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Social Challenge 5
デジタルの力で新たな未来を

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なぜ取組むのか

近年、世界人口の急増や自然災害の巨大化をはじめ、食糧・環境問題の深刻化、日本においては少子高齢化にともなう生産年齢人口の急減、人手不足など、さまざまな社会的課題が顕在化しています。それらの課題を解決するためには、社会・経済の大きな変革が求められており、あらゆる場面でICT(情報通信技術)を活用したデジタルトランスフォーメーションの推進が必要となっています。

何を成し遂げるか

デジタルトランスフォーメーションを牽引し日本における少子高齢化、教育、健康・医療、地方活性化など各国固有に存在する社会課題の解決に貢献し、次世代につなぐ新たな価値を創造してまいります。

将来的な展望・見通し

私たちNTTグループは、民主的で多様な文化を認め合いながら発展する社会と価値創造に貢献するために、あらゆる人・モノ・文化(国~集団・社会)を高い倫理観とデジタルの力でつなぎ社会課題の解決に貢献してまいります。

Business Activity 16
B2B2Xモデルの推進

コミットメント内容

デジタルトランスフォーメーションを牽引し日本における少子高齢化、教育、健康・医療、地方活性化など各国固有に存在する社会課題の解決に貢献し、次世代につなぐ新たな価値を創造してまいります。

具体的目標

B2B2X収益額
2023年度:8,700億円

方針・考え方

近年、世界人口の急増や自然災害の巨大化をはじめ、食糧・環境問題の深刻化、日本においては少子高齢化にともなう生産年齢人口の急減、人手不足など、さまざまな社会的課題が顕在化しています。それらの課題を解決するためには、社会・経済の大きな変革が求められており、あらゆる場面でICT(情報通信技術)を活用したデジタルトランスフォーメーションの推進が必要となっています。

NTTグループは、これまでも異業種の企業や自治体とコラボレーションする研究開発やICT基盤、人材などさまざまな経営資源や能力を活用しながら、デジタルトランスフォーメーションを推進し、社会的課題を解決してきました。

また、グループ横断での事例展開を目的とした社内カンファレンスの開催(2023年2月22日)を行い、オールNTTグループで本取組みを推進しております。

推進体制

NTTグループでは、「B2B2Xモデルの推進」を中期経営戦略の柱のひとつとして掲げるとともに、グループの連携を図りながらプロジェクトを拡大するために社長を委員長とするマーケティング戦略委員会を設置し運営しています。

また、定期的に開催される取締役会においても今後の展開についての議論を深めており、株主総会にその進捗を報告しています。

B2B2Xモデルとは

B2B2Xは、さまざまなパートナーと連携して、新たな価値の創造をめざし、社会的課題の解決をめざす事業モデルです。

パートナーのみなさまが持つ、各業界の知見や顧客基盤と、NTTグループが持つ「デジタルサービス」や「データマネジメント技術」を組み合わせることで、パートナーのお客さま(ユーザ)に新しい価値を提供することをめざした事業です。

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B2B2Xビジネスの展開

①産業バリューチェーンの進化、②顧客対応の進化、③モバイルデータの活用、④地域に根差したサービス・街づくりなどの分野において、オールNTTグループでの取組みとして展開しております。

活動事例紹介

スリープテックを活用した企業の健康経営支援サービスの提供

最先端の睡眠医学の知見を有する株式会社ブレインスリープ(以下、「ブレインスリープ」)とICT技術に関する高度な知見・ノウハウを有する東日本電信電話株式会社および株式会社NTT DXパートナー(以下、「NTT東日本グループ」)とパートナーシップ契約を結びスリープテック事業への取り組みを開始いたしました(2022年6月1日)。

企業の健康経営に対する関心が高まるなか、企業の生産性を図る指標の1つとしてプレゼンティーズム(病休するほどではないが生産性が低下している状態)が注目されております。このプレゼンティーズムは睡眠と深く関連しており、従業員の生産性向上には質の高い睡眠が必要であると言われています。

NTT東日本グループならびブレインスリープは、企業向けの睡眠状態の可視化および改善を⽬的とした「睡眠偏差値 for Biz」および測定デバイス「ブレインスリープ コイン」サービス の提供開始し、従業員の睡眠改善にすぐに取り組むことがで きるよう従業員の睡眠の質の診断から睡眠改善コンテンツまでパッケージングして展開し、企業の従業員の睡眠の質の向上によるプレゼンティーズム解消をサポートしております。

また、睡眠課題解消に対してさまざまな企業が共同で睡眠改善に資する新規事業創出やサービス開発、イベントを企画する仮想コミュニティ"Sleep Network Hub 「ZAKONE」(https://zakone.jp)"を2022年9月3日にグランドオープンし、新たに睡眠市場に参入したい企業や既に睡眠市場で活動している企業の共創による更なる睡眠市場発展を目的とした仮想コミュニティを開設し、睡眠課題に関する新しいイノベーション創出に取り組んでおり、2023年8月時点で68社と国内最大級の睡眠企業コミュニティへ成長しています。

NTT東日本グループは人間の生活インフラでもある睡眠をテクノロジーを活用して課題を解消していくことで、地域企業や地域社会の更なる発展に向けて、企業活動や社会活動の基本となる⼈々の健康増進にから寄与してまいります。

※1 Ishibashi, Y., & Shimura, A. (2020). Association between work productivity and sleep health: A cross-sectional study in Japan. Sleep Health. https://doi.org/10.1016/j.sleh.2020.02.016

