「新たな価値の創造とグローバルサステナブル社会を支えるNTT」をめざすNTTグループにとって、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)は重要な経営戦略です。私たちは2023年5月に中期経営戦略を発表しましたが、その中でD&Iを新たな価値創造に必要な企業文化の土台として位置づけています。 近年お客様のニーズは多様化し、社会課題は複雑化し、技術進化のスピードは増しています。このため、社員一人ひとりがそれぞれ専門性を高め、異なる分野や異なる文化の知識や価値観を結びつけながら、イノベーションの創出に挑戦する必要があります。
そして意思決定の場において、多様性のあるメンバーが率直に意見を出し合うことで、同質的な組織が陥るリスクを乗り越えることができます。
NTTグループはDiversity & Inclusionを重要な経営戦略と位置づけ、社長自ら多様な価値観を受容する重要性を社内外へ発信しており、Diversity & Inclusionに向けた取組みを会社全体で推進しています。多様な人材が活躍できる環境づくりをNTTグループ全体で強化していくために、2007年に「ダイバーシティ推進室」をNTTに設置し、2008年4月までにダイバーシティ推進担当をグループ各社に配置しています。
このダイバーシティ推進室と各社のダイバーシティ推進担当が連携して、Diversity & Inclusion を推進するとともに、社員のワークインライフの実現やキャリア開発の支援、企業文化・風土の改革に向けた啓発活動を進めています。グループ各社とのダイバーシティ推進会議を定期的に開催し、各社の取組みを共有するとともに、役職ごとの女性比率や障がい者雇用状況などのダイバーシティ推進数値をもとに、NTTグループとしての今後の推進施策について議論しています。
また、ダイバーシティに関する取組みについては、取締役が出席する経営会議にて報告・議論を随時行い、全社的に推進しています。
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| 項目 | 2024年度目標値 | 2024年度実績値 | 2025年度目標値 |
|---|---|---|---|
⑮-1経験者採用率 ![]() |
モニタリングのため無し | 40.2% | モニタリングのため無し |
⑮-2外国籍・博士・高専卒の採用 ![]() |
モニタリングのため無し | 外国籍:34人 博士:38人 高専卒:40人 |
モニタリングのため無し |
| ⑮-3障がい者雇用率(2025年度より目標設定) | モニタリングのため無し | 2.57% | 法定雇用率(2.5%)以上 |
| ⑯-1女性の新任管理者登用率 | 30% | 28.3% | 30% |
| ⑯-2管理職に占める女性割合 | 15% | 13.1% | 15% |
| ⑯-3役員に占める女性割合 | 25-30% | 26.7% | 25-30% |
| ⑯-4PRIDE指標(LGBTQ浸透指標)獲得維持 | GOLD受賞 | GOLD受賞 | GOLD受賞 |
| ⑰-2男性育休取得率 | 100% | 120% | 100% |
⑮-1、⑮-2、⑯-1、⑯-2、⑯-4、⑰-2バウンダリ:NTT、NTTドコモ(NTTドコモビジネスを含む)、NTTデータグループ(NTTデータ、NTT Data, Inc.を含む)、NTT東日本、NTT西日本
⑯-3バウンダリ:NTT、NTTドコモ(NTTドコモビジネスを含む)、NTTデータグループ(NTTデータ、NTT Data, Inc.を含まず)、NTT東日本、NTT西日本
⑮-3バウンダリ:国内NTT連結子会社のうち常勤雇用者数40名以上の企業
NTTグループでは意思決定の場に多様な意見を取り入れるため、女性役員・女性管理者・新任女性管理者に対して目標値を設定しています。2024年6月には、女性役員比率は23.7%(対前年+2.7ポイント)となりました。また、2024年度実績として、女性新任管理者登用率は28.3%(対前年+0.4ポイント)、女性管理者比率は13.1%(対前年+1.3ポイント)でした。
多様性の確保については、経営中核人材への継続的な女性社員の輩出をめざし、"NTT University"において対象者の女性比率を30%以上確保しているほか、各階層の女性社員に対する研修、育児休職復帰者および上長向けの研修等を実施しています。
また、OFF-JTだけではなく、タフアサインメントを意識した人材配置等のOJTにも取組み、スキル・本人のマインド・経験の観点から女性社員の育成に取り組んでいます。
