検索パネルを開く 検索パネルを閉じる メニューを開く メニューを閉じる

人と地球のコミュニケーション

社会が低炭素化している未来へ

関連するGRIスタンダード:102-11,12,15,29/103-2/201-2/305-1,2,5

関連するSDGs

  • エネルギーをみんなにそしてクリーンに

    目標7:
    エネルギーをみんなに
    そしてクリーンに

  • 気候変動に具体的な対策を

    目標13:
    気候変動に具体的な対策を

  • 海の豊かさを守ろう

    目標14:
    海の豊かさを守ろう

  • 陸の豊かさも守ろう

    目標15:
    陸の豊かさも守ろう

方針・考え方

気候変動の主要因とされるCO2をはじめとした温室効果ガスの排出をいかに削減していくかは、重要な社会的課題です。加えて、近年は、気候変動によって生じる影響に備える「適応策」への取り組みも重視されています。

ICTにおいては、その発展にともなう電力使用量増加に対して、省エネ化の要求が高まっています。一方で、ICTには、社会全体の省エネ化、CO2排出量削減、さらには適応策の提供への寄与が期待されています。

NTTグループは、環境エネルギービジョン「環境負荷ゼロ」の実現に向け、グリーン電力化により自らの事業活動にともなうCO2排出量の抑制に努めるとともに、ICTサービスや最先端技術の積極的な開発、普及に努めることで、社会全体のCO2排出量削減と気候変動への適応に貢献し、社会が低炭素化している未来の実現をめざします。

推進体制

「NTTグループ地球環境保護推進委員会」配下に、NTTの環境エネルギー推進室担当部長を委員長、主要グループ会社8社の環境担当者を委員とした「気候変動対策検討委員会」を設け、NTTグループにおける気候変動対策全体についての施策を検討・推進しているほか、気候変動に関する目標達成に向けた施策の推進、適応に関する方針策定・施策導入、気候変動関連法令への適切な対応を推進しています。

また、配下組織であるワーキンググループ(WG)は、それぞれのテーマに応じた活動を推進。「環境貢献推進WG」は社会のCO2排出削減貢献量の目標値管理やソリューション環境ラベル関連の検討・普及などについて、「低炭素化推進WG」は電力効率の目標値管理や施策推進について、「気候変動関連法令対応WG」は気候変動に関する環境対応の管理などに取り組んでいます。

目標と実績

社会からのCO2排出削減貢献量

NTTグループは、2030年度の目標として、私たちのサービス・技術などを提供することで削減可能な社会からのCO2排出量を、NTTグループ自身のCO2排出量の10倍以上とする目標を設定しています。

これは、私たちが事業を通じて排出するCO2排出量を抑制するとともに、サービス・技術などの提供によって社会全体からのCO2排出量削減に貢献していくための目標です。

スマートフォンや光コラボレーションによる高速・大容量のネットワークの普及によって年々拡大している情報通信の活用は、通信のためのエネルギーを必要としています。しかし一方で、情報通信の活用は、社会の効率化やデジタル化によるモノの削減などによって、通信に必要なエネルギー消費を上回る環境負荷を低減し、社会全体のCO2排出量削減に貢献しています。

社会からのCO2排出削減貢献量は、ICTサービスなどにより得られる省エネの効果をCO2量で数値化しています。省エネ効果の数値化には、TTC(情報通信技術委員会)の標準「ICT製品・ネットワーク・サービスの環境影響評価手法(JT-L1410)」と、LCA日本フォーラムの「ICT(情報通信技術)事業の組織のLCA」研究会の算定方法を参考にしています。

ICTサービスなどの導入により得られる省エネの効果としては、例えば、エネルギーマネジメントによる家庭や会社、工場などでのエネルギー消費削減、渋滞・運行情報解析による渋滞回避、交通ダイヤ効率化・最適化などによるエネルギー消費削減などがあります。

NTTグループ自身のCO2排出量には他の通信事業者やデータセンター事業者がサービスを展開するために必要な設備の排出分も含みます。

通信事業の電力効率

NTTグループは、2030年度の目標として、データセンターを含めた通信事業の通信量当たりの電力効率を、2013年度比で10倍以上※1に設定しています。電力は通信事業継続に不可欠であり、またNTTグループのCO2排出要因の9割以上を占めています。電力利用の効率を上げることは、事業継続リスクの回避と、気候変動の緩和の両面につながると考え、目標を設定しました。