活動事例紹介

臨床試験の評価精度向上を実現するデータ収集サービス
「SmartPRO®」の提供を開始

「SmartPRO®」(以下 本サービス)を2022年5月20日より提供開始いたしました。本サービスは、被験者や患者から直接得られる主観的評価(以下PRO※1)を電子化し、被験者や患者が自身のスマートフォンから「痛い」「気分が悪い」などの状態を回答できるePRO※2です。製薬会社や研究機関は、被験者や患者のPROを、本サービス上で閲覧することやダウンロードすることが可能です。なお、本サービスにおいて被験者や患者が、臨床試験後も健康に関するあらゆるデータを記録できる日誌機能を、2022年度内に提供予定です。また本サービスで収集したデータを安心・安全に利活用することで、被験者や患者のQOL向上に貢献する新たなヘルスケアサービスを検討します。

本サービスを通じ、デジタル技術の活用により医療発展へ貢献するSmart Healthcareの実現に取組んでいきます。

  1. PRO(Patient Reported Outcome)とは、臨床試験において被験者や患者から直接得られる経過や症状に関する主観的評価です。
  2. ePRO(electric Patient-reported-outcome)とは、電子的にPROを回答・収集することです。

2025年日本国際博覧会への出展

NTTは2025年大阪・関西万博において"Natural"をテーマに様々な出展・協賛を実施します。IOWNを活用し、遠く離れた空間・感覚の共有にチャレンジするNTTパビリオンを始めとし、万博会場全体のバーチャル万博プラットフォーム、来場者の体験を最大化するパーソナルエージェント、万博会場内のIOWN-APNなど幅広い分野に参画します。また、パビリオンの敷地内では水素の生成、貯蔵にもチャレンジし、パビリオンの電力に活用するほか生成した水素はパナソニックグループパビリオンに水素パイプランで託送します。

VR空間プラットフォーム「DOOR」における
ガイダンス業務の拡充

2022年2月より障がい者の方など外出が困難な方による、DOORバーチャルサロン内でのOriHime-Dアバターを通じた案内業務を開始しました。これによりDOORの利用者は、OriHime-Dアバターに話しかけることで、操作方法を聞いたり、必要な情報を得たりすることができます。

また、DOOR バーチャルサロンにおいてAIアバターを活用した受付応対等の取組みを開始しました。本取組みでは、NTT研究所技術をベースにNTTグループが開発したAIアバターによる自動応答により、バーチャルサロン内におけるコンテンツの説明による情報提供に加え、音声情報、顔の表情や声の抑揚などといったノンバーバル情報も統合学習し対話応答することが可能なAIアバターと会話を体験することができます。

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Business Activity 17
知的財産の保護と尊重

コミットメント内容

新たな価値創造と地球のサステナビリティのために挑戦し続けるNTTグループの事業に安心安全を与え、成長を支えるため知的財産戦略を立案し、得られた研究開発成果を知的財産として適切に保護するだけでなく、他者の知的財産を尊重しながら活用を進めてまいります。

具体的目標

前年度同等

特許出願件数

知的財産の保護と活用
知的財産についての考え方

NTTグループの事業活動は、積極的な研究開発活動の成果として生み出された先端技術による製品・サービスによって支えられています。こうした背景から、研究開発で創出される知的財産を適切に保護・活用していくことは、NTTグループの継続的な成長、ひいては、お客さまと社会への継続的な貢献のために重要であると考えています。事業活動のあらゆる局面で、NTTグループの知的財産の保護・活用と、他社の知的財産の尊重を意識した活動を推進しています。

知的財産管理体制

NTTは、研究開発で得た成果を知的財産権で積極的に保護し、事業の優位性を確保するとともに、産業界の発展に貢献する技術や、標準化され、社会で活用されている技術については広くライセンスを行い、成果の普及に努めています。

そのために、NTT知的財産センタを中心にNTTグループ全体にかかわる知的財産活動方針を策定するとともに、各社の知的財産部門に対し、知的財産の利用、管理に関する支援や調整、また知的財産制度に関するグループの意見集約と対外的な情報発信などを行っています。

第三者の知的財産権の尊重

NTTは、グループ各社が研究開発技術を事業で活用するにあたって第三者の知的財産権を侵害することがないように、研究開発の初期からグループ各社へ研究開発技術を提供するまでの各段階で国内外の他者権利を調査しています。また、知的財産に関する国内外の制度改正、紛争事例、裁判事例などの動向とその影響をグループ各社と共有することで、知的財産権に関する法令の遵守とビジネスリスクの低減を図っています。

NTT 知的財産センタ

研究開発成果の外部への活用

NTTは、設立以来、情報通信業界のリーディングカンパニーとして最先端の技術開発を推進しており、膨大な数の特許を保有しています。

これらのNTTが保有する技術を、みなさまにご利用いただき、電気通信市場のみならず、さまざまな市場の活性化に役立てるよう、広くライセンスを行っています。たとえば、標準化活動の取組みのひとつとして、各種特許プールを介して標準規格に関する特許を多くの企業にライセンスすることで、技術の普及を効率的に進めています。

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グリーン・トランスフォーメーション(GX)に関連した知的財産ポートフォリオ

NTTグループにおける知財投資の大きな割合を占める持株研究開発の成果として得た特許の保有件数は、国内外をあわせ約18,000件となっています。

このうち、2022年6月に特許庁がグリーン・トランスフォーメーション(GX)に関する技術を俯瞰するために作成した技術区分「GXTI (Green Transformation Technologies Inventory)」における5つのGX技術においてNTTは、これまで培ってきた研究開発の成果としてエネルギー供給(gxA)、電池・蓄エネ(gxC)、省エネ・電化・樹有調整(gxB)の順に特許を保有していることが確認できます。

