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チームNTTのコミュニケーション

人権の尊重

関連するGRIスタンダード:102-16/103-2/412-1

関連するSDGs

  • 人や国の不平等をなくそう

    目標10:
    人や国の不平等をなくそう

方針・考え方

NTTでは、グローバルに事業展開していく企業グループとして人権の尊重が企業にとって重要な社会的責任であると考えています。その認識のもと、NTTグループのバリューチェーンに関わる全ての人びとに対する人権への配慮と人権マネジメントの強化が必要であると考えています。その考え方を表明するものとして2014年に「NTTグループ人権憲章」を制定しました。この憲章では、尊重すべき人権の定義を「国際的に認められた人権」と明記し、世界人権宣言、国際人権章典、国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に記された中核的労働基準の8条約に記載されている内容が最低限守られるべき基準としています。また、人権尊重のマネジメント手法として、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」および「ISO26000」の考え方を採り入れています。さらに、この憲章の考え方を踏まえた「人権に関する基本方針」を別に定め、さまざまな人権問題の解決に向けて取り組んでいます。

NTTグループ人権憲章

私たちは、人権の尊重が企業にとって重要な社会的責任であるとの認識に立ち、その責任を果たすことにより、安心・安全で豊かな社会の実現をめざします。

  1. 私たちは※1、あらゆる企業活動を通じて、世界人権宣言をはじめ国際的に認められた人権※2を尊重します。
  2. 私たちは、人権への負の影響の回避・低減に努めることで、人権尊重の責任を果たしていきます。万が一、人権への負の影響が生じた場合には、適切に対応します。
  3. 私たちは、自らが差別をはじめ人権侵害に直接的に関与しない、また間接的にも加担しないように努めます。
  4. 私たちは、ビジネスパートナーによる人権への負の影響がNTTグループの商品やサービスに直接関係している場合には、これらの関係者に対して人権を尊重し、侵害しないよう求めていきます。

※1「私たち」とは、NTTグループおよびその役員・従業員をいいます。

※2「国際的に認められた人権」とは、国際的に守られるべき最低限の基準とされる宣言、規約であり、具体的には次の通り。
【国際連合】〔世界人権宣言と2つの人権規約〕
・世界人権宣言(1948年国際連合総会で採決)
・「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(1966年国際連合総会で採択、1977年発効)
【国際労働機関(ILO)】〔ILO宣言の中核8条約上の基本原則〕
・労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言(1998年第86回国際労働機関総会で採決)中核8条約:「強制労働」「結社の自由と団結権」「団結権及び団体交渉権」「同一価値の労働に対する同一報酬」「強制労働の廃止」「雇用及び職業についての差別待遇」「就業の最低年齢」「最悪の形態の児童労働」

※32項~4項の実施にあたっては、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」およびISO26000の考え方を適用し、ここで示される手順に従います。

人権に関する基本方針

NTTは、人権が重要な問題であることを確信しており、その尊重に向けた取り組みは、企業が果たすべき社会的責任であるとの認識に立ち、安心・安全で豊かな社会を築くため、人権を尊重する企業体質の確立をめざします。

  1. 経営幹部自ら率先して、全てのステークホルダーの人権を尊重します。
  2. 事業活動を通じて、同和問題をはじめとした人権問題の解決に努めます。
  3. 多様性を尊重し、機会均等の推進に努めるとともに、ハラスメントのない健全な職場環境づくりを行います。
  4. 人権尊重の観点から必要の都度、業務内容等について見直しと改善を行い、事業活動へ反映します。
  5. 「人権啓発推進委員会」により、人権啓発活動の推進と活性化を図ります。
  6. NTTグループ各社の人権啓発に関する取り組みについて、積極的に支援します。

推進体制

人権尊重に対する考え方や人権意識を持った事業活動への取り組みをNTTグループ全体に理解・浸透させていくことが重要であると考え、NTTは幹部会議のもとに代表取締役副社長を委員長とした「人権啓発推進委員会」を設置しています。こうした体制のもと、人権に関するデューディリジェンスの実施、人権課題に関する研修(グループ会社を含む役員向け研修、全社員研修等)、人権に関する相談窓口の設置および運営など、グループ一体となった人権意識の向上、人権マネジメントの強化に取り組んでいます。

体制図

主な取り組み

デューディリジェンスの実施

NTTグループでは、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、「ISO26000」などの人権に関する国際的な基準に基づき、2014年に「NTTグループ人権憲章」を制定しました。この憲章の考え方に基づき、人権デューデリジェンスプロセスを段階的に導入・実施しています。

