイングの実現に向けた先端技術と学際的な知見が交差し、新たな価値創出や人材育成につながることを期待しています。

日本電信電話株式会社 執行役員 研究企画部門長 木下真吾からのコメント

「テクノロジー」と「アート」の2つの言葉には、ラテン語の「アルス」を起源とする深いつながりがあります。
 このつながりは、従来のテクノロジーを使ったアート表現という表面的な関係を超えて、人と人・社会・地球の新しい関係性を再定義しウェルビーイングを支える礎となるでしょう。
 情報通信技術の先端研究を担うNTT研究所と、芸術・デザイン・工学など学際的な研究を担う東京大学情報学環との掛け合わせが、こうした礎創りの出発点となることを期待しています。

本講座開設を記念し、2025年3月10日(月)17時より東京大学 情報学環・福武ホール 地下2階 福武ラーニングシアターにて、本講座の東京大学の担当教員や連携機関であるNTTの研究者らが、講座の狙いや内容を紹介するシンポジウムを開催します。また、終了後に会場にて取材対応を行います。

「サステナブルウェルビーイング社会連携講座キックオフシンポジウム: 人間・情報・自然がつながりあう社会に向けて」開催概要 (※都合による内容変更の可能性あり)

【日時】2025年3月10日(月) 16:30開場 17:00~19:30
【会場】東京大学 情報学環・福武ホール 地下2階 福武ラーニングシアター
【主催】サステナブルウェルビーイング社会連携講座
【登壇者】
東京大学:目黒 公郎(情報学環長・教授)/筧 康明(情報学環教授)/高木 聡一郎(情報学環教授)/黒木 真理(情報学環准教授)/澁谷 遊野(情報学環准教授、ビデオ登壇)/Youyang Hu(情報学環)
NTT:木下 真吾(NTT 執行役員 研究企画部門長)/渡邊 淳司(社会情報研究所・コミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員)/岸野 泰恵(コミュニケーション科学基礎研究所 主幹研究員)/宮本 勝(社会情報研究所 主席研究員)/秋山 満昭(社会情報研究所 上席特別研究員)/小川 智明(アクセスサービスシステム研究所 主幹研究員)、佐々木 元晴(アクセスサービスシステム研究所 特別研究員)、福島 健(アクセスサービスシステム研究所 研究員)
【申込】入場無料。Peatixサイトからお申し込みください。
https://swb-kickoff.peatix.com当該ページを別ウィンドウで開きます
【プログラム】
第一部
  講座設立挨拶  目黒 公郎(東京大学)
  講座設立挨拶  木下 真吾(NTT)
  講座の背景と概要 筧 康明(東京大学) 、渡邊 淳司(NTT)

第二部:サステナブルウェルビーイングに向けた3つの対話
  Part 1. 《自然》(と)のウェルビーイング
   岸野 泰恵、黒木 真理、澁谷 遊野(ビデオ出演)、筧 康明
  Part 2. 《モア・ザン・ヒューマン》と関わりあう
   宮本 勝、秋山 満昭、筧 康明、Youyang Hu、渡邊 淳司
  Part 3. 持続可能なエコノミーとコミュニティ
   高木聡一郎、(小川 智明・佐々木 元晴・福島 健)、渡邊 淳司

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