GXTI(
https://www.jpo.go.jp/resources/statistics/gxti.html

研究開発の強化・グローバル化
方針・考え方

世界を先導するICT企業であるNTTグループにおいて、研究開発(R&D)はグループ企業の競争力の源泉たる重要課題(マテリアリティ)だと認識しています。中期経営計画の柱である「研究開発の強化」に基づき、新しい技術の研究開発に取組み、多様な領域で新たな価値を創造することで、NTTグループの各事業会社とともに、お客さまのデジタルトランスフォーメーションや、一人ひとりに応じたライフスタイルの変革を支援していく役割を担っています。

NTTグループでは、R&Dを通じて生産性の向上、安全・防災などさまざまな問題を克服し、その結果として産業競争力の強化、社会的課題の解決をめざしています。ICTはさまざまな分野で活用されるため、NTTグループだけではなく、多分野にわたる産業界の方々とパートナリングを行いつつ、R&Dに取組んでいます。

世界のさまざまな企業・学術機関と
連携したIOWN GLOBAL FORUM

NTT、インテル コーポレーション、ソニー株式会社は、新たな業界フォーラムであるIOWN Global Forum, Inc.(以下、IOWN GF)を2020年1月に米国にて設立、今では111組織が参画するまでに成長しました(2022年11月時点)。

IOWN GFでは、これからの時代のデータや情報処理に対する要求に応えるために、新規技術、フレームワーク、技術仕様、リファレンスデザインの開発を通じ、シリコンフォトニクスを含むオールフォトニクス・ネットワーク、エッジコンピューティング、無線分散コンピューティングから構成される新たなコミュニケーション基盤の実現を促進していきます。

IOWN GLOBAL FORUM

推進体制

NTTグループの研究開発は、NTTが有する「IOWN総合イノベーションセンタ」「サービスイノベーション総合研究所」「情報ネットワーク総合研究所」「先端技術総合研究所」において行う、IOWN構想の具現化やサービス・ネットワークに関する基礎・要素技術などの電気通信分野の基盤となる技術に関する基盤的研究開発、グループ会社における各社の事業に密着した応用的研究開発がベースとなっています。

また、マーケティングやビジネスプランの策定、アライアンス形成などを行い、NTT研究所で開発した成果を早期にグループのビジネス展開につなげる「総合プロデュース活動」を進めています。この「総合プロデュース活動」では、NTTの研究開発が持つ幅広い基盤技術を社外の技術と組み合わせながらタイムリーな形で事業化していくため、グループ各社はもちろん多彩な企業とのコラボレーションから新たなサービスを創造しています。将来にわたってイノベーションがNTTグループの重要な成長ドライバーであり続けるために、多くの特許出願や対外論文の発表を行うなど、社会的課題を解決するイノベーションを推進することで持続可能な社会の実現に貢献することをめざします。

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IOWN構想の実現に向けた協業の推進

さまざまな企業と連携したIOWN GLOBAL FORUM

NTT、インテル コーポレーション、ソニー株式会社は、新たな業界フォーラムであるIOWN Global Forum, Inc. (以下「IOWN GF」)を設立しました。IOWN GFの目的は、これからの時代のデータや情報処理に対する要求に応えるために、新規技術、フレームワーク、技術仕様、リファレンスデザインの開発を通じ、シリコンフォトニクスを含むオールフォトニクス・ネットワーク、エッジコンピューティング、無線分散コンピューティングから構成される新たなコミュニケーション基盤の実現を促進していきます。

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宇宙統合コンピューティング・ネットワーク

持続可能な経済・社会活動を確立していく上では、エネルギー・環境/気候変動・防災・海洋インフラ・安全保障等の多様な分野において、成層圏・地球近傍宇宙空間をICTインフラ基盤として効果的に最大活用することがより一層重要となります。NTTでは、「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想」を掲げ、宇宙空間に構築する光無線通信ネットワークおよび成層圏で構築するモバイルネットワークを手始めに、新たなインフラの構築への挑戦を推進していきます。

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NTTとスカパーJSAT株式会社は、持続可能な社会の実現に向けた新たな宇宙統合コンピューティング・ネットワーク事業を担う合弁会社「Space Compass」を設立しました。新会社では、宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想の第一歩として、宇宙データセンタ(宇宙における大容量通信・コンピューティング基盤)、宇宙R A N (Beyond5G/6Gにおけるコミュニケーション基盤)の事業・サービスに取組んでいます。今後、民間主導での成長が見込める宇宙空間において、新たなインフラ構築に挑戦し、持続可能な社会づくりに貢献します。

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研究開発の強化・グローバル化

  • 世界に変革をもたらす革新的研究開発を推進するとともに、海外拠点での基礎研究を強化しています。具体的には、海外に設立した研究拠点を足がかりに、さまざまな研究機関との共同研究の強化、社外の最新技術の積極的な活用を行うとともに、新たな成長領域への研究投資の拡大を図ります。
    また、研究開発成果のグローバル展開や研究ターゲットのグローバル化を推進します。具体的には基礎研究の強化を目的に、2019年7月、3つの研究所を擁するNTT Research, Inc.を米国シリコンバレーに開設しました。量子計算科学、医療・健康・ヘルスケア、基礎暗号・ブロックチェーンの各分野において、米国や欧州の大学・研究機関などと共同研究を開始しています。シリコンバレーをはじめとして、今後は、世界各地に拠点を展開し、さらなる研究開発のグローバル化を進めていきます。

