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2021年8月19日

日本電信電話株式会社

車いす利用者等の移動制約者のための
バリアフリールート案内Webアプリ「Japan Walk Guide」を開発
~のべ約1,900名のボランティアによる、総距離約700kmのバリアフリー地図~

日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤田 純、以下、NTT)は、公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団(以下、エコモ財団)と協力して、バリアフリールート案内Webアプリ「Japan Walk Guide」を開発しました。「Japan Walk Guide」は、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会(以下、経済界協議会)から、競技ボランティアなどスポーツ大会関係者向けのサービスとして提供し、NTTは運営面での技術サポートを行います。

バリアフリールート案内Webアプリ「Japan Walk Guide」提供を開始

1.背景

車いす利用者の方々に、安心して移動し、気軽にスポーツ観戦を楽しんでいただきたい。誰もがバリアを感じない暮らしやすい社会の実現に向けて、経済界協議会のかけ声のもと集まった約1,900名のボランティアが、札幌から伊豆まで、オリンピックスタジアムをはじめとした全国41のスポーツ大会競技場(図1)とその最寄り駅98駅周辺を対象にバリアフリー情報の収集を行っています。

図1: 周辺バリアフリー情報収集済み会場一覧 図1: 周辺バリアフリー情報収集済み会場一覧

NTTは、バリアフリー情報の収集ボランティアとしてだけでなく、バリアフリー情報通信技術「MaPiece※1」の提供など、情報通信を活用した技術協力を通じてこの活動を支援してきました。今回、NTTは、経済界協議会と国土交通省が収集したバリアフリー情報を活用し、エコモ財団の協力のもと、オリンピックスタジアムをはじめとしたスポーツ競技場を対象としたバリアフリールート案内Webアプリ「Japan Walk Guide」を開発しました。
 本Webアプリは、経済界協議会からスポーツ観戦をする観客および関係者向けのサービスとして、2021年7月13日から一部の会場、関係者に限定してサービス提供を開始しております。8月24日から開催されるスポーツイベントにおいては、競技ボランティアなどスポーツ大会関係者をはじめとした、車いす利用者の方々における本格的な活用が見込まれております。なお、本Webアプリは9月5日まで公開いたします(以降のアクセス・閲覧はできなくなりますので予めご了承下さい)。
 また、本Webアプリ情報は、とうきょうユニバーサルデザインナビ(運営:(公財)東京都福祉保健財団)の特設ページ(東京都福祉保健局提供)においても掲載されています。

「Japan Walk Guide」アクセスURL: https://transit.2020.ntt/当該ページを別ウィンドウで開きます

「Japan Walk Guide」アクセスURL: https://transit.2020.ntt/

2.Webアプリ概要

「Japan Walk Guide」(画面1)は、車いす利用者等の移動制約者に対して、最寄りのバス停や駅から競技場までの網羅的なバリアフリー情報をワンストップで提供するWebアプリです。本Webアプリでは、NTTのバリアフリー情報通信技術「MaPiece」を用いてボランティアの皆さんに収集いただいたバリアフリー地図情報を用いた駅−会場間の歩行ルート案内機能と、エコモ財団の「らくらくおでかけネット(Supported by 日本財団)※2」が提供する駅構内バリアフリー情報を含む乗り換え案内機能の2つの機能をシームレスに統合しています。例えば、駅・ターミナル構内のバリアフリー施設や、バリアフリー経路による乗り換え案内、競技場と最寄り駅間のバリアフリー徒歩ルート情報、多機能トイレなど周辺施設情報を一元的に確認できます。また、感染症対策としてニーズの高まった混雑回避の参考情報として、競技場最寄り駅の混雑情報を提供します。
 本Webアプリを利用していただくことで、通過可能なルートが分からず迷ってしまうリスクが低減します。さらに、少しでも混雑の少ない時間帯の駅を利用していただくなど、車いす利用者の方々が安心して移動できるよう、情報面での支援を行います。

