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自然(地球)との共生 「CO2排出削減」を掲げ電気事業に参入したNTTドコモ 株式会社NTTドコモ ライフスタイルイノベーション部 三浦史子

持続可能な社会の実現に向けて、NTTグループではSelf as We (「われわれ」としての「わたし」)という考え方を掲げています。自分だけでなく周囲の人間もSelfとして考える。人間だけでなく自然も文化もSelfと捉える――「自己」の視点だけでは解決できない社会課題を「利他」の視点を持つことで解決していけるのではないか。特集Team Self as Weでは、そんな思いを共有し、プロジェクトに取り組む社員たちをご紹介します。第3回は、電力事業を通じてCO2排出量削減を目指す、NTTドコモの三浦 史子さんです。

「ドコモでんきGreen」でカーボンニュートラル早期実現へ

2016年4月から始まった全面的な電力小売自由化によって、生活者は自らのライフスタイルや価値観に応じて電力事業者を選択できるようになりました。これに伴い、2022年3月にNTTドコモは電力事業「ドコモでんき」を開始しました。

「電気はどこの事業者と契約しても、電球の明るさが変わるわけではないですよね。電気に味がついていたり、匂いがついていたりするわけでもありません。世の中に多くの電力会社がある中で、NTTドコモとして電力事業に参入するのであれば、そこに意義や他社とは別の新たな提供価値を考えなければいけないと思っていました。
NTTドコモの『ドコモでんきGreen』は再生可能エネルギーを活用した『CO2排出量実質ゼロ』のクリーンな電力プランです。『ドコモでんきGreen』がきっかけとなり、カーボンニュートラルの早期実現につながればと考えています」(三浦史子、以下同)

移動体通信事業を主力とするNTTドコモのプロジェクトメンバーにとって、初の電力事業の立ち上げは苦労の多いものだったそうです。

「とにかく、私がやりたかった」、ドコモ初の電気事業

現在は約80名のメンバーで構成される「ドコモでんき」。しかし、事業の立ち上げ期はビジネスクリエーション部(現在のライフスタイルイノベーション部)の約10名のみで、ほぼ全員が他の業務との兼務でした。

「当時、私は地方創生を担当する部署での業務と兼務で『ドコモでんき』の立ち上げに関わりました。コロナ禍での立ち上げだったので、他のメンバーと直に対面できない中でのスタートでした。 電気通信事業法ではなく、電気事業法という全く専門外の法律に基づいて事業を行わなければならなかったり、省庁の管轄も総務省ではなく経済産業省の資源エネルギー庁だったり、初めてのことだらけ。でも、とにかくプロジェクトは進めなければいけません。自分たちも勉強しながら、分からないなりに必死で取り組みました」

手探りでの電力事業の立ち上げ。その中でCO2排出量実質ゼロの「ドコモでんき Green」に行き着いたのは「とにかく、私がやりたかった」と語る三浦さんをはじめとする、プロジェクトメンバーの思いからでした。

地方創生に関する業務に携わる中でサステナビリティに関する講義を担当するなど、さまざまな社会課題と向き合ってきたという三浦さん。「ドコモでんき」が事業化する以前にもバイオマス発電の新規事業を検討したことがあるそうです。「ドコモでんき Green」に対しても並々ならぬ強い思いで臨んでいました。

地球環境への関心が高くない人にも選ばれる仕組みづくりを

しかし「CO2排出量実質ゼロ」というコンセプトが決まってから、文献を読んだり、利用意向を調査したりしているうちに、必ずしも地球環境に興味がある人ばかりではないことが分かりました。それから、三浦さんはどうすればお客さまに「ドコモでんき Green」を受け入れてもらえるのか、考え続けていたそうです。

「端的に言えば『ドコモでんき Green』の特徴はCO2排出量実質ゼロで『地球環境に良い』ということです。でも私は、企業の『地球環境に良い』という発信をお客さまが受け入れてくれるのか疑問でした。また、NTTドコモが地球環境に良いことをしていると知っていただくのが主たる目的でもないと思っています。
だからこそ、お客さまが地球環境に良いものを自然に選べる仕組みが重要だと思ったんです。極端な話、お客さまが無意識にでも環境に良いサービスを選んでくだされば、それが再生可能エネルギーだと知らなくても良いわけです」

地球環境に良いからサービスを選ぶのではなく、選んだサービスが結果的に地球環境に良かった、となる仕組みを作る。それを実現するためにプロジェクトメンバーが出した結論が、NTTドコモが提供するポイントサービス「dポイント」を最大限に活用することでした。

「『ドコモでんき Green』はCO2排出量実質ゼロであることに加えて、対象の料金プランをご契約等、条件を満たせば、電気料金の最大10%がdポイントで還元されるプランです。『地球環境に良い』ということだけでなく、経済的なメリットを前面に打ち出すことで、地球環境への関心が低いお客さまからも自然と選んでいただけるような商品設計にしています。 世の中には地球環境への関心があるお客さまもいれば、ないお客さまもいます。関心がない方たちの意識を変えるって私は難しいと思うし、ちょっとおこがましいですよね。だから、意識が変わらなくても行動が変わるようにできたら良いなと思うんです」

ドコモでんきの普及=環境貢献という実感が力を与えてくれる

お客さまの日々の暮らしと地球環境を自然な形でつなげる役割を果たすドコモでんき。その背景には、暮らしと地球環境と事業を広い視野で捉え、ひとつなぎに考える、三浦さんのSelf as Weな考え方があります。

「日々の暮らしを便利にすることも地球環境を守ることも、どちらも大切なこと。『ドコモでんきGreen』はその両方を尊重して考えたサービスです。地球環境に関心がない人にも届くくらい、事業をスケールアップさせていく。それが、NTTドコモのような大企業といわれる会社の役目だと思うんです。個人でも地球環境のためにできることはたくさんあるけれど、大企業だからこそできることもあります。
再エネに関する業務をやりたいという思いも実現できていますし、それを売ることで世の中が良くなるときちんと心から信じられるプロダクト、サービスなので、販売することに対してストレスがない。それを広めていきたいという思いでやっています。やればやるほど、普及させればさせるほど環境貢献になるというのがモチベーションになっています。
『ドコモでんき』はまだ始まったばかりのよちよち歩きのサービスです。私自身が本当に良いサービスだと思っているので、是非このサービスを世の中の人にもっと知っていただけるように広げていきたいと思います」