  • IOWN構想のカギを握る光信号と電気信号を融合する光電融合技術の創造と活用を加速するため、より開発に軸足を置く「NTT IOWN総合イノベーションセンタ」を2021年7月に設立しました。同センタには、IOWNコア技術に関するプロダクト開発を分野横断で一体的に推進する3センタ(ネットワークイノベーションセンタ、ソフトウェアイノベーションセンタ、デバイスイノベーションセンタ)に加え、市場ニーズや社会の要請からバックキャストした開発・普及戦略を策定し、技術開発から普及活動、導入支援までを一貫して推進する、IOWNプロダクトデザインセンタを設置しました。
    さらに、NTTでは各分野における著名な権威者である研究者で構成されたNTT R&Dオーソリティチームを結成しています。オーソリティチームの各研究者はIOWN構想の実現とさらにその先を見据えたNTTの研究開発に参画し、研究テーマの実施・指導・助言を通じて各研究領域を牽引する役割を担います。その一環として長期的視野に立った研究開発を一層強化するために、オーソリティチームの一員である若山正人数学研究プリンシパルが統括する基礎数学研究センタを新設しました。
    現代数学の基礎理論体系構築に取組むとともに、未だ明らかになっていない量子コンピューティングの速さの根源の解明など、デジタルを超える量子技術の革新に向けた研究を加速します。また、未知の疾病の解明や新薬の発見など、IOWN構想実現に向けてNTT R&Dで取組んでいるさまざまな研究課題に対し、現代数学の手法を駆使した今までにないアプローチの提案を通じた貢献をめざしています。

IOWN構想の具現化に向けた研究開発

  • 街全体をリアルタイム・精緻に把握する4Dデジタル基盤®を用い、さまざまな未来予測とデジタルツイン間の連鎖により、街の全体最適化を行う街づくりDTC®を活用した取組みの一つとして、短期間データからの快適性予測を可能とするフィードフォワード型のAI空調制御技術を確立し、省エネと快適環境の両立の有効性を実証しました。加えて、自分自身のデジタルツイン"Another Me"の実現に向けて、京都大学との共創によりSelf as Weの自己観に基づいて自分自身とAnother Meも包含した"わたし"の哲学的な再定義を行い、発表しました。

  • 国立大学北海道大学と異なる種類(モード)の信号光間で発生する光の強度差を、低損失・広帯域に可変補償する小型光デバイスを世界で初めて実証し、IOWN構想がめざす1ペタ超の大容量光伝送に向け前進しました。NTTが提唱するIOWNの目標として掲げる1ペタ超光伝送基盤の実現には、空間モードを活用した光伝送路技術と光伝送技術の確立が不可欠であり、今後も産学連携による研究開発を推進していきます。

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  • 世界最大容量1波長あたり1.2テラビット/秒にてコヒーレント光伝送を実現する専用デジタル信号処理回路および光デバイスを開発しました。
    独自に開発した世界最高水準のデジタルコヒーレント専用信号処理回路、および世界最高速級の光デバイスを用いることで、光信号の変調速度を世界最高速の140GBaudまで高速化し、世界最大容量である1波長あたり1.2テラビット/秒を実現しています。最先端の既存報告値に比較して、光信号の変調速度は1.4倍に高速化、伝送容量は1.5倍に増大しています。これにより、800ギガビット/秒の光伝送距離を2倍以上に拡大することも可能となります。

その他最先端研究の推進

  • 国内外の主要ベンダーと6Gの実証実験で協力:
    NTTドコモとNTTは、第6世代移動通信方式(6G)の2030年頃のサービス提供開始をめざし、国内外の主要ベンダーである富士通株式会社、日本電気株式会社、Nokiaの3社と6Gに関する実証実験で協力することに合意しました。6Gではこれまで十分なエリア化が難しかった「空・海・宇宙などへの通信エリアの拡大」「超低消費電力・低コストの通信実現」が可能となる技術であり研究開発を進めています。今後、2022年度内には屋内の実証実験を開始し、2023年度以降に屋外の実証実験を開始する予定です。今回合意した国内外の主要ベンダーとの実証実験を推進するとともに、その他の主要ベンダーとも各社の強みを生かしたさまざまな取組みを推進する予定です。これにより6Gの研究開発を加速させ、世界的な6Gの標準化や実用化に向けた検討に貢献してまいります。
  • 画像認識AIを用いて社会インフラ設備の錆を高精度に検出:
    NTTは、画像認識AIを用いてさまざまな社会インフラ設備に発生した錆の高精度な検出に成功しました。画像認識AI は、Mobile Mapping System(MMS)を用いて取得した沿道の画像から、複数のインフラ設備を識別し、それぞれのインフラ設備(道路附属物および柱上設備)に発生している錆を97.5%の精度で検出できることを確認しました。画像認識AIによって、MMSで同時に撮影した画像から複数のインフラ設備を一括で識別・点検できるため、インフラ管理者ごとに実施していた現地点検の集約による稼働削減が期待できます。さらに、画像認識AIによる点検のため、点検員ごとによって発生していたバラツキをなくし、点検品質の均一化が可能になります。今後は、AI技術のさらなる深化によって、社会インフラ維持管理業務に付加価値を与え、スマートな社会の実現に貢献していきます。
  • バイオデジタルツインと呼ぶシミュレータにより心身の状態の未来を予測することで、リスクのコントロールやWell-beingの向上を支援しようという「医療健康ビジョン」を掲げています。新しいセンシングの1つがウェアラブル心電計です。心臓の活動を立体的にとらえる目的で、心臓が胸郭ともっとも近接する心尖部領域を基準点とし、ほぼ直交する3方向に対極を備えたウェアラブル心電計を研究しております。
  • 大規模な冷凍・真空装置を要するなど、実用化に向け小型化が大きな課題となっていた量子コンピュータについて、東京大学、国立研究開発法人理化学研究所と共同で、ラックサイズの大規模光量子コンピュータ実現の基幹技術である光ファイバ結合型量子光源(スクィーズド光源)を開発しました。
  • 世界で初めてグラフェン量子ホール状態におけるスピン波発生過程を明らかにし、スピン波の電気的制御に関する知見を得ることに成功しました。これにより、スピン波の基礎物性を調べるための手段が得られたことになります。この系で得られた知見を応用研究へフィードバックすることで、マグノニクスデバイス実現に大きな波及効果を及ぼします。

