目標3:
すべての人に健康と福祉を
目標4:
質の高い教育をみんなに
目標8:
働きがいも経済成長も
政府が2013年に公表した「待機児童解消加速化プラン」を受け、既存保育所の定員拡大や保育所の新設が進められています。しかし、共働き家庭の増加や家庭環境の多様化によって、保育所を必要とする子育て世代が増加するに伴い、保育所での保育時間の長時間化や保育士の業務負担が増加する傾向にあり、保育の質の維持・向上が課題になっています。
厚生労働省の平成28 年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「保育人材確保に関する調査報告書」によると、保育施設の3分の2以上が保育士の「記録・報告」業務を軽減したいと感じています。中でも「登降園管理」「報告書作成」「保育計画作成」はICT化による業務軽減が効果的と考えられる業務のトップ3に挙がっていますが、ICT化の実施率は3分の1にとどまっています。
NTT西日本では、こうした社会的課題の解決に向け、ICTを用いて保育士の業務負担を軽減し、本来の保育や教育に専念できる環境をサポートする「登降園管理システム」を開発しました。
本システムでは、登降園時に保護者がICカードをかざして、タッチパネルに触れるだけで、登降園時間の記録・蓄積が自動的に行われます。市区町村に提出する帳票の自動作成や、園児の指導計画や保育日誌を作成・管理が手軽にできるため、事務作業の軽減と同時に手書きによる記載ミスを防止します。保護者からの出欠の連絡をWebで受付管理し、忙しい朝の電話対応業務を軽減するほか、ネットワークを通じた遠隔保守サポートも可能になっています。
登降園管理システム概略図
システム開発にあたって、保育所の実態を調査したところ、多くの保育園では、登降園時間の記録のほか、園児の保育計画・保育記録などを手書きで作成・管理していることがわかりました。2015年度に「子ども・子育て支援新制度」が開始され、園児の登降園時刻を正確に記録するという業務が増えたことにも着目。元保育士や現役ママも企画・開発に参加し、生の声をシステムに反映させました。
手書きで記録・管理していたノート
本システムは、2015年6月に提供を開始。園児数100名の保育所の場合、毎月の事務作業に要していた1,560分(26時間)がわずか20分に削減され、大幅な業務効率化が図れることがわかりました。ICT化による効果の認知が広まり、本システムをご利用いただいている保育所は、着実に増加しています。
これからも、お客さまのご要望を伺いながら、保育の業務効率化に役立つ機能を提供し、保育士の時間と心にゆとりをつくり出すことで、子どもたちが健やかに成長できる環境づくりに貢献していきます。
Webページで見る多様な活動
Sustainability Action