(注)1. 温室効果ガス排出量の集計範囲は、当社及び連結子会社です。
2. Scope1,2は、日本政府が掲げる地球温暖化対策計画に合わせ2013年度を基準年に、Scope3は、海外グループ会社を含む現在と同等の集計範囲での算定を開始した2018年度を基準年に設定しています。
NTTグループは、事業活動による環境負荷の削減と限界打破のイノベーション創出を通じて、環境負荷ゼロと経済成長の同時実現をめざしています。環境負荷ゼロに向けて、NTTグループは2021年9月に発表したNTT GreenInnovation toward 2040について、Scope1,2での取組みに加え、Scope3への拡大をめざします。
※1GHGプロトコル:Scope1(自らの温室効果ガスの直接排出)、及びScope2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)
※2GHGプロトコル:Scope1, 2を対象
※3再生可能エネルギー(非化石証書活用による実質再生可能エネルギーを含む)の導
入見通し→2020年度:10億kWh、2030年度~2040年度:70億kWh程度導入にあたっては、各国の電源構成等に基づき、最適な電源種別を決定。なお、国内の再生可能エネルギー利用は、NTT所有電源で半分程度をまかなう予定(2030年度)。
※4IOWN導入による電力消費量の削減見通し(対成り行き)→2030年度:▲20億kWh(▲15%)、2040年度:▲70億kWh(▲45%)総電力量に対するIOWN(光電融合技術 等)の導入率→2030年度:15%、2040年度:45%
※5再生可能エネルギー(非化石証書活用による実質再生可能エネルギーを含む)の導入見通し→2020年度:10億kWh、2030年度~2040年度:70億kWh程度導入にあたっては、各国の電源構成等に基づき、最適な電源種別を決定。なお、国内の再生可能エネルギー利用は、NTT所有電源で半分程度をまかなう予定(2030年度)。
NTTアノードエナジーと株式会社JERA(以下、JERA)は、2023年5月18日付で締結した株式売買契約に基づき、2023年8月3日、米国の再生可能エネルギー事業者PatternEnergy Group LPが保有する株式会社グリーンパワーインベストメント(以下、GPI)の株式の取得等を完了しました。
NTTグループでは、2021年9月に発表した環境エネルギービジョンNTT Green Innovation toward 2040において掲げる2030年温室効果ガス排出量の80%削減の目標達成のために、再生エネルギー発電所の開発に取り組んでいます。2030年の再生可能エネルギー導入予定量を約80億kWhとしており、今回の買収によりこの目標達成に大きく近づいたこととなります。
今後、NTTアノードエナジーとJERA、そしてGPIの3社は、それぞれが有する再生可能エネルギー事業のノウハウや知見、強みを効果的に活用し、日本国内の再生可能エネルギーの普及を通じ、日本の2050年カーボンニュートラル実現へ貢献するため、さらに取組みを推進していきます。
NTTアノードエナジーは、NTTグループの新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027powered by IOWN」がめざす循環型社会の実現に向け、再生可能エネルギーの発電事業を拡大するとともに、地産地消型の最適化・効率化された電力の安定供給により、地球にやさしい経済活動を推進していきます。
グリーンエネルギーとICTの組み合わせにより実現するグリーンソリューションを推進し、今後5年間で約1兆円の投資を実施します。
再生可能エネルギーの発電事業を拡大するとともに、蓄電池やEMS※1等を活用した地産地消型で最適化・効率化された電力の安定供給を実現していきます。
※1Energy Management System(エネルギーマネジメントシステム)
