まずゾーン1では、手紙や電話からスマートフォンまで、時代とともに進化してきたコミュニケーションの歴史を映像でふりかえります。「つながる手段」はどんどん便利になってきたけれど、「本当に気持ちは届いているのかな?」と、考えさせられる内容でもありました。SNSやメッセージアプリのような今の手段にも、どこか伝えきれないもどかしさが残っている。そんな感覚を持った特派員もいたようです。
「話しはできるけど、気持ちまで伝わっているのかな…?」
そうつぶやいた特派員の声が、次のゾーンへの大事な問いになりました。
ゾーン 2では、音楽ユニット「Perfume」のライブパフォーマンスを通じて、“その場にいっしょにいる”ような感覚を体験します。ステージは3Dで立体的に再現された映像になっており、まるでパフォーマーが目の前に立っているよう。足元からは振動が伝わってきて、ただ「見る・聞く」だけでなく、「感じる」体験ができるようになっています。
これを可能にしたのが、NTTが開発を進めるIOWNの空間伝送技術。人と人のあいだにある距離をなくすのではなく、その場の空気や気配ごと届けるという発想です。
特派員のひとりは、「ライブ会場に行ったことないけど、本当にいるみたいだった」と驚いていました。
未来のコミュニケーションでは、五感ごとつながることが当たり前になるかもしれません。
ゾーン3では、撮影した自分の姿がスクリーンに「アナザーミー」として投影されます。撮影したばかりの画像が、すぐ目の前のバーチャルの世界に現れ音楽に合わせて踊ったり歌ったりする珍しい体験にコミュニケーションの未来や可能性を感じました。
声だけじゃない、
ふれあうコミュニケーション
「ふれあう伝話」
パビリオンの外には、少しユニークな体験コーナーがあります。それが「ふれあう伝話」。
映像と音声に加えて触覚・振動を送り合うことができ、相手のドキドキや、ふれたときの感覚が伝わってくる新たな通信体験です。声や映像で情報を伝えるだけでなく、気持ちを届ける技術とはどういうものか。人と人がふれあう瞬間をリアルに感じられるような、不思議な感覚が広がります。「電話って“聞こえるだけだったけど、伝わるってこういうことかも」特派員のひとりが、そうつぶやいたのが印象的でした。
NTTパビリオンでは、「離れていても、そばにいるようなつながり」がどう生まれるかを、体験を通じて感じとることができます。ただの展示ではなく、自分の体と気持ちを使って「これからのつながり方」を探る、そんなパラレルトラベルでした。
未来のつながりは、もっとやさしく、もっと豊かになるかもしれません。