なぜIOWNが必要か

デジタル技術の発展によって、映像の超高精細化等さまざまな技術革新が生まれてきましたが、さらなる進化のためには発想の転換が必要だと考えています。

IOWN構想では、人間だけの価値観でフィルタリングせず、より多様な価値観・知覚を通して、ありのままの現象・情報を捉えるようにすることが重要だと考えています。「すべての生物は種特有の知覚システムを有しており、それぞれが種特有の知覚世界を持ち、その主体として行動する」とドイツの生物学者であるヤーコプ・フォン・ユクスキュル博士が「環世界」(ドイツ語では「Umwelt」)を提唱していますが、IOWN構想はまさに見る主体によって物の見え方は異なり、それぞれの価値観に応じて伝えるべき情報も処理の仕方も変わってくるという考えに基づき、さまざまな価値観に応じた情報を余すことなく伝え、そして処理することをめざしています。

こうした新たな発想の実現に向けては、劇的な低遅延、膨大な帯域幅、極小の遅延変動が必要ですが、現在のインターネットでは、伝送能力と処理能力の双方に限界が訪れています。また膨大な情報処理に伴って消費電力は増大し続けており、CO2排出量の増加は世界的に深刻な問題になっています。NTTグループの考える"ありのままの情報を扱える"より大容量、低遅延、低電力消費なインフラを実現するには、ネットワークからコンピューティングまでのさまざまなレイヤ個別の設計から脱却し、End-to-Endかつフルスタックでの再設計・最適化が必要です。そこでキーになるのが「光電融合」の技術です。従来、光は「伝送」、電子は「処理」と役割が完全に分離しており、光信号と電気信号とを変換する作業は効率が悪く消費電力も大きくなります。光と電子を緊密に融合していけば、プロセッサレベルまで含めて全体に光技術を適用することができ、フルスタックでアーキテクチャ(仕組み)を見直すことができます。

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画像 人間が見ている花の姿(左)/ 蜂が見ている花の姿(右)

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IOWNの優位性とは

NTTが過去から光に関する知見を積み重ねてきたのは大きなアドバンテージだと思います。みなさまに馴染みが深いのは、光ファイバーケーブルを使ったインターネット接続サービスだと思いますが、NTTが長らく研究してきたのは光ファイバーケーブルという伝送媒体にとどまらず、伝送装置や情報処理までを光で実現できないか、ということです。これらの「研究」成果を、より商用に近い「開発」に軸足を置いて、実用化をめざして進めているというのが現状のステータスです。そして、最近の成果として、「光電融合技術」は光-電気変換、電気-光変換を超高速かつ超低消費電力に行えることがコアです。LSIの中で最も電気を消費するのがI/O(入出力)であり、そこを光に置き換えることのインパクトは非常に大きいのです。また、電気では、信号を伝送する距離が増えると急激に消費電力が増えますが、光ではそこまで急激には増えません。従って、光電融合技術によって光を導入することで、元々の光の特徴である超高速はもとより、超低消費電力が実現可能となります。その典型例がNTTが2019年に開発した光トランジスタで、世界で初めて超高速と超低消費電力を両立しました。トランジスタとは、電気信号に制御信号を与えることで適切な形に出力できる変換装置のことです。信号を変換することはスイッチングと言います。光をスイッチングするいままでの装置は、巨大で価格も数千億円したのですが、それが今回、光トランジスタの実現により、チューイングガムくらいの大きさにまで小型化できました。また光トランジスタの研究開発には信号処理の技術だけではなく、光の変調器を作るということも重要です。ある波長のスペクトラムが乱れないように精度が高く安定化が図れるノウハウが必要で、これはアナログ技術であり、家内工業的なものです。長距離を光でつなげられるようになったのは、そういった我々の技術が生かされているところが大きいです。データ量の増加や消費電力の増加に対応するには、電子処理から光伝送へ構造展開する必要があり、その構造展開を支える技術面において、光トランジスタの高精度化・小型化・低コスト化がブレークスルーとなりますが、そこにNTTグループの優位性があるということです。

想定されるビジネスモデル

IOWNはさまざまな領域で使えるようになると思いますが、わかりやすいシナリオを2つ紹介します。

まず、データセンターの内側の話、ディスアグリゲーテッドコンピューティングです。パソコンも同じような構造ですが、サーバにはインターフェースがあり、CPU、メモリ、ストレージが揃っています。CPUが指示を出して、メモリに一時的に情報をため、CPUが計算した結果の情報をストレージにため込んでいくというのが今の流れです。

CPUが電気信号でいちいち指示を出して動かしていたのですが、GPUやDPU等のアクセラレータを直接光でつなぎ、それぞれを異なった波長で結ぶことで、サーバそれぞれにCPUやメモリが揃っている必要はなくなります。ある筐体にCPUがあり、別のところにメモリがあり、それを光でつなぐことであたかも一つのサーバ上に膨大なCPUやメモリが搭載されているような状況を作り出せるのです。

