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2023年8月25日

第10回サステナビリティカンファレンス
最優秀賞を受賞した3施策を紹介(前編)

2023年6月12日、パレスホテル東京(東京・千代田区)にて、第10回NTTグループサステナビリティカンファレンス表彰式を行いました。国内外のNTTグループ各社より応募のあった全113件の施策の中から、6施策が最優秀賞に輝きました。

今回はその最優秀賞を受賞した6施策の中から、3つの施策を取り上げます。どのような施策でどのようなところが評価されたのか。また今後どのような展開を計画しているのか。企業が成長しながら社会課題も解決する「サステナビリティ」を追求するNTTグループの3社の取り組みをご紹介します。

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画像:第10回サステナビリティカンファレンス 最優秀賞を受賞した3施策を紹介(前編)

1) ドローンを活用した医療用品サプライチェーンの構築 ~人命救助と雇用創出を実現するマラウイでの挑戦~

施策を実施したのは、NTTデータのグループ会社でありSAPソリューションの導入支援に強みを持つNTT DATA Business Solutions。アフリカ大陸南東部に位置するマラウイ共和国(以下、マラウイ)ではこれまで、道路インフラの未整備などにより、医療品センターから診療所などへの医療品輸送に丸一日かかっていました。

この問題を解決するため、同社はアフリカ東部のマラウイに高性能ドローン「Wingcopter(ウイングコプター)」を活用した医療サプライチェーンを構築。100種類以上の医療用品を約20分で現地調達を可能にする仕組みを実現しました。また現地の若者を「Wingcopter」のドローンパイロットに育成することで、雇用機会の創出しており、「命を救う」「命を向上させる」という2つの側面で社会課題の解決に貢献しました。

この施策が評価されたポイントは、クラウドが提供する新しいデジタルロジスティックプラットフォームを介して、「Wingcopter」のデジタル機能が拡張されたこと。ドローンにより、100種類以上の医療用品を約20分で現地調達が可能になったこと、ドローンパイロットの育成を通じ、現地の若者の雇用創出にも貢献していること、さらにNTTグループの事業との親和性の高さが評価されました。

今後、同社では通常の交通手段が難しい場所の食料配達を含めたサービスの展開を構想しています。

2) AIによるリサイクルパーク利便性(UX)の向上 ~コンテナ充填率リアルタイム検出を通じたスマートサイクルソリューションの実現~

画像:2) AIによるリサイクルパーク利便性(UX)の向上 ~コンテナ充填率リアルタイム検出を通じたスマートサイクルソリューションの実現~

施策を実施したのは、NTT Ltd.(ベルギー)です。同施策はAI技術を活用することで、リアルタイムでごみの量を読み取り、過去データと合わせて分析することで、リサイクル容器の取り出しと回収の最適なタイミングを予測が可能になります。これまでのようにコンテナが満杯でゴミが捨てられないといったことがなくなり、人々がストレスなくリサイクルパークを利用することができるようになるとともに、路上や自然の中にゴミを捨てるという行為の防止にもつながりました。

さらに回収トラックの燃料費とCO2排出量を最小限に抑えることも可能になっていること。つまり、この施策の評価ポイントは、NTTによるコンテナ検出・監視AI技術を組み込むことで、リアルタイムでごみの量を読み取り、過去データを合わせて分析し、コンテナ交換を最適なタイミングで予測する仕組みを作ったことです。それにより、街の人々の利便性向上や不法投棄防止のみならず、回収トラックの燃料費とCO2排出量を最小限に抑えることにも成功しています。

今後、同社では他のエリアや産業にも適用し、資源配分の改善、運用区立の向上、環境負荷の削減に貢献することを目指しています。

3) 森林・林業DXによるカーボンニュートラル社会の実現 ~資源循環型社会の実現~

画像:3) 森林・林業DXによるカーボンニュートラル社会の実現 ~資源循環型社会の実現~

施策を実施したのは、NTT西日本。現在日本では、国土の3分の2を森林が占めています。その約6割が10ha未満の民林地で、その半分が伐採適齢期を迎えています。昨今の林業の担い手不足やウッドショックなどの木材供給の安全保障の問題により、「伐る、使う、植える、育てる」という森林の健全なライフサイクルが循環しないことが課題となっています。そこでNTT西日本はドローンや人工衛星を使った計測、AI解析により、木の本数や種類、資産価値、CO2吸収量など森林のさまざまな情報をデータ化しスマホやタブレットで見ることができる「森林クラウド」アプリを提供しました。これにより森林調査の稼働を従来の30分の1に省力することが実現。また森林が地域にとっての資産になることに加え、山林所有者と素材生産者などが原木市場を介さずにクラウドでつながることで、一般の木材市場より約2%高い価格での取引が成立。国産材の安定供給と利用促進に貢献するとともに、カーボンクレジット収益を「豊かな森づくり」に還元させることで、地域と企業のカーボンニュートラルの実現にも貢献します。カーボンクレジット収益は約3億円相当が見込まれています。

この施策の評価ポイントは、森林供給側と地方銀行や企業などを森林クラウドによってつなげることで、各プレイヤーの課題を解消し、かつカーボンクレジットにも貢献できる点です。ジャパンインフラウェイマークの高精細なドローンによる計測技術、NTTインフラネットのAI解析技術など、NTTグループの技術やノウハウを駆使している点も評価されました。

今後も森林・林業DXを展開することで。「人・資金」技術」が貫流する資源循環型社会をめざします。

4) 未来に向けサステナビリティの実現をめざす

NTTグループは、今年5月に中期経営戦略『New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN』を発表しました。この戦略に基づき、同グループでは新たな価値創造と地球のサステナビリティの実現をめざし、さまざまな取り組みを進めています。

次回は最優秀賞を受賞した6施策のうち、今回ご紹介していない3施策について、施策の概要と評価のポイントを紹介いたします。いずれの施策も、パートナーシップの力を活用しながら複雑な課題解決に挑んでおり、ビジネスパーソンに多くのヒントを与えるものになっています。ご期待ください。

最優秀施策を発表!第10回NTTグループサステナビリティカンファレンス
https://group.ntt/jp/magazine/blog/conferences_10th/

ニュースリリース
「第10回NTTグループサステナビリティカンファレンス」表彰式の開催について~Innovating a Sustainable Future for People and Planetに向けて~
https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/06/12/230612a.html

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
広報室
ntt-pr@ntt.com

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