省エネ性能ガイドラインに基づく、省エネ性能の高い機器の導入や、ネットワーク構成の効率化を進めています。

また、2018年10月には、The Climate Groupが主催するエネルギー効率に関する国際イニシアティブEP100※2に電気通信事業者として初めて加盟しました。このような国際イニシアティブに参画することで、NTTグループの環境への取り組みを対外的に宣言し、国際的な環境問題への取り組み姿勢を示していきます。

※1電力効率の算定対象である「通信事業」は、アニュアルレポート記載の「通信事業」セグメントのうち国内の事業を対象(東日本、西日本、コミュニケーションズ、ドコモ、データの5社を対象)

※2事業のエネルギー効率を倍増させること(省エネ効率を50%改善等)を目標に掲げる企業が参加する国際イニシアティブ

事業におけるCO2排出削減

NTTグループは、環境エネルギービジョンの推進の一環として2020年5月にSBTへの参加を表明しています。今後、環境負荷ゼロの実現に向けた取り組みとして、SBTに基づく温室効果ガス排出削減目標を設定していきます。

NTTグループのGHG排出量

NTTグループのCO2排出要因の9割以上を電力使用による間接排出が占めています。NTTグループでは、CO2排出量の抑制に向け、通信事業の通信量当たりの電力効率を2013年度比で10倍以上とするとの目標を掲げ、電力消費量の削減に取り組んでいます。また,社用車の使用にともなうCO2排出量を抑制するために、ハイブリッド車や電気自動車などの低公害車の導入や、ビル単位での社用車の共有化による保有台数の削減を進めています。

2019年度のNTTグループのGHG排出量は、スコープ1(GHG直接排出量)が約13.8万t-CO2eで前年度比16%削減、スコープ2(GHG間接排出量)が306万t-CO2eで前年度比7%削減することができました。

また、事業活動にともなって発生するこれらの環境負荷に加えて、ICTサービスなどを提供するにあたって間接的に排出されるスコープ3(バリューチェーン全体を通じた温室効果ガスの排出量)も算定公表しています。2019年度のスコープ3は約1,965万t-CO2eでした。

NTTグループは他の通信事業者やデータセンター事業者がサービスを展開するために必要な設備等を提供しており、これまでその設備等に必要な燃料や電力は「地球温暖化対策の推進に関する法律」の報告方法に基づきNTTグループのCO2排出量として公表してきましたが、環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver2.3)」に基づいた算定方法を確立したため、2019年度実績値より上記CO2排出量をスコープ3として算定することとしました。

気候変動対応への取り組み

「気候変動」「エネルギー(電力)」「資源」「生態系」といった環境課題は、NTTグループの事業にリスクと機会の両面を与える可能性があります。このような環境に関するリスクと機会については、NTTグループ地球環境保護推進委員会で優先順位を決定し、主要なKPI(重要経営指標)に関してはCSR委員会へ報告しています。環境に関する法令・規制・制度など事業への影響が大きいと判断されるリスクや機会については、全社リスクを特定するビジネスリスクマネジメント推進委員会に報告し、取締役会へも上申することとしています。

中でも「気候変動」については、NTTグループを含めた社会全体でとくに重要な環境課題として認識しています。将来の気候変動によるリスクと機会に関しては、経営戦略に則った評価・施策を実施することで、経営戦略と環境マネジメントの融合性を強化しています。

シナリオ分析の実施

NTTグループは、"Your Value Partner"をキーワードとした中期経営戦略「Your Value Partner 2025」を掲げ、事業活動を通じて、研究開発やICT基盤、人材など様々な経営資源や能力を活用しながら、パートナーの皆さまとコラボレーション(協業)しながら、デジタルトランスフォーメーションの推進により、社会的課題の解決をめざしています。TCFD提言を踏まえ、NTTグループの事業活動を推進する上での気候関連のリスクと機会を、さまざまな気候関連のシナリオのもとで検討していくことにしました。今回、移行リスクと物理的リスクの双方についてシナリオ分析を試行した結果を報告します。

※横スクロールできます

シナリオ 概要 参考にしたメソドロジー
移行シナリオ 急速に脱炭素社会が実現するシナリオ
(2℃未満の目標が達成される未来)
IEA WORLD ENERGY MODEL DOCUMENTATION 2019
物理シナリオ 物理的影響が顕在化するシナリオ
(平均気温が4℃上昇する未来)
IPCC第5次評価報告書
気候変動の観測・予測及び影響評価統合レポート2018