ディスアグリゲーテッドコンピューティング 画像

超低消費電力で高速処理が行え、必要なだけパーツを追加できるスケーラブルなコンピューティングインフラを構築することができます。この場合のビジネスモデルとしては、光トランジスタを販売することが考えられます。光トランジスタそのものだけでなく、光電融合技術や光の変調器をコンピュータのボードや半導体パッケージにいれるプロダクトも考えられます。キーとなる部品を売るイメージです。次に、もう少し範囲を広げてネットワーク間にも光を活用するオールフォトニクスネットワーク、データセンターの外側の話です。都市間を結ぶような中継系のコアや都市内を巡らせるメトロネットワークに使われる光伝送技術を末端となるエンドユーザ近くにまで拡張させ、「1人1波長」のように超大容量の光のパスを用途ごとに柔軟に構成できるようにすることができます。オンデマンドかつ1対1で光の専用線を張るようなイメージで、映像等も圧縮せず、ほとんど遅延がない形で送受信できるようにすることができます。

APNは基地局とモバイルアンテナを結ぶモバイルフロントホール部分への適用も考えられます。都市部では昼夜で人口が変わるため、トラフィック量も必然と異なってきます。そこで動的に光パスを構築するロードバランシングで、電力消費を抑制することができます。またデータセンター間を結ぶ回線としてもAPNは提供可能です。最近では莫大な電力を必要とする大規模なデータセンターを設置するのが難しくなっています。

今後は小中規模のデータセンターを広範囲に分散設置する方向になりますが、大規模データセンターと比較しても遜色なく稼働するよう、分散されたデータセンター間を「光」でつなぐ必要がでてきます。大規模なデータセンターでは膨大な電力が必要となりますが、分散設置すれば、その配置場所近傍で発電された再生可能エネルギーを利用することもでき、エネルギーの地産地消にも対応できると考えています。APN提供ケースにおけるビジネスモデルですが、モバイルフロントホールやデータセンター間のネットワーク提供等のインフラサービスプロバイダーとしてのビジネス、APNで接続された分散型データセンターを提供するデータセンタービジネス、データセンターのエッジに設置する光トランシーバーを販売するプロダクトビジネス等が考えられます。

オールフォトニクスネットワーク(APN)の特徴 画像

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現在想定しているユースケース

IOWNとは「あるものをあるがままに伝え・処理」し「今のインターネットでは実現できない新しいスマート社会を低エネルギー消費でサステナブルに実現する」という光をベースとした革新的構想です。現在のユースケースとしては以下を想定しています。

①データセンター事業者向けのインターコネクト提供、②モバイル事業者向けのモバイルネットワーク提供はすでに紹介しましたが、③イベント(ライブ中継、クラウド型eスポーツ中継)向けのネットワーク提供も考えられます。クラウド型eスポーツイベントの中継については、すでに実証実験も行っています。クラウドを介した対戦型ゲームはお互いリアルタイムで戦いますが、大容量の8K映像を20ms以下の遅延でやり取りすることが重要となります。数ミリ秒の遅延と、その10倍の遅延が発生した場合を対比すると、攻撃のタイミングが異なってきます。攻撃のタイミングがずれてしまうような遅延環境では、ゲームとして戦うことができません。実証実験での遅延結果は20msでしたが、これを数ミリ秒まで縮める努力をしており、かつ1μs単位で遅延をコントロールして、同期を取れるようなシステムを現在開発中です。

バーチャルでのリアル再現(ライブ、eSports)

  • 高詳細な映像や音声を双方向にやり取りするイベントを仮想空間上で再現
  • 低遅延でデータを交換することで、遠隔地でも同一会場と同様の体験が可能

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今後のスケジュール、マイルストーン

これらのユースケースについては、早期に実証等を行い、お客さまからフィードバックをいただき、IOWNの技術をさらに磨いていければと考えています。2020年頃から、まずはスマートシティや重要インフラ等、先進サービスを要望するユーザやエリアに対して、フィールド実証を進めてきました。続いて、2022年度からは、まだ特定用途、特定エリアに限定されますが、サービス導入を進めていきます。その後、2026年以降では、導入済エリア同士を接続する等で、全国規模への拡大を進めていきます。また、近い将来の重要なイベントとしては、2025大阪・関西万博があります。ここまで挙げてきたIOWNの技術の一部を、既存の技術とも上手く組み合わせながら、IOWNの世界観の一端をわかりやすくお伝えしていきたいと考えています。これにあたっては、さまざまな企業・団体のみなさまとのパートナリングを通じて新たな価値を提示し、その後の社会実装につなげていきたいと考えています。

IOWN拡大ロードマップ 画像

IOWNに関する実証事例紹介

① eスポーツを支える光ネットワーク技術

  • IOWN APNにより、複数会場分散開催のeスポーツイベントにおいても、単一会場と遜色ないゲーミングUXの実現が可能となる。
  • 非圧縮あるいは低圧縮の映像信号を伝送することで、ユーザ拠点では操作入力と映像表示のみとなり、遠隔地のサーバを利用可能となる。加えて、NWの遅延を測定・調整する機能により、遠隔の複数会場間にあっても公平な対戦を可能としている。

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② リアルタイム遠隔合奏「未来の音楽会」

  • 演奏者が同じ場所に集まることなく、IOWN APNを介したリアルタイムの遠隔セッションを実現。
  • 複数拠点の映像を低遅延に分割表示処理することで、APNの低遅延の特徴を損なうことなく映像遅延を短縮し、離れた拠点間でタイムラグを感じない映像のやり取りを可能としています。

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③ 分身ロボットのナチュラルな遠隔操作

  • IOWNの低遅延を活かし、操作者によるタイムラグを感じない遠隔ロボット操作が可能となる。
  • インターネット経由では映像遅延により連続動作が難しく、たびたび停止して状態の確認が必要となるが、本実証においてはリアルタイムにロボットの状態を把握しながら操作出来ることで、これまでと半分の時間で走行することを可能としている。

