パビリオンのまわりを包む白い幕は、風にゆられ、光をうけてうすく透けるような素材でできています。只のデザインかと思いきや、実はここに「未来のつながり」のヒントが隠されています。
建物の中では、来場者の表情や動きをカメラがとらえ、その変化をAIがリアルタイムで分析します。そして、感情の動きにあわせて、外側の幕がゆらぎ、パビリオン内の盛り上がりを感じられる仕掛けになっているのです。
特派員のひとりは、「中の人の気持ちが外に伝わるって、不思議だけどちょっとわかるかも」と話していました。建物の外にいながら、中の空気を感じとる体験は、ふだんの建物ではなかなかできないこと。みなさんもぜひ、注目してみてください。
NTTパビリオンは、「使い終わったら捨てる」という考え方ではなく、使い終えたあとに、どう自然にかえっていけるかまでデザインされています。
たとえば、建物を包む白い布は分解性のある素材で、土にかえすことができます。
また、建物を支えるための大きな柱は使わず、3つの展示ゾーンをワイヤーで引っぱりあげるようにして支える、テントのような仕組みが採用されています。この設計により、建築資材として多く使われる鋼材を減らすことができ、CO₂の排出量もおさえることができるのです。建物を「作るとき」から「使い終わったあと」まで、すべてのステップで地球へのやさしさを考えた構造になっています。
説明を聞いた特派員からは、「建物って、終わったらこわすものだと思ってた。自然にかえっていくのはすごい」という声もありました。
建てるだけじゃなく、その先のことまでちゃんと考えることが、未来の建てかたなのかもしれません。
NTTパビリオンの最後には、ひとつの参加体験があります。それは、自分の未来を思い浮かべて、気持ちにぴったりな色の布を選び、建物の外側にあるワイヤーに結びつけるというものです。選ばれた布は風にゆれ、たくさんの色が重なりながら、建物の外観をつくっていきます。日がたつごとに色はふえ、見た目はすこしずつ変化していきます。
「自分の選んだ色が、建物の一部になって残るってうれしい」と、ある特派員は目を輝かせて話していました。ひとつの建物を、みんなの手で育てていく。その実感が、この体験にはありました。
来場者ひとりひとりの手で、すこしずつ完成していくパビリオン。訪れた際はぜひ、あなたの想いもここに託してください。
NTTパビリオンは、展示の中身だけでなく、建物そのものが「未来への答え」のひとつになっています。人と人がもっと自然に繋がること。地球のことをちゃんと考えて行動すること。そして、誰かといっしょに作っていく未来。このパビリオンは、そうした“未来の当たりまえ”を、わたしたちに先まわりして見せてくれる存在かもしれません。