上記にもとづき、将来起こりうる事象と、今後の自社の事業展開を踏まえ、リスクと機会を特定しています。その上で、リスクと機会に対するNTTグループの対応を整理しました。

気候変動関連のリスク

※横スクロールできます

リスク区分 時期 リスクの概要 NTTグループの対応
移行リスク 政策・法規制 中期 ・環境税やFITの負担増
・カーボンプライシングの導入
・グリーン電力化の推進
・電力効率の向上
市場/評判 短期 ・取組みが不十分とみなされた場合の顧客離れや、企業イメージの低下 ・気候変動緩和に貢献するICTサービスの推進
・ICTサービスによるCO2排出量低減効果の情報発信
物理的リスク 急性リスク 短期 ・大雨・洪水などの自然災害増加によるサービス中断の頻発 ・大規模災害を見据えた通信サービスの安定性と信頼性の確保
慢性リスク 中期
長期
・空調電力増加によるオペレーションコスト増加 ・空調設備関連の消費電力削減施策の推進

気候変動関連の機会

※横スクロールできます

機会区分 時期 機会の概要 NTTグループの対応
製品及びサービス 短期
中期
気候変動対応への機運の高まりによる、エネルギー効率の改善に役立つICTサービスの需要増加 気候変動緩和に貢献するICTサービスの推進
低炭素商品
(再生可能エネルギー)
中期
長期
脱炭素社会の実現に向けた、再生可能エネルギーの需要増加 再生可能エネルギー事業の推進を担う新会社(NTTアノードエナジー)の事業拡大
研究開発への投資 長期 通信やデータセンターの更なる電力効率向上のための技術革新の要求 IOWN構想の推進
製品及びサービス 短期
中期
自然災害の多発による、事業継続サービスの需要増加 事業継続ソリューションビジネスの拡大

法令・規制・制度の変更によるリスク

法令・規制・制度の変更によるリスクとしては、電力価格の上昇によるオペレーションコスト増加のリスクがあります。2012年7月に「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」が施行され、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」に起因する負担額は、電力価格に上乗せする形で利用者へ還元されました。また、同年10月に導入された、全ての化石燃料の利用に対する地球温暖化対策のための税(環境税)を理由とした電力価格の値上げも行われるなど、法令・規制・制度の変更によるリスクが電力コストの増加として顕在化しています。

FITの税負担は年々上昇しており、今後も電力料金上昇のリスクがあります。

今後2℃目標※1の達成に向けてカーボンプライシングが導入される可能性もあり、日本においても導入に関する検討が進められています。これにより、さらなるオペレーションコストの増加リスクがあります。

NTTグループは、国内における情報通信設備の運用などで年間80億kWh以上の電力を利用しており、これらの法令・規制・制度の変更により非常に大きな財務的影響を受けるリスクがあります。

※12016年11月に発効した「パリ協定」にて設定された、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べ2℃未満に抑えるという目標。

推定されるリスクの大きさ:段階的に引き上げられる環境税の税負担は、最終的な引き上げによって、0.11円/kWhの電力料金上昇が発生しており、NTTグループには電気料金として、年間7.2億円の追加負担が生じています。さらに、FITの税負担による2.9~3.45円/kWhの電気料金上昇が予定されており、年間191~227億円の追加負担が生じるリスクがあります(追加負担は2019年度の購入電力量実績:65.9億kWhをベースに推計)。カーボンプライシングについては、1kWhあたり2円のカーボンプライスが設定されると仮定した場合、132億円の追加負担が発生することが考えられます。

リスク回避の取り組み

オペレーションコスト増加を最低限に抑えるため、電力使用量の削減施策を継続して推進しています。

具体的には、電力使用量の大部分を占める通信設備の集約や、よりエネルギー効率の高い機器への更改(更改時期の前倒しを含む)を進めています。また、空調最適制御システム(Smart DASH®)や高電圧直流給電(HVDC)システムなどを導入することで、空調・電源などのファシリティ面の改善を実施しています。電力購入に関しても、電力の使用状況を分析するシステムを導入し、電力料金自体を低減する取り組みを進めています。

また、グリーン電力化を推進することで、電力使用による自社CO2排出量を削減し、将来的なカーボンプライシングへの対応も行っています。2020年5月に発表した環境エネルギービジョンでは、定量的な目標として、NTTグループ全体で再生エネルギーの割合を2030年までに30%以上に引き上げることを宣言しています。