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Business Activity 18
地方社会・経済の活性化への貢献

コミットメント内容

デジタルトランスフォーメーションを牽引し日本における少子高齢化、教育、健康・医療、地方活性化など各国固有に存在する社会課題の解決に貢献し、次世代につなぐ新たな価値を創造してまいります。

具体的目標

97%

5G親局(高度特定基地局)基盤展開率(2023年まで)

地域社会・経済の活性化への貢献

  • さまざまな有形無形の文化芸術を守り、オンラインを中心とする新たな文化芸術鑑賞のスタイルを地域に広く浸透させることで、地域の魅力を国内外に発信する取組みを行うため、2020年12月にNTT Art Technologyを設立。
  • 中小企業等に向けた簡単・セキュアなオンラインストレージサービスを提供。NASやファイルサーバと同様の利用環境を実現し、ファイル共有機能やセキュアな環境構築など、より柔軟で充実したクラウド活用を支援する「コワークストレージ」を2021年3月より提供開始。
  • 地域活性化を推進するため、2021年7月に地域活性化の実現に課題を抱える自治体や企業・組織、その連携体(地域民民・公民共創)の活動支援を目的にコンサルティングサービス等の提供を行う地域創生Coデザイン研究所を設立。

ライフスタイル変革の支援を通じたパーソナル化の推進

ドコモを中心に、お客さま一人ひとりに合わせたきめ細やかな「パーソナルソリューション」を実現し、多様化するお客さまのライフスタイルの変革をサポートしています。2021年度の携帯電話の契約数は8,475万名分となりました。

サービス面では、電子決済やコンテンツなどの充実を図るとともに、AI・ビッグデータの活用により一人ひとりのお客さまとのコミュニケーションの充実に努めています。

デジタルトランスフォーメーションの推進

RPA※1の導入による業務効率化を推進し、2020年6月末時点でのNTTグループの業務プロセス活用数は、約2,900となりました。RPAの導入についてはグループ内に限らず、お客さまにも提案を進めており、2021年6月時点で約6,500社以上のお客さまにご利用いただいています。また、さらなるグループ経営の高度化に向け、人事・財務・調達などの業務においてグループ統一ERP※2の導入を推進しました。

  1. 従来人間が実行していた業務をルール化し、ロボットに代行させる自動化ソリューション
  2. 企業の経営資源を一元に管理し、企業全体の最適化を実現するための経営手法

活動事例紹介

5Gサービスの実現・展開に向けた取組み

2020年3月から5G商用サービスを開始しました。「5Gギガホ」「5Gギガライト」といった料金プランと、7機種の5G端末、ゲーム・音楽・スポーツジャンルでのサービス、産業の高度化やデジタルトランスフォーメーション推進などに寄与するソリューションを提供します。

2024年3月までに全国1,741すべての市区町村への展開および人口カバー率90%以上の実現をめざし、新しい価値の創出や社会課題の解決に貢献し、お客さまの生活がより便利で、豊かなものになるよう取組みを推進します。

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推進事例紹介

「"NTT育ち"のトマトがつなぐ、地域の農業文化」

NTT東日本では、持続可能な地域循環型社会の実現に向けたプロジェクトの一つとして、農業DXを推進しています。

AI、IoT、ドローンなどICTを活用したスマート農業の支援もその中の1つです。

農業は地域の基幹産業であることが多い一方で、農産物の大部分を輸入に頼っているのも実情です。そこには農業従事者の高齢化や担い手不足などのさまざまな問題をITの事業者として解決できないかという考えのもと、 NTTe-City Labo(NTT中央研修センタ)には、最先端のビニールハウスを有し、NTTアグリテクノロジーの栽培スタッフが育て、市場に流通している"NTT産"のトマトが収穫され、地産地消で市内の小学校にも給食として提供しています。また、自分たちが食べたトマトがどのように栽培されたのかを知るために、80名の地元小学生が校外学習で見学に来るなど、食育コンテンツとしても活用されています。

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4Kカメラを搭載したロボット。
遠隔操作でハウスの中を走行させ、トマトの状態をより詳細に確認できる。

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ユニバーサルデザイン※1に向けた取組み

NTTグループでは、年齢、性別、身体的な機能の違いに関係なく、すべてのお客さまにとって利用しやすい製品やサービスを実現する「ユニバーサルデザイン」の普及に取組んでいます。

※1高齢者や子ども、障がいのある方、言語の壁がある訪日外国人の方なども利用することができる製品・サービス(機能拡充も含む)

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NTTグループ ウェブアクセシビリティポリシーの制定

NTTグループは、高齢者や障がい者の方々を含む幅広いお客さまにWebサイトをご利用いただけるよう、アクセシビリティの確保と向上に取組んでいます。具体的には、「NTTグループウェブアクセシビリティポリシー」を制定し、日本国内に本社機能を持つNTTグループ各社の公式サイトについて、JIS X 8341-3:2016※2にしたがって方針を定め、レベルAAに「準拠※3」することを目標とします。

NTTグループの「ウェブアクセシビリティ」の取組みについて

※2JIS X 8341-3:2016 は、日本工業規格「高齢者・障がい者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェアおよびサービス-第 3 部:ウェブコン テンツ」です。

※3 準拠とは、情報通信アクセス協議会ウェブアクセシビリティ基盤委員会「ウェブコンテンツの JIS X 8341-3:2016 対応度表記ガイドライン 2016 年 3 月版(2016 年 3 月 22 日公開)」で定められた表記によります。アクセシビリティポリシーを策定・公開し、JIS X 8341-3:2016 に基づく試験を実施し て、達成基準を全て満たすことを確認したことを表します。

