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IOWN

NTT R&Dは、究極のフェールセーフを実現するMaaSや究極の臨場感を実現するエンターテインメントサービス等、今のインターネットでは実現できない新しいスマート社会の到来を思い描いています。

新たな世界の実現のためには、超低消費電力・高速信号処理の実現や、現実と同等以上の仮想世界と高度な予測技術の融合等、現状技術の延長では達成できないイノベーションが必要です。

NTTグループは新たな世界を実現するIOWN構想(アイオン:Innovative Optical and Wireless Network)を提案し、その実現に向けて取り組んでいます。

What's IOWN?

IOWNは、今のインターネットだけでは実現できない新たな世界を実現する革新的な構想です。

IOWNは主に、ネットワークだけでなく端末処理まで光化する「オールフォトニクス・ネットワーク」、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタル・ツイン・コンピューティング」、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つで構成されます。

オールフォトニクス・ネットワークは、ネットワークから端末、チップの中にまで新たな光技術を導入することにより、これまで実現が困難であった超低消費電力化、超高速処理を達成します。

1本の光ファイバ上で機能ごとに波長を割り当てて運用することで、インターネットに代表される情報通信の機能や、センシングの機能など、社会基盤を支える複数の機能を互いに干渉することなく提供することができます。

NTTグループは、エレクトロニクスからフォトニクスの世界へシフトさせ、社会的課題の解決をめざします。

デジタル・ツイン・コンピューティングは、これまでのデジタル・ツイン技術を大きく発展させ、実世界のモノ・ヒトを表す様々なデジタル・ツインに対し交換・融合・複製等の演算を行い、それぞれのデジタル・ツインを掛け合わせることで、自在にモノ・ヒトのインタラクションを再現・試行する新たな計算パラダイムです。これによって、今までにない高精度な仮想社会が構築され、大規模かつ高精度な未来の予測・試行や、新たな価値をもった高度なコミュニケーション等を実現することが可能となり、世界中の様々な社会課題の解決や革新的サービスの創出が期待できます。

IOWNにより、NTTグループが世界をどのように変えていくのか、今後にご期待ください。

NTT R&Dサイトでは、IOWNに関する最新情報を発信しています。

IOWN構想の実現に向けて、具体的な技術ロードマップを策定し、技術開発を推進しています。IOWNを構成する主要技術について、2021年よりリファレンス方式を策定し、IOWN Global Forum (IOWN GF)に提案し検討を加速させるとともに仕様の整備を進めていきます。

具体的には、IOWN GFホワイトペーパーに示された4つの技術の方向性に関連して、大容量低遅延データ通信方式、データ セントリック型ICTインフラ、多地点・超高速・低遅延クラウドコンピューティング、ICTインフラにおけるエネルギー効率の飛躍的向上というテーマのもと、技術開発を推進していきます。

2020年1月にNTT、米Intel Corporation、ソニー株式会社が立ち上げたIOWN Global Forum, Inc.では、同年4月に4つの技術の方向性を示したホワイトペーパーを公開し、技術検討に着手しました。また現在、設立3社に加えて、国内外の企業26社が加盟しました(9月10日現在)。

その後9月には、初めてのメンバーミーティングをオンラインで開催し、各国各社のメンバー間での交流、ワーキンググループでのユースケース、テクノロジー議論を行いました。

今後、さらに多くの産業分野、地域の様々なパートナーの皆さまと共にIOWN構想の早期実現をめざしていきます。

IOWN Global Forum

IOWN構想を支える研究開発

多様なセンシングデータをリアルタイムに統合し、様々な未来予測を可能とする「4Dデジタル基盤™」

政府や多くの企業が、Society 5.0等で提唱されるようなサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムの実現をめざして研究開発に取り組んでいます。しかし、サイバー・フィジカルの融合において、既に統計化されているデータや、位置・時刻の情報にズレがあるデータ同士を掛け合わせても、実世界の現象把握や未来予測の精度が高まらないケースもあります。

このような課題の解決に向け、4Dデジタル基盤は、緯度・経度・高度・時刻の4次元の情報を可能な限り精緻に、リアルタイムに把握・統合し、さまざまな産業分野に提供することで、社会課題の解決や新たな価値創造をめざします。

4Dデジタル基盤は、株式会社ゼンリンと共同で整備する「高度地理空間情報データベース」上に、高精度な位置・時刻を持つセンシングデータをリアルタイムに統合し、高速に分析処理・未来予測を行います。