気温上昇などのリスク

気温上昇によるリスクとしては、空調設備の消費電力量増加によるオペレーションコスト増加のリスクがあります。

通信設備やデータセンター用の機器は動作時の温度条件が設定されており、設定温度を超える状況では、機器の停止や故障などが発生する可能性があります。そのため、空調機などによって室内温度を一定に保っています。この空調機のエネルギー効率は、外気温が高い場合には下がり、消費電力が増加します。

これらの要因によって、NTTグループは、消費電力の増加による電力コスト増加という、大きな財務的影響を受けるリスクがあります。

また、気温上昇により、自然災害が増加することによるサービス中断のリスクがあります。

NTTグループは、国内外で通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスを数多く提供しています。地震・津波・台風・洪水等の自然災害が発生した場合、これら事業運営に混乱が生じ、安定的なサービス提供が困難になることや、それらの損害についてNTTグループが責任を負う可能性や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する恐れがあるほか、特に大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出などの大きな財務的影響を受けるリスクがあります。

推定されるリスクの大きさ:通信設備・データセンターの空調は、外気温が1℃上昇すると電力料金が0.1~0.3円/kWh上昇すると推定しています。この場合NTTグループには電気料金として、年間6.6~20億円の追加負担が生じるリスクがあります(2019年度の購入電力量実績:65.9億kWhをベースに推計)。

リスク回避の取り組み

オペレーションコスト増加を最低限に抑えるため、空調設備関連の消費電力削減施策を継続して推進しています。

具体的には、ワイヤレス温度センサーモジュールを配置し、各センサーの温度計測値に合わせて空調機を自動制御し省エネを実現する空調最適制御システムを導入しています。また、装置の排熱を効率的に逃がすディフューザや、ブランクパネルの設置、二重床パネルの最適配置などによって空気の流れを制御することで、温度が高くなってしまうヒートスポットを解消し、空調機の設定温度の適正化による省エネを実施しています。

このような空調設備関連も含めた電力使用量削減対策全体に、約89億円(2019年度)の投資(対策の耐用年数15年)を実施しています。

自然災害によるサービス中断のリスクを低減するため、災害時の活用を想定した基地局の整備拡大や移動電源車やポータブル衛星装置などの機動性のある機器の配備や機能の高度化、各地域での防災訓練に参加するなど、設備の強靭化、通信サービスの早期復旧に努めています。また、通信設備や建物などは、自然災害を想定した設計基準を定め、耐災性を確保しています。例えば、洪水などによる浸水を防ぐため、立地条件に合わせて水防扉などを設置し、通信設備への浸水防止を図っています。

気候変動による機会

気候変動により、大雨や台風の増加など自然災害による被害が多発することで、水害、雷害、停電などのリスクが高まるとともに、発生した際の被害も甚大なものとなってきています。そのため、多くの企業においては、災害などの緊急事態が発生したときでも、重要業務の継続、早期復旧を可能とする対策が必要となっています。

NTTグループは、災害時でも絶やすことが許されない日本の情報通信を、100年以上守り続けてきました。そのBCP(事業継続計画)の確かな実績とノウハウをもとに、ソリューションビジネスとして展開し、今後それが非常に大きな事業の機会になると考えています。例えば、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NTTコムウェア、NTT Ltd.を中心としたクラウド技術、NTTファシリティーズでの建物・電力に関する技術など、幅広い分野で事業継続ソリューションビジネスを展開しています。とくにNTTファシリティーズでは、専門の部署を設置し、ビジネス獲得に向けた取り組みを実施しています。

また、2℃目標達成に向けさまざまな施策が検討されている中、施策のひとつとして推奨されているのが、ICTの活用です。NTTグループでは、通信事業者として、様々なICTサービスを提供しています。例えば、以下の分野において、今後気候変動に対する事業の拡大が期待されます。

  • 地域内やビル内、家庭内の効率的なエネルギー使用に関する需要の高まりによる、ICTを活用したエネルギーマネジメントなどのスマートエネルギー事業や、低消費電力データセンター需要の更なる拡大
  • 企業のクラウド移行やデジタル化進展に伴うICTやクラウド技術を活用した事業継続ソリューションビジネス拡大
  • テレワークや遠隔業務等の普及・定着、DX(デジタルトランスフォーメーション)による働き方や業務の変革等、環境負荷低減につながるICTサービスの需要拡大
  • 自然災害やシステム障害等、BCP向けICTサービスの需要の増加