NTTグループでは、正規労働者(女性:97.5%/男性:97.1%)、非正規労働者(女性:2.5%/男性:2.9%)の構成となっています。
人事・給与制度において、性別による賃金の差異は設けていません。
正規雇用労働者の差異事由
正規雇用労働者においては、女性従業員に占める管理者比率が男性よりも低いため、男女の賃金差異が生じているものと分析しています。
| 女性 | 男性 | ||
|---|---|---|---|
| 正規労働者 | 97.5% | 97.1% | |
| 内管理職 | 14.9% | 32.3% | |
| 非正規労働者 | 2.5% | 2.9% | |
国際女性デー(3/8)に合わせて、治療との両立支援セミナーを開催しました。不妊治療、乳がん、PMS、男女の更年期障害など婦人科系の症状や、治療に関する知識の習得、及び、治療と仕事を両立させる上での悩みの解消を目的として、有識者の方に講演いただきました。
NTTグループは、2022年度より女性の活躍推進に積極的に取り組むための行動原則を示した「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」の趣旨に賛同し、同原則に基づき行動するためのステートメントに署名しています。また、企業の持続的成長を実現するために、役員に占める女性割合の向上を目的とした30% Club に加盟しています。
NTTグループでは、多様な採用活動を行っています。新卒採用が約60%、経験者採用が約40%となっています。また、新卒採用・経験者採用ともに社員の専門性や能力を勘案したグレード設定を行っています。
NTTグループを離職された人材(アルムナイ)を対象に、アルムナイコミュニティを運営しています。雇用に縛られない新たな関係性として、一緒に社会に価値を作り出していく仲間を増やすことを目的に、ワークショップ等の様々な活動を推進します。このような活動を通じて、 NTTグループの事業領域に囚われない新たな事業機会の創出やオープンイノベーションの推進を図ってまいります。
NTTグループでは、事業運営に多様な意見を反映させるため、外部人材(中途採用)の比率について、2023年度までに30%を目ざす目標を設定しました。
既にこの目標値を達成していますが、この水準を維持するため、今後も継続的なモニタリングを行ってまいります。
NTTグループは、社員のニーズや社会的要請などに対応するため、60歳の定年を迎えた社員の継続雇用制度を1999年から導入しています。さらに、NTTグループの今後の事業運営において限られた人材を最大限に活用していく観点から、希望者が最長65歳までライフスタイルに応じて働き、経験を生かせる業務で能力を発揮し続けられるよう、2013年に新たな継続雇用制度を導入しました。
育児、介護または配偶者の転勤などで退職した社員の中には、将来再びNTTグループで働きたいとの希望を持つ人も少なくありません。そうした要望に応えるとともに、在職中に蓄積した経験やスキルの有効活用を図るために、退職した社員の再採用制度を設けています。
この制度の対象となるのは、小学校3年生以下の子の育児や、家族の介護を行うため、またはパートナーの転勤、転職および結婚による転居にともない通勤が不可能となったため、やむを得ず退職した勤続年数3年以上の社員です。社員から再採用の申し出があった場合は面談や健康診断などを実施の上、再採用を決定します。
TOKYO RAINBOW PRIDEへの参加や日本ではじめての常設LGBTQ総合センター「プライドハウス東京」に協賛を行いました。
任意団体「work with PRIDE」が策定した、企業のLGBT等性的マイノリティに関する取組みを評価するPRIDE指標2024において、NTTグループ23社が最高位の「ゴールド」に認定されました。なお、NTTにおけるゴールドの受賞は2016年から9年連続となります。
制度・福利厚生の充実
性的指向や性自認にかかわらず、誰もが自分らしく生き、働くことができる組織、社会の実現をめざして、2016年には重要なライフイベントにかかわる「結婚休暇」「忌引休暇」「慶弔金」「慶弔電報の発信」について、同性のパートナーにも適用。2018年には各種手当や福利厚生など、配偶者およびその家族に関わる制度全般を同性のパートナーにも適用しました。
理解醸成に向けた取組み
新任管理者に対して、LGBTQの理解促進と正しい知識を習得することを目的としてLGBTQ当事者による研修を毎年実施しています。
また、LGBTQのサポートを表明するALLYのイベントも定期的に開催しており、2024年度は、LGBTQ当事者の講演会やパネルディスカッションなどを含むALLY交流イベントを実施し、NTTグループ内から約400名が参加をしました。