(1)バリアフリー徒歩ルートを考慮した乗り換え検索

「らくらくおでかけネット」の駅構内バリアフリー情報を考慮した乗り換えルート検索について、競技場を目的地・出発地に指定して検索可能としました。検索結果画面(画面2)では、候補となる乗り換えルート上の徒歩距離、徒歩ルートのバリアフリー度を表示して、徒歩ルートのバリアフリーの状況を考慮したルート選定が可能となっています。

(2)徒歩ルート案内

競技場までのアクセシブルルート(バリアフリールート)情報を表示します。ルートの様子は傾斜や段差の有無など文字による情報のみでなく、オリンピック・パラリンピック等経済界協議会のボランティアが収集した現地の写真を見て事前に確認することができます。(画面3)

(3)周辺施設情報

会場~最寄り駅間のルート情報だけでなく、周辺の多機能トイレや案内所、休憩所など、移動の際に役に立つ施設情報も掲載しています。周辺のアクセシブルルート(バリアフリールート)情報も掲載しているので、会場~最寄り駅間のルートを外れた周辺の施設に行きたい場合に、利用ユーザの特性に応じた最適なルートを確認することが可能です。情報の間違いを見つけたら、○×ボタンで報告して、ボランティアに情報修正を依頼することもできます。利用者、ボランティアの協力により、さらに精度の高いバリアフリー地図としてレガシーにしてまいります。(画面4)

(4)駅混雑情報

車いす利用者は、駅の混雑時には駅構内の移動や電車へ乗ることが難しくなります。さらに、コロナ禍によって、感染症回避のため混雑を避けたいというニーズがさらに強まっています。Japan Walk Guideでは、鉄道会社(東京地下鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東京臨海高速鉄道株式会社)の協力のもと、株式会社NTTドコモが開発した、携帯電話基地局の運用情報を用いた人口統計情報とAIによる「駅の混雑予測情報」を提供します。(画面5)
 駅混雑情報は、車いす利用者に限らず、一般の方にも有益な情報としてお使いいただけます。

図2: Japan Walk Guideの画面イメージ 図2: Japan Walk Guideの画面イメージ

3.今後の展開

NTTは、本Webアプリの公開は期間中のアプリの利用だけでなく、それまでに醸成された市民ボランティアと車いす利用者の連携による成果の発信の場であると捉えています。自分たちでもバリアフリー情報収集・バリアフリー地図が作れるという意識改革、および、その後も更新し続ける文化の醸成など、レガシーとして今後定着に向けた意義があると考えます。
 また、NTTは、今回のWebアプリへの技術支援を通じてインクルーシブサービスのUI/UX評価を行い、今後の研究開発へとつなげます。今回のチャレンジを第一歩として、障がい者が安心して自立的に生活できるインクルーシブな社会の創造に貢献していきます。

※1バリアフリー情報通信技術「MaPiece」
 地図製作の専門知識をもたないボランティアでも、簡単に精度の高いナビゲーション用バリアフリー情報(国土交通省の「歩行空間ネットワークデータ等整備仕様」に準拠)を収集するための技術です。事前収集だけでなく、運用開始後の変更情報も利用者やボランティアから通知され、バリアフリー地図情報の最新化が常に図られる仕組みを提供します。「歩行空間ネットワークデータ等整備仕様」に準拠することにより、様々なサービスで汎用的に活用でき、今後のレガシーとして活用されることが期待されます。本サービス提供を契機にみんなでバリアフリー地図を作り、そしてみんなで更新していく、そんなインクルーシブな文化の醸成を目指します。
https://group.ntt/jp/newsrelease/2018/11/22/181122b.html

※2「らくらくおでかけネット(Supported by 日本財団)」
 高齢者、障害者等が、鉄道やバスなどの公共交通を円滑に利用できるようにするため、駅・ターミナル構内のバリアフリー施設、乗り換え案内等に関するバリアフリー情報を一元的に提供するサービスです。全国の交通事業者、交通施設管理者などの方々からのバリアフリーに関する情報を基に、エコモ財団が運営を行っています。
https://www.ecomo-rakuraku.jp/当該ページを別ウィンドウで開きます

オリンピック・パラリンピック等経済界協議会及び国土交通省も本件について同時に報道発表を実施

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
広報室
ntt-pr@ntt.com

ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。