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2023年9月14日

第10回サステナビリティカンファレンス
受賞施策を紹介(後編)

前回に引き続き、第10回NTTグループサステナビリティカンファレンスで最優秀賞を受賞した3社の施策を取り上げます。
 今回は漁業DX、最適在庫予測を活用した医薬調達の最適化、BOPセンタのカーボンニュートラル化というように、いずれもビジネスとサステナビリティの両立にチャレンジした先進的かつ画期的な施策となっています。各施策の概要と評価されたポイント、今後の展望などについて紹介いたします。

各施策の概要と評価のポイントについて解説します。

<全3回の第3回/第1回第2回へ>

画像:第10回サステナビリティカンファレンス 受賞施策を紹介(後編)

1) 漁業DXと鮮度可視化によるサステナブルな漁業支援の実現~地域密着型漁業DXによるISUMIモデルの展開~

画像:1) 漁業DXと鮮度可視化によるサステナブルな漁業支援の実現~地域密着型漁業DXによるISUMIモデルの展開~

施策を実施したNTT東日本-南関東は、千葉県いすみ市において、
1)産官学民金の連携スキーム
2)地域課題・社会課題の顕在化スキーム
3)ICTを活用し課題解決に取り組む『地域商社』の人材育成スキーム
を組み合わせた「ISUMIモデル」を構築しました。地域密着型の課題解決を図るため現場でヒアリングを行い、課題として上がったひとつの取り組みが魚価向上と漁業者所得の向上でした。そこで同社は水温・水量統一コンテナ使用による氷使用量の削減、水温・塩分濃度センサーによる鮮度向上・入札時間前倒し、フォークリフト計量による軽量作業削減、販売管理システムによる集計業務削減等を導入、魚価価値向上や漁業業務DX化に向けた支援をしています。

さらに北海道大学で開発された食用動物の鮮度と食べ頃の可視化装置「MIRASAL(見らさる)」とNTTが独自開発した鮮度の可視化技術を活用することで、鮮度の可視化を実現。これにより、ロス削減と収益性の高い加工・販売が可能なしくみを構築しました。「MIRASAL」を活用したしくみは、粗利率10%程度を実現する事が出来るという試算がなされています。

同施策が評価されたポイントの第一は、「ISUMIモデル」を構築し、マーケットイン型・現場密着型で課題を抽出したうえで、魚の価値、漁業収入の向上が期待できるアナログ業務のDX化を図ったこと。第二に「MIRASAL」とNTTの独自技術により鮮度を見える化することで、ロス削減と収益性の高い加工・販売が可能にするしくみを構築したことです。

今後は、全国の地域課題社会課題解決へより一層貢献できるよう、「ISUMIモデル」の社会実装・全国展開をめざします。

2) 最適在庫予測モデルによる過不足のない医薬調達システムの実現

画像:2) 最適在庫予測モデルによる過不足のない医薬調達システムの実現

施策を実施したのは、インドでコンサルティング・ITサービスを展開しているNTT Nihilentとイスラエルのエコシステムに対するNTTの戦略的拠点NTT Innovation Laboratory Israel(以下、NTT Lab Israel)。
 使用期限に達した医薬品の廃棄は、医薬品が無駄になるだけではなく、重大な環境問題を起こすリスクがあるため、適切に医薬品を管理・使用しておくことが重要な課題となっています。そこでNTT NihilentとNTT Lab Israelはイスラエルのシュナイダー小児病院や薬局サービス等と連携し、NTTが独自開発した「購入数量」と「廃棄数量」から「一定期間における医薬品の利用状況」を導くアルゴリズムを提供しました。これにより医薬品最適在庫予測を可能とし、使用期限に達した医薬品の廃棄による環境汚染、および年間最大3万8354米ドル相当の旧在庫の損失を削減できるシステムを実現しました。

同施策が評価されたポイントは、NTTが独自開発した「一定期間における医薬品の利用状況」を導くアルゴリズムの適用により、医薬品の最適在庫予測を可能にし、医薬品の廃棄による環境汚染や旧在庫損失の大幅な削減に貢献したことです。
 今後、本格的なサービス運用をめざすと共に、シュナイダー小児病院全体へはもちろん、近隣の病院、さらにはイスラエル内外の医療システム全体へと活用の範囲を拡げていくことが期待されます。

3) エネルギー自給自足の新たな形~オンサイトPPAを活用した"官民一体×地産地消"のGreen BPOセンタ~

画像:3) エネルギー自給自足の新たな形~オンサイトPPA※を活用した"官民一体×地産地消"のGreen BPOセンタ~

施策を実施したのはNTTデータ。同施策により、沖縄県内最大のIT企業集積エリア「沖縄IT津梁パーク」(沖縄県うるま市)でNTTデータグループがBPO事業を展開する2棟の建物(BPOセンタ)で使用する電力のカーボンニュートラル化を実現しました。
 カーボンニュートラル化の具体的な方法としては、おきでんグループが提供するオンサイトPPAモデルによる太陽光発電設備の設置と、沖縄県内の資源に由来する非化石証書を用いて電気のCO2排出量を実質ゼロとする電力料金メニュー「うちな~CO2 フリーメニュー」を併用。これにより地産地消でのカーボンニュートラルを実現しています。ちなみにうちな~CO2フリーメニューの提供者は太陽光や風力等、沖縄の自然の力を利用した発電事業者、県内で発生した建築廃材等を有効活用した木質ペレットの混焼によるバイオマス発電事業者です。

同施策が評価されたポイントの第一は、国内唯一の島しょ型県として他からの電力融通が難しい地理的条件を乗り越え、官民連携により地産地消のカーボンニュートラルなBPOセンタを構築し、島しょ型エネルギーの形を実現したこと。第二は、NTTデータのファシリティ専門集団としてのファシリティマネジメント事業部の力を発揮している点です。

2030年、データセンタカーボンニュートラル実現に向け、NTTデータグループでは建築・電気・環境等の国家資格を保有する総勢160人超のユニークなファシリティ専門部隊を駆使し、建物の計画・設計・構築・運用まで一気通貫で携わる大胆なエネルギー調達を進め、環境負荷の低減をめざしていきます。

発電事業者が敷地内に太陽光発電設備を発電事業者の費用により設置し、発電設備から発電された電気、維持管理をした上で、所有・維持管理は需要家が行う仕組み

4) 新たな価値創造と持続可能な社会の実現をめざして

今年5月に発表した中期経営戦略『New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN』の基本的な考え方は、「NTTは挑戦し続けます。新たな価値創造と地球のサステナビリティのために。」です。この考えに基づき、NTTグループでは、前回、今回の2回にわたり紹介した6施策のように、地域や社会、さらには地球に貢献できるさまざまな取り組みを進めています。
 来年のNTTグループサステナビリティカンファレンス表彰式ではどの企業のどのような施策が最優秀賞を受賞するのでしょうか。これからもご期待ください。

最優秀施策を発表!第10回NTTグループサステナビリティカンファレンス
https://group.ntt/jp/magazine/blog/conferences_10th/

第10回サステナビリティカンファレンス最優秀賞を受賞した3施策を紹介(前編)
https://group.ntt/jp/magazine/blog/conferences_10th_report01/

ニュースリリース
「第10回NTTグループサステナビリティカンファレンス」表彰式の開催について~Innovating a Sustainable Future for People and Planetに向けて~
https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/06/12/230612a.html

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

日本電信電話株式会社
広報室
ntt-pr@ntt.com

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