NTTグループでは、障がいのある方々の積極的な採用と活躍の場の拡大に取り組んでいます。
現在NTTグループで働く障がいのある社員は合計約4,500人で、うち約1,100人が特例子会社で働いています。2025年6月の障がい者雇用率は、グループ全体で2.62%(対前年+0.05ポイント)と、法定雇用率2.5%を上回っています。
障がいのある社員の活躍に向けては、当事者交流会を開催したり障がいのある社員が講師となる研修を実施するなど、当事者が主体となった取組みを展開しています。
NTTグループの特例子会社(4社)
NTTは、遠隔操作型分身ロボット「OriHime-D」を活用した障がい者による受付業務を2020年7月に本格導入しました。さらに、障がい者活躍推進、リモートワールドにおけるビジネス対応力の強化をめざし、 2020年10月、オリィ研究所と資本業務提携を実施しました。資本業務提携を通じ、NTTグループが保有する研究開発力や、オリィ研究所の遠隔操作型分身ロボット「OriHime」をはじめとした高い商品開発力などの両社のリソースを組み合わせることで、 体が不自由な方や、外出困難な方の雇用と活躍の場のさらなる拡大とリモートワールドに対応した取組みを推進していきます。
NTTグループでは、障害のある方が遠隔操作するOriHimeを活用し、本社受付での受付業務(OriHimeによる来訪者の会議室への先導、問い合わせへの応答)をはじめ、ショールームやイベントでの案内業務、オリィ研究所が2021年にオープンした分身ロボットカフェDAWNでは、体が不自由な方の社会進出を支えるナチュラルなコミュニケーションの実現に向け、ローカル5Gと通信品質制御技術を用いた遠隔ロボット操作の実証実験を行うなど、さまざまな取組みを行っています。
2019年12月に障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアティブ「The Valuable500」に加盟しました。また、翌2020年12月には、対象地域をグローバルに拡大いたしました。
健康や育児・介護などに関わる社員ニーズは変化していることから、これまで以上に働きやすい環境を整備していくために、従来の福利厚生メニューを2018年に大幅に見直し、「NTTベネフィット・パッケージ」として、育児・介護に関わる各種支援メニューを充実させました。具体的には、居住地に合った保活支援等を実施する「育児コンシェルジュ」を導入したほか、各種育児補助金などのサービスも大きく充実させています。また、介護については、ケアマネージャーのマッチングを含め各種介護の相談に応える「介護コンシェルジュ」も新設しました。
育児においては、従業員が望むタイミングで復職できるよう、企業主導型保育園や事業所内託児所、授乳・搾乳施設を設置しています。 その他、厚生労働省による「仕事と介護を両立できる職場環境」の整備促進のためのシンボルマーク(愛称「トモニン」)を活用し、NTTの取組みをアピールするとともに、仕事と介護を両立できる環境づくりを進めています。
"大介護時代"の到来を見据えて、仕事と介護を両立できる職場環境づくりを進めていくため、グループ各社で介護勉強会などを開催しています。社員の関心が高く、参加者も多い傾向にあり、今後も開催していく予定です。
また、介護休暇や介護による短期休暇を認めるなどのほか、ライフプランに関する事由であれば目的を定めないライフプラン休暇制度を設けるなど、介護と仕事を両立をしやすい環境を整えています。
NTTでは、男性の育児休職等取得率※100%を目標としています。2024年度の実績は、120%と目標を達成しました。ワークインライフの実現に向け、積極的な育児参加に向けたガイドラインを策定・動画配信を実施したほか、上長と本人のコミュニケーション促進を目的としたコミュニケーションハンドブックを作成し、グループ各社に展開をしています。また、グループ横断で、育児と仕事との両立セミナーの開催や、男性育休を取得した先輩社員の体験談を発信するなど、育休取得促進施策を進めています。
※育児休業・育児事由休暇を含む
NTTグループは、社員向けの「育児・介護支援Webサイト」を設け、各種制度の内容や利用方法に加え、実際に育児と介護を両立している社員の体験談を紹介するなど、さまざまな情報を発信しています。
その他、支援ツールとして、制度説明用面談シート・マニュアル制定やライフイベントごとに必要な手続き等が網羅された「コミュニケーションハンドブック」を改訂、育休取得に向けたポスターの作製等の取組みを行っています。社員が育児のための休暇を取得しやすい制度・環境づくりに努めています。
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