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能楽鑑賞者の新たなファン獲得に寄与する
「能楽鑑賞ソリューション」の提供

関連するSDGs

  • エ質の高い教育をみんなに

    目標4:
    質の高い教育をみんなに

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう

    目標9:
    産業と技術革新の基盤を
    つくろう

鑑賞者の固定化と減少という課題を抱える能楽業界

日本の代表的な古典芸能であり、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている、能楽。「謡(うたい)と舞(まい)」を中心に展開する物語である「能」と、喜劇的な会話劇である「狂言」から構成され、室町時代から600年以上演じ、受け継がれています。

しかし、言葉や節回しに室町時代の様式が残り、決まりごとを知らないと理解できないため、鑑賞者が高齢者などの固定客中心となり、継承が危ぶまれているのが現状です。能楽界をけん引してきた名人の逝去や能楽師の減少なども背景に、市場規模、公演回数、動員観客数は年々減っており、経済産業省の調査でも能楽を含めた伝統芸能のファンは減り続けていることが明らかになっています。

誰もが能楽を気楽に楽しめるよう、
リアルタイムで能の解説を多言語で配信

そこで、急増している訪日外国人観光客をはじめ、初心者、聴覚障がい者などを新たなファン層として獲得したいという能楽業界のニーズに応えるため、NTTコムウェアにて、新たな能楽鑑賞ソリューションを開発しました。

公演中に無線LANを通じてタブレットに能の解説をリアルタイムに多言語配信するサービスで、能楽の独特な表現を大きな文字とイラストでわかりやすく表現しています。そのため、外国人や初心者、高齢者や聴覚障がい者など、だれもが能楽を気軽に鑑賞することが可能です。

開発は、能楽堂や専門書店、大学、研究所など多くの関係者との共創型で実施。表示コンテンツの内容や言葉遣い、文字の大きさ、操作ボタンの位置などに知恵を出し合い、実現しました。

鑑賞者のタブレット画面

全国12公演でのトライアルを経て、商用提供を開始

本ソリューションは、2015年9月の矢来能楽堂(東京)での公演からトライアル提供を開始。会場アンケートでは、「能が身近に感じられた」「外国人にとってわかりやすい」など、非常に好意的な反応が得られました。2017年1月までに、京都観世会館、横浜能楽堂など、全国12公演でトライアル提供を実施し、2017年7月2日には、NTT東日本や能・狂言の専門書店の檜書店と共同で、横浜能楽堂でサービスを提供しました。

今後は、能楽公演における商用提供を拡大するほか、スポーツ観戦、名所案内、体験ツアーなどにも展開していく予定です。