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特集3 NTTグループのESG経営

特集3 NTTグループのESG経営

ESGとは環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字をとったものです。近年、これらの要素について、機関投資家を中心に企業経営の持続性を評価するという概念が普及し、長期的なリスク管理や、企業の新たな収益創出の機会を評価するベンチマークとして注目されています。

NTTグループのESG経営の推進に向けた取り組み

NTTグループは、ESGに関する課題に適切に対応するESG経営を推進することで、事業リスクを最小化するとともに、事業機会を拡大することにより、持続的な企業価値の向上を図ります。

社会への影響や経営基盤の維持などの観点から、5つの重要課題(マテリアリティ)を特定し、それぞれに対応する目標値の設定や取り組みを実施しています。第1回 多様な人材の活用に向けた取り組み(2019年12月号)に続いて、第2回となる本号では環境負荷の低減・災害対策の強化に向けた具体的な取り組みをご紹介します。

5つの重要課題

環境エネルギービジョンの策定

NTTグループは、2020年5月に環境負荷ゼロをめざす環境エネルギービジョンを策定しました。グリーン電力の推進、ICT技術などによる社会の環境負荷低減、革新的な環境エネルギー技術の創出、圧倒的な低消費電力の実現の4つの柱から構成され、環境負荷低減への事業活動の推進と研究開発によるイノベーションの創出により、お客さま・企業・社会の環境負荷低減に貢献していきます。

環境エネルギービジョン

グリーン電力推進の取り組み

NTTグループでは、温室効果ガス排出の主要因である電力のグリーン電力化を推進します。NTTグループ全体で再生可能エネルギー利用の割合を2030年度までに30%以上にするため、自ら再生可能エネルギーの電源開発に取り組むとともに、国内外のオフィスビル、通信ビル、データセンターなどのグリーン電力化を進めます。グリーン電力の推進を通じて、環境負荷を低減した事業活動を実現する具体的目標として、2020年10月に国際的な気候変動イニシアティブであるSBTの認定を取得しました。また、同年5月、気候変動関連の国際的な情報開示タスクフォースであるTCFDに賛同し、環境に関する情報開示の充実を図ります。

さらに、他社へのグリーン電力の供給も推進していきます。例えば、NTTアノードエナジーでは、太陽光発電など、再生可能エネルギー発電所の開発を積極的に進めるとともに、ICT技術・直流給電技術を活用したソリューションの開発・提供を通じ、再生可能エネルギーがより普及しやすい社会基盤の確立に貢献し、持続可能な社会の実現をめざします。

SBTとは?

「Science Based Targets」の略称です。 2015年に採択されたパリ基準(産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑制するなど)が求める水準と整合した、中長期的な温室効果ガス排出削減目標を設定する企業を認定する国際イニシアティブのことです。

TCFDとは?

G20の要請を受け、金融安定理事会(FSB)により設置された、Task F orce onClimate-related Financial Disclosures( 気候関連財務情報開示タスクフォース)の略称です。企業などに対し、気候変動関連リスクおよび機会に対する取り組みを開示することを推奨しています。

「災害対策の強化」に向けたNTTグループの取り組み

NTTグループは、大規模災害を見据えた通信サービスの安定性・信頼性を確保するとともに、お客さまの災害復旧・事業継続への貢献を進めています。

KDDIとの災害時の物資運搬などに関する相互協力について
~社会的課題の解決に取り組む社会貢献連携協定を締結~

相次ぐ大規模災害や、新型コロナウイルス感染症の拡大など、社会環境の急激な変化にあわせた社会貢献活動を実施し、持続可能な社会の実現をめざすため、2020年9月にNTTとKDDI株式会社は、社会的課題の解決に取り組む社会貢献連携協定を締結し、大規模災害時の船舶を相互利用した物資運搬や、災害対応の訓練・啓発活動における相互協力を開始しました。

NTT澤田純社長・KDDI髙橋誠社長との共同記者会見

NTT澤田純社長・KDDI髙橋誠社長との共同記者会見

災害対策における具体的な取り組み

❶ 災害対応物資の運搬に関する協力

災害発生時に両社が保有するケーブル敷設船を相互活用し、被災地への災害対応物資(可搬型基地局、発電機、燃料、携帯電話、水、食料など)の搬送を行うことで、救済地域の拡大や、迅速な物資運搬を実現し、被災者を支援します。これにより、直下型大地震などにより陸路での物資運搬が困難になった際など、両社いずれかのケーブル敷設船が運航可能な場合に、被災地復旧の支援を早めることが可能となります。

その他、両社の被災地復旧活動において、相互に協力することで復旧の迅速化が見込める分野を継続して検討していきます。

NTTワールドエンジニアリングマリン株式会社が保有する船舶

NTTワールドエンジニアリングマリン株式会社が保有する船舶

❷ 防災活動における協力

(1) 災害時に役立つサービスに共同訴求

  • 災害用伝言板、災害用伝言ダイヤル、災害時無料Wi-F「i 00000JAPAN」などの災害時の通信サービスに関する利用方法などの継続的な啓発活動
  • 大規模自然災害のリスクや、備えに関する両社リソースを活用した啓発活動

(2) 防災イベントの共同実施

  • 両社共同での災害対策訓練の実施
  • 両社地方拠点を活用した地域防災イベントでの共同啓発活動
  • モバイルバッテリーなどの防災グッズの共同配布

また今後、災害対策に加え、就労支援、スマホなどの健全利用、気候変動への対応などさまざまな社会課題の解決に対し、両社の経営資源を合わせることで、競争の枠を超えて協力し貢献できる分野を検討していきます。

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