  1. センシングデータの位置基点となる高度地理空間情報データベースの整備
  2. 位置・時刻の高精度センシング、リアルタイムデータ収集
  3. 膨大なデータの高速処理と多様なシミュレーションによる未来予測

本基盤と、多様なIoTデータ、および各産業分野の基盤を組み合わせることで、道路交通の整流化、都市アセットの最適活用、社会インフラ維持管理等、さまざまな領域で活用可能性があると考えています。

暮らしを支える産業横断の基盤として、また、IOWN構想における「デジタル・ツイン・コンピューティング」を支える基盤として、NTT研究所の技術とNTTグループのノウハウ・アセットを活用し、2021年度からの機能の順次実用化と、機能拡充をめざしています。

光情報処理集積回路をめざした全光スイッチングの実現

NTTと国立大学法人東京工業大学は、ピコ秒(1兆分の1秒)以下の超高速領域で動作する全光スイッチを世界最小の消費エネルギーで実現しました。

本研究グループでは、プラズモニック導波路と呼ばれる幅と高さが数十ナノメートルサイズの光導波路に、非線形光学材料として近年注目されているグラフェンを組み合わせることによって、超高速かつ低消費エネルギーで動作する全光スイッチを実現しました。達成した動作速度は電気を利用した光スイッチでは到達不可能な領域にあり、将来の超高速な光情報処理集積回路への応用が期待されます。

また、本成果は極限的に小さな光導波路の実装を可能とするプラズモニック導波路技術の研究をさらに深化させるものです。

光格子時計が有する光周波数の超高精度遠隔地伝送

NTT、国立学校法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所及びNTT東日本は、商用の光ファイバー網を用いて複数の遠隔地を結ぶ光周波数伝送の実証実験を実施し、光周波数を超高精度で200km以上をファイバ伝送することに成功しました。この結果は、現在、世界最高精度の光格子時計が発する光周波数を、その精度を保ったまま、200km圏内で共有可能であることを示しています。

本成果の技術ポイントは、石英系平面光波回路(PLC)を組み込んだ光周波数中継装置(リピータ)です。ファイバー伝送される光周波数には、温度変化によるファイバーの伸縮や、敷設環境に由来する振動などの様々な雑音を受けます。リピータは、中継局ごとに光を逆方向にも送信し、光干渉測定によってファイバー由来の雑音を検出・補償しながら伝送させる技術です。リピータの中心部である光干渉計をPLCモジュール化することで超低雑音な光中継を可能にし、精度劣化を最大限抑えたファイバー伝送を実現しました。

将来的には、光格子時計の驚異的な精度の高さを利用した「相対論的な効果を使った標高差測定(相対論的測地)」などによる、新たなインフラストラクチャーへの展開をめざします。

毎秒1テラビット容量の長距離波長多重伝送実験

NTTとNTTコミュニケーションズは、商用環境において1テラビット/秒光信号の長距離伝送の実証実験に成功しました。本実験では、NTTコミュニケーションズの商用環境に敷設した光損失と光非線形性を低減させた新しいコア拡大低損失光ファイバケーブルを用い、NTT独自の①高品位な多値光変調信号を送受信するために光送受信機内部の不完全性を補償する高精度校正技術、②最先端のデジタルコヒーレント技術を実装したデジタル信号処理プロセッサと広帯域光フロントエンド回路を搭載した光送受信機、③及び伝送路設計技術によって、1テラビット/秒光信号による波長多重伝送を実施し、世界最長となる1,122kmの長距離伝送試験に成功しました。

1テラビット/秒光信号本成果は、現在の実用システム(1チャネルあたり100ギガビット/秒)の10倍の伝送速度、及び8割以上のビットあたり消費電力低減を見込み、5Gサービスの普及や、将来のIOWN構想実現につながるに向けた大容量通信ネットワーク技術として期待されています。

グローバルで評価されるNTTグループ

    • ロゴ画像「EP100 EV100」

      エネルギー効率等に関する国際イニシアティブEP100・EV100に電気通信事業者として初めて加盟

    • ロゴ画像「CSDE」

      セキュアなデジタル経済に向けた評議会を国際的企業と共同で創設

    • ロゴ画像「2021 CONSTITUENT MSCIジャパン ESGセレクト・リーダーズ指数」
    • ロゴ画像「FTSE4Good」
    • ロゴ画像「FTSE Blossom Japan」