NTTデータは、社会全体のカーボンニュートラル実現のため、温室効果ガス排出量可視化プラットフォーム C-Turtle®を提供しています。昨今、企業には温室効果ガス排出量の可視化が求められていますが、算定方法の選択肢が数多く存在し、最適な方法の選定が難しい状況です。企業の排出量は、一般的には「活動量(調達した製品の購入額・数)」×「排出原単位(その製品ごとに決められた固定の排出量(業界平均値))」で算定します。しかし、算定に利用される業界平均値では、取引先のサプライヤが個別に排出量削減を実施したとしても、その削減効果を自社の間接排出量(Scope3カテゴリー1,2)の算定結果に反映できないという課題がありました。一方で、業界平均値を用いず、「活動量(サプライヤ別の取引額)」×「サプライヤ別排出原単位(サプライヤ別の売上高あたりの排出量の割合)」で排出量を算定する方法が「総排出量配分方式」です。C-Turtle®では、単に排出量を算定するだけではなく、サプライヤの削減アクションが取り込め、ともに推進ができる算定方法「総排出量配分方式」を採用している点が特長です。
2022年8月には、国際NGO CDP※1の保有するグローバル企業の温室効果ガス排出量情報等の使用許諾契約を、国内企業として初めて締結しました。C-Turtle®上で、NTTデータが独自に収集したデータとCDPが保有するデータを組み合わせて利用できるようになり、各社の排出実態と整合的な排出量算定が実施可能となります。
※1CDPは、英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)で、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。
https://japan.cdp.net/
NTTビジネスソリューションズ株式会社(以下、NTTビジネスソリューションズ)は、NTTアノードエナジーグループと連携し、自治体・法人のお客さまにおける電気自動車(以下、EV)の導入及びEVとEV蓄電池を活用した電力の最適利用をトータルに支援するソリューション「N.mob(i エヌモビ)」の提供を開始しました。
カーボンニュートラル推進に向けた取組み要請を受け、業務車両のEV化ニーズが高まっている一方で、EVはガソリン車に比べて車両コストが高く、EV充電に伴う最大需要電力増加のための電気代上昇や、充電インフラ不足に伴う走行距離制約等の課題があり、自治体・法人にとってEV導入推進への大きな障害となっています。こうした背景を踏まえ、自治体・法人の業務車両の利用状況を可視化し車両台数の最適化を図るとともに、EV化計画を策定しコストミニマムなEV化を実現します。また、EV運用時の電気代抑制や途中充電の不便性の解消を行う充電制御PFサービスに加えて、EV車両や充放電設備の導入、PPA※1に活用する太陽光発電設備の設計施工をワンストップで提供します。これにより、お客さまの業務車両のEVシフトを継続的に支援します。
NTTビジネスソリューションズ及びNTTアノードエナジーグループは、今後自治体・法人のEVシェアリングや、地域内の多数のEVを仮想的な蓄電池として活用するVPP※2サービス等、より一層EVを効率的に活用するための機能開発を進め、地域の自治体・法人の皆さまと協働し、EVを最適に活用した豊かでサステナブルな地域社会の実現に貢献していきます。
※1Power Purchase Agreement(電力販売契約)
※2Virtual Power Plant(仮想発電所)
NTTグループでは、サステナビリティの推進を重要な経営課題と捉え、特に重要な事項については取締役との議論を踏まえて決定しています。
取締役による監督体制としては、取締役会直下にサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)を設置し、グループ全体の活動方針やその進捗状況を管理しています。サステナビリティに関する方針(憲章及び付随する方針等の制定・改廃、特に重要な指標の決定)は、サステナビリティ委員会を経て取締役会で決定しています。
サステナビリティに関する課題のうち、重要な解決すべき課題・アクティビティとして選定したプロセスについては、2021年度に、第三者機関・ISO26000・GRI Standards等評価機関、SDGs、世界トレンド、社内ワークショップ、他企業のマテリアリティ等を参考に、サステナビリティを取り巻く新たな課題を網羅的に考慮し、NTTグループとして取り組むべき課題をグローバル規模で議論、選択し特定しました。また、取り組むべき優先度については、"企業としての成長"と"社会への課題解決"へのインパクトの両面で評価を行い、社会課題の解決と事業の成長を同時実現するマネジメントをめざし、外部有識者の意見も取り入れ、優先度を評価しました。