これらのICTの活用にはデータセンターの整備が不可欠です。NTTグループでは、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NTTコムウェア、NTT Ltd.を中心にデータセンター事業を古くから展開し、高信頼でエネルギー効率の高いデータセンターを多数有しています。確かな実績と世界トップクラスの床面積を有するグループのデータセンターへの需要は、気候変動という環境課題の解決に向けさらに増加すると考えています。

気候変動適応への貢献

NTTグループは、気候変動への適応に貢献するため、NTTグループ自身の適応、および社会の適応に向けた取り組みを進め、適応事例の普及・展開を図っています。

気候変動適応への貢献

強い通信ネットワーク・設備づくり
NTTグループは、災害に強い通信ネットワーク・設備づくりに努めています。災害時でも通信サービスを持続して提供するための減災対策であるとともに、気候変動による災害に対しての適応策にもなっています。

社会の適応貢献の事例

公衆電話BOXへのWi-Fi・蓄電池設置
公衆電話ボックスに設置されているWi-Fiアクセスポイントに対し、災害等による長時間停電時に通信手段を確保するバックアップ電源機能の整備を進めています。社会の減災対策に貢献するとともに、気候変動による災害に対しての適応策にもなっています。

分散電源によるバックアップ電源サービス
NTTアノードエナジーグループでは、地域の防災力の強化を目指し、避難所等災害時に防災拠点として重要な機能を担う施設に対し、太陽光発電設備、蓄電池等の分散型電源システムを設置し、グリーンな電力を提供するとともに、停電時に必要な設備への電源バックアップサービスを提供します。また、NTT局舎に設置した蓄電池、及び通信事業で培ってきた直流給電技術を活用し、より耐災性の高いバックアップサービスの提供を目指し、実証を進めております。

主な取り組み

グリーン電力化

環境エネルギービジョンを推進する柱の一つとして、NTTグループ全体でのグリーン電力化を進めています。2020年はNTT持株本社、ならびにNTT研究所4施設などで、100%再生可能エネルギー電力への切り替えを進めています。

さらに、NTTグループでは、自ら再生可能エネルギーの電源開発に取り組むとともに、自社利用を推進し、さらには他社への供給も推進します。例えば、NTTアノードエナジーでは、太陽光発電等、再生可能エネルギー発電所の開発を積極的に進めるとともに、NTTグループの保有するICT技術・直流給電技術を活用し、再生可能エネルギー発電設備や蓄電池等の分散エネルギーリソースをより高度に活用するソリューションの開発・提供を通じ、再生可能エネルギーがより普及しやすい社会基盤の確立に貢献し、持続可能な社会の実現をめざします。

ICT装置の省エネ化に向けて、業界横断で取り組みを実施

NTTは、情報通信関連製品の省エネ性能向上を推進している団体である「ICT分野におけるエコロジーガイドライン協議会※1」にTCA(電気通信事業者協会)のメンバーとして参画しています。協議会では、情報通信機器の省エネ性能の評価基準に関するガイドラインを策定しており、NTTグループはその作成に技術面で貢献しています。また、NTTグループの「省エネ性能ガイドライン」は、この協議会の定めるガイドラインを参考にしています。2010年8月には、「省エネ性能ガイドライン」制定を含めたCO2排出量削減の取り組みに対する自己評価結果の届け出により、NTTグループ8社※2で「エコICTマーク」を取得しました。これは、ICT分野におけるエコロジーガイドライン協議会が定めたもので、電気通信事業者が適切にCO2排出量削減に取り組んでいることを表示するためのシンボルマークです。

NTTグループは、今後も同ガイドラインに基づき省エネ開発・調達を強化するとともに、同協議会と協力しながら、ベンダとキャリアが連携した国内業界全体での省エネ調達の普及にも貢献していきます。このため、NTTグループにおける仕様化プロセスにおけるベンダへの要件提示を徹底するとともに、省エネ性能の情報公開など、企業姿勢も評価基準に含めたベンダ選定を進めていきます。

※1ICT分野におけるエコロジーガイドライン協議会:一般社団法人電気通信事業者協会、一般社団法人テレコムサービス協会、一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会、特定非営利活動法人ASP・SaaS・IoTクラウドコンソーシアムの5団体が地球温暖化防止に業界を挙げて取り組むために設立した協議会

※2NTTグループ8社:NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、NTTデータ、NTTファシリティーズ、NTTコムウェア