ご利用しやすいサービス体系

高齢者、障がい者など、さまざまな方がICTサービスをご利用いただけるよう、各種割引サービスを展開しています。

教育施設への専用回線の特別割引(NTT東日本・NTT西日本)

NTT東日本・NTT西日本では、学校教育におけるインターネット環境の普及・拡大に向けて、2001年よりインターネットの定額利用に適したフレッツサービスを学校向けに特別料金で提供しています。

携帯電話の障がい者向け割引(NTTドコモ)

NTTドコモでは、障がいのある方のさらなる社会参加支援を目的にハーティ割引を提供しています。

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推進事例紹介

ユニバーサルデザイン化コンサルティング

NTTクラルティにはさまざまな障がい者が多数在籍しております。お客さまのご要望に応じて、バリアフリー、アクセシビリティ確保、ユニバーサルデザイン、インクルーシブデザイン化の構築を見据え、研究・開発・企画初期の段階からのコンサルティングを実施しています。

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ウェブアクセシビリティの診断業務

NTTクラルティでは、障がい当事者ならではの視点を活かし、ウェブサイト上にあるバリアの改善策をわかりやすく提案するさまざまなウェブアクセシビリティ対応サービスを提供しています。

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お客さま満足の追求に向けた方針・考え方

NTTグループは、グループ各社において、一般消費者向けの製品・サービスから法人事業者向けのサービスまで、さまざまなお客さまに幅広い製品・サービスを提供しています。

NTTグループのビジネスフィールドである通信・ICTの世界は、活発なイノベーションが展開され、新しい製品やサービスが生まれ続けています。スマートフォンやタブレットなどモバイル機器は日々進化し、NTTグループのネットワークを活用した新たなサービスも続々と誕生しています。一方で、技術やサービスの進化に伴い、それを利用するために必要な情報量が増加し、機器の不具合や各種料金・サービスの不明点などお客さまからのさまざまなご確認やお問い合わせ、ご意見・ご要望をいただく機会も増えています。NTTグループは、サービスを利用されるお客さまの疑問や不安を解消し、すべてのお客さまの満足度を高いレベルで維持することが、お客さまとの間に信頼関係を育み、新たなお客さまの獲得にもつながると考えています。

推進体制

NTTグループ各社は、お客さま応対における時間短縮につなぐための業務の改善、アンケート調査やお客さま相談室などに寄せられるご意見やご要望などの「声」をもとに製品・サービスの改善・開発につなげていく仕組みを構築し、お客さまの声に寄り添ったサービスの開発と提供を推進しています。具体的には「ドコモショップにおける待ち時間および応対時間の短縮」「お客さまの声を活かした改善件数」「コールセンターの応答率」などをKPIとして、毎年前年度以上の実績を上げることを目標に継続的に向上できるよう好循環を図っています。

NTTグループは、今後もグループ各社が自らの事業内容に合わせて、お客さまの求めるサービス品質や現場対応力など、お客さまの満足を継続的に高めていく独自の取組みを進めていきます。

主な取組み

お客さま相談窓口

NTTグループ各社では、お客さまからの製品・サービスに関するお問い合わせや、故障の受付け、苦情などに応対するコールセンターを設けています。NTTグループの主要なコールセンターにおいては、毎日平均18万件以上のお電話をいただいており、お客さまをお待たせすることなく応答することを心がけています。また、それぞれのコールセンターでは応答率向上、応対・サポートの品質向上に向け、独自の目標を定めるとともに、電話応対コンクールや応対スキルの向上に向けた研修を実施するなど、さまざまな取組みを実施しています。

お客さまの「声」の反映

NTTグループでは、各コールセンターや窓口でいただいたお客さまからのご意見・ご要望(「声」)をもとに、業務改善や製品・サービスの改善・開発につなげていく仕組みをグループ各社で構築し、活動を推進しています。

たとえばNTTコミュニケーションズでは、年1回のアンケート調査だけでなく、お申し込み時や各種サポートのご利用時など、さまざまなお客さまとの接点を通じてお客さまの声を収集し、サービスの充実や事業プロセスの改善につなげる取組みを強化しています。

グループ各社の取組み詳細は、各社のWebサイトなどをご参照ください。

NTT東日本「スマイル活動」


NTT西日本「ウィズ カスタマー活動」


NTTコミュニケーションズ「お客さまに向けた取組み」


NTTドコモ「お客様の声を活かした取組み」

推進事例紹介

約8,500万サンプルから作成される「人流データ」がもたらす
ソーシャルインパクト

ドコモ・インサイトマーケティングでは、人の動きを可視化する『モバイル空間統計』を提供しています。社会も経済も人の動きと深く紐づいています。よって、人の動きを『見える化』することのできる『モバイル空間統計』は、社会全体を支える基盤として必要不可欠な技術です。

特にコロナ禍においては、密の発生状況などの正しいデータを国民に届けることに大きく社会に貢献しました。

2020年4月の最初の緊急事態宣言の発令で、多くの人が外出を制限されることになりました。当時、感染予防のために『密』を回避しなければならない状況で、リアルタイムに特定の場所の混雑状況が分かる『モバイル空間統計』を使いたいと、昼夜問わずメディアから問い合わせをいただいていました。また一方で、メディアの色の付いていない中立な立場での情報も必要だと感じていました。そこで、誰でも見られる場所に『モバイル空間統計』を公開し国民一人ひとりにお届けしたいと考えました。混雑状況をヒートマップで可視化した人口マップを開発して、無償で一般公開し、大きな反響がありました。

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