2026年10月 6日
お知らせ
NTTアクセスサービスシステム研究所の小林大樹主任研究員は、衛星レーダ観測により、水分を多く含む火山灰土壌において、観測区画全体の水分量の変化を捉えられることを明らかにしました。本成果は複数の大学との共著によるもので、国際学術誌「Remote Sensing」に掲載されました。
土壌に含まれる水分は、植物の生育や雨水の浸透・流出に影響するため、その変化を継続的に把握することが重要です。衛星に搭載されたSAR(合成開口レーダ)は、昼夜や雲の有無に左右されにくく、広域の観測に適しています。一方、電波の反射は地表面の凹凸や植生にも影響され、特に水分を多く含む土壌では、水分の増減を捉えにくくなる場合があります。
今回の研究では、茨城県つくば市の火山灰土壌の観測区画を対象にSAR衛星の観測データと、地上の複数点で計測した土壌水分を比較しました。その結果、電波の送受信条件を適切に選ぶことで、水分を多く含む土壌において反射の強さが水分量の変化に追従しました。複雑な解析を用いなくても、水分変化を把握する有用な指標が得られたことから、衛星による継続的な土壌水分モニタリングへの活用が期待されます。
NTTでは、宇宙ビジネスの発展・拡大をめざし、通信に加えて、衛星観測データの活用や新たな価値創出に取り組んでいます。今後は、異なる土壌や植生、水分条件での検証を通じて、衛星観測による土壌水分モニタリングの適用可能性をさらに評価していきます。こうした衛星観測やデータ解析に関する技術開発を推進し、防災・減災などの社会課題の解決や新たな宇宙ビジネスの実現に貢献していきます。
掲載誌:Remote Sensing
論文タイトル:Temporal and Spatial Associations of L-Band Fully Polarimetric SAR Metrics with Soil Moisture over a Wet Volcanic Ash Soil Field
著者:Daiki Kobayashi, Maiko Kawaguchi, Naoto Sato, Kosuke Noborio, Shinsuke Aoki
URL: https://doi.org/10.3390/rs18193316
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