上記において特定した課題及びその優先度の設定に関する妥当性は、サステナビリティ委員会で審議した後、取締役会にて定期的(年1回)にレビューし、随時見直しを行うこととしており、2023年4月20日開催の取締役会において、レビューした優先度を踏まえ、①気候変動、②人的資本、③新たな価値創造、④レジリエンスの4項目を2023年度のサステナビリティに関する重要項目として決定しています。
なお、気候変動に関してはサステナビリティ委員会の下部組織である、Green Innovation委員会、またNTTグループ各社とのグループGreen Innovation委員会において、温室効果ガス排出量等の進捗管理等を実施しています。
NTTグループでは、サステナビリティに関する重要項目のリスクや機会について、サステナビリティ委員会で議論し、取締役会に報告しています。
なお、NTTグループのリスク管理プロセスとして、身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定し、代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しており、サステナビリティ関連のリスクの識別、評価、管理に関するプロセスはNTTグループの総合的なリスク管理プロセスに統合されています。
気候変動は、事業環境及びそれに対応した戦略にかかるリスクの1つとしてビジネスリスクマネジメント推進委員会で扱われています。
NTTグループでは、環境エネルギービジョンNTT GreenInnovation toward 2040を策定し、2040年のカーボンニュートラル実現に向けて環境負荷低減の取組みを推進しています。自らのグリーン電力化の推進として再生可能エネルギーの活用を進めるほか、圧倒的な低消費電力をめざしたIOWNの研究開発の推進、インターナルカーボンプライシング制度の導入、グリーンボンドの活用等を進め、環境エネルギーへの取組み及び情報開示の充実を図っています。
機会への対応としては、データセンターにおける再生可能エネルギーメニューの提供拡大や、温室効果ガス排出量可視化プロセスの構築支援、法人や個人のお客さまに対するグリーン電力販売の拡大等に取り組んでいます。
また、NTTグループは、2023年5月に公表した新中期経営戦略の取組みの一つである循環型社会の実現として、グリーンエネルギーとICTの組み合わせにより実現するグリーンソリューションの推進、再生可能エネルギー発電事業の拡大及び地産地消型の最適化・効率化された電力の安定供給の実現、様々な産業間での資源の循環、地域創生の更なる加速による、持続可能な社会の実現をめざします。あわせて、ネットゼロに向け、NTT Green Innovation toward2040のScope3への拡大をめざします。
※12030年度時点での1.5℃シナリオ・4℃シナリオにおける影響度
※2時間軸短期(3年未満)、中期(3-6年未満)、長期(6年以上)を記載、影響度を3段階で記載(▲:小、▲▲:中、▲▲▲:大)
※1推定される年間利益影響:
①カーボンプライシングが導入された場合(▲170億円程度)
②再エネ賦課金・再エネ導入のコスト増(▲100億円程度)
③豪雨や台風による災害復旧(2020年度:▲50億円程度,2021年度:▲2億円程度,2022年度:▲30億円程度)
④気温上昇に伴う空調コストの増大(外気温度が1度上昇した場合は▲6億円)
【前提条件及び算出根拠】
①カーボンプライシング(140USD/t-CO₂)×2030年度目標排出量(2013年度Scope1+2排出量実績465万トンを基準に2030年度▲80%削減)〈カーボンプライシング IEA「 World Energy Outlook 2022」における2030年度の予想単価、Advanced economies:140USD〉
②再エネ賦課金 2030年度:4.1円/kWh、2022年度:3.45円/kW証書コスト1.0円/kWhを元に推計
③2020~2022年度の豪雨や台風等による復旧等の概算影響額
④2022年度の国内電力使用量をもとに推計した空調コスト増加額
(注)1.温室効果ガス排出量の集計範囲は、当社及び連結子会社です。2.Scope1,2は、日本政府が掲げる地球温暖化対策計画に合わせ2013年度を基準年に、Scope3は、海外グループ会社を含む現在と同等の集計範囲での算定を開始した2018年度を基準に設定しています。
NTTのサステナビリティ