ソリューション環境ラベル

ICTによる環境貢献をお客さまにわかりやすく伝えるため、また自ら環境への取り組みを促進するために、「ソリューション環境ラベル制度」を策定し、2009年度から運用しています。

この制度は、NTTグループ各社のICTソリューションのうち、一定の環境負荷低減効果があるものを「環境にやさしいソリューション」として認定し、「ソリューション環境ラベル」を付与するものです。具体的な認定基準としては、「CO2排出量の削減量を定量的に評価したときに、その削減率が15%を超えるもの」としています。

認定された主なソリューションは、NTT公式Webサイトの「NTTグループ環境活動」内のソリューション環境ラベルの紹介コーナーに掲載し、その評価内容を公表しています。

2019年度は新たに6件を「環境にやさしいソリューション」として認定しました。これまでの認定と合わせて、延べ84件のソリューションを認定しています(2019年度末現在)。

ソリューション環境ラベルは、NTTグループが制定した自己宣言型(TYPE II)の環境ラベルです。

「TPR運動」によるグループ一丸となった電力消費量削減

NTTグループの事業活動におけるCO2排出量の9割以上を占める電力使用に対しては、1997年10月から、「TPR(トータルパワー改革)運動」と名づけた省エネ推進活動に一丸となって取り組んでいます。保有するビルにおけるエネルギーマネジメントの推進、エネルギー効率の高い電力装置や空調装置、通信装置の導入や更改に努めた結果、2019年度も継続的な削減を実現でき、グループ全体で成り行きから約2.6億kWhの使用電力量を削減しました。

データセンターの省エネ化

NTTコミュニケーションズはPUE=1.2、NTTコムウェアはPUE=1.1以下という世界最高レベルのエネルギー効率を有するデータセンターを擁しており、ほかのデータセンターにおいても「省エネ性能ガイドライン」に基づき、最も省エネ性能の高いレベル(5つ星)の装置を導入するなど、PUE向上に向けた取り組みに努めています。また、NTTファシリティーズでは、データセンターの消費電力を削減する技術開発に取り組み、電源装置と空調装置の高効率化技術の確立やデータセンター向け統合空調制御システムにより、データセンターの低消費電力化に貢献しています。

Power Usage Effectiveness:データセンター全体の消費電力をサーバなどのICT機器の消費電力で割った値。PUEは1より大きい数字であり、1に近いほど、そのデータセンターのエネルギー使用の効率が優れていることを示す。

EV100の推進

NTTグループの社用車保有台数の削減に取り組むとともに、社用車の電気自動車(EV)化を推進しています。グループで保有する国内一般車両について、2025年までに50%、2030年までに100% EV化をめざします。これに伴い、通信ビル敷地等を活用した電気自動車用充電器の整備を進めています。

これらの取り組みを対外的に発信するため、2018年10月には、The Climate Groupが主催するエネルギー効率に関する国際イニシアティブEV100に電気通信事業者として初めて加盟しました。また、2020年5月には株式会社日立製作所、株式会社リコー、東京電力ホールディングス株式会社と合同で、電動業務用車両の普及を目的とした電動車活用推進コンソーシアムを設立しました。今後、車両使用の共有化、モビリティ領域における脱炭素化の推進、災害時の活用や制度・法令に関する取り組みを推進していきます。

EV100:企業による電気自動車の使用や環境整備促進をめざす国際イニシアチブ。

IOWN構想の実現に向けた取り組み

ICTの発展にともない、ネットワークを流通する通信量が飛躍的に増大してきています。これまで、エネルギー効率の高い通信装置の導入や更改などによる電力効率の向上で省エネ化を実現してきました。しかし、ムーアの法則に沿って高性能・高効率化が進んできた電子回路技術は、微細加工や集積密度の制約により速度と消費エネルギーの面で限界が近づいているとされています。NTT研究所では、光技術を信号処理に導入し、光電融合による新しいコンピューティング基盤の実現をめざした研究開発を推進し、世界最小エネルギーで動作する変調器や、光入力信号を別の光へ変換・増幅出力させる「光トランジスタ」を実現しました(2019年4月発表)。

NTTグループでは、光電融合技術を発展させ、ネットワークから端末まで全てに「フォトニクスベース」の技術を導入するオールフォトニクスネットワークを柱の1つとしたIOWN構想を立ち上げました。オールフォトニクスネットワークでは、フォトニクス技術適用部分の電力効率100倍を目標としており、ネットワークの抜本的な低消費電力化が期待されます。