2015年度には、海外において重要な特定の事業・エリアを対象にプレアセスメントを実施し、事業にともなう人権課題を見立て、2016年度には国内外の全てのグループ会社を対象に「ビジネスと人権に関する指導原則」の考えに基づいた「人権マネジメント調査」を実施しました。この調査では、人権方針の有無や人権問題を取り扱うマネジメントシステム、取り組むべき人権課題について、確認しました。結果、258社のうち、250社において取り組むべき人権課題が特定され、248社で具体的な啓発活動が取り組まれていることを確認しました。

2017年度以降は、これまでの社内調査の結果をもとに、外部専門機関によるリスク評価を実施しています。2017年度には、潜在的人権インパクトアセスメントを実施し、NTTグループの事業がステークホルダーの人権に負の影響を及ぼす度合いを、「国別の将来的な人権リスク」と「事業内容に応じた人権リスク」の観点で評点化しました。その結果、優先的に取り組むべきエリアをアジアに設定するとともに、ICT事業に関わる人権指標を21項目に設定しました。

年表

2018年度には、前年度の取り組みの検証として、顕在的人権インパクトアセスメントを実施しました。アジアにおけるカントリーリスクと事業インパクトなどを勘案し、インドをアセスメント対象国に選定。現地法人および事業内容に応じた人権リスクに関わる現地NGO団体にインタビューを実施しました。その結果、現時点で、事業運営上の大きなリスクとなる深刻かつ重大な人権課題は認められませんでした。一方で、マッピングされた21の人権指標の中から、インドにおいて優先的に取り組むべき人権課題が特定されました。

2019年度は、各社人権担当窓口及びマネジメント状況の確認と当社グループの優先すべき人権課題案の特定を目的に、2016年度に続き、人権マネジメント調査の第2回目を実施。以下の項目について、NTTグループおよびサプライチェーンを対象として調査を行いました。

  • 児童労働
  • 人身売買
  • 賃金
  • 労働時間
  • 職場における差別
  • 強制労働
  • 結社の自由と団体交渉権
  • 移住労働者
  • 労働安全衛生
  • 若年労働者
  • 救済へのアクセス
  • 表現の自由
  • プライバシー権
  • 性的マイノリティ
  • 少女の権利
  • 恣意的な逮捕と監禁
  • 治安部隊と人権
  • 騒音や環境汚染
  • 土地、不動産、住宅の権利
  • 女性の権利
  • 少数者の権利

結果、5つの優先すべき人権課題案「女性の権利」「プライバシー権」「労働時間」「労働安全衛生」「結社の自由と団結権」を抽出するとともにグローバルな人権課題を捉えたマネジメントの再構築が急務という課題を認識しました。また、海外3団体(Verisk Maplecroft, World Benchmarking Alliance, Corporate Human Rights Benchmark)及び国内1社(日本総研)と、当社人権啓発推進室長以下の5名でダイアログを実施し、NTTグループの人権尊重の取り組み全般、ICT業界の人権、課題、情報開示、グループ一体となった取り組み推進に対するアドバイスを受けました。

2020年度は、優先課題に対して、グローバル含めたNTTグループ企業一体としての理解の醸成を踏まえることを目的に外部有識者BSRの協力を得て課題ごとに社内向けレクチャーを実施するとともに、各社からの取り組みを報告するダイアログを数回にわたって実施しました。また、グローバルICT企業として求められる人権マネジメントの内容及び競合他社の状況を調査し、ギャップ分析を実施しました。

2021年度は継続して各社とのダイアログを実施し、ギャップ分析から当社のマネジメントの強化すべき方向性を定めます。また、課題ごとにステイトメントを作成して当社のポリシーを訴求するとともに、現在の人権憲章もグローバルな動向を踏まえた新しい内容に改訂も進めます。

ステークホルダーダイアログの実施

人権専門家との取り組みレビュー

実施概要

2019年10月、海外3団体および国内1社から計4名の人権専門家および有識者の方を招き、NTTグループの人権尊重の取組みについて共有しました。人権専門家および有識者の方からは、NTTグループの人権尊重の取組み全般、ICT業界の人権課題、情報開示、グループ一体となった取組み推進に対するアドバイスを受けました。

ダイアログ参加者

人権専門家および有識者
Verisk Maplecroft ガス・マクファーレン氏
(Mr.Gus MacFarlane)
World Benchmarking Alliance パウリーナ・マーフィ氏
(Ms.Pauliina Murphy)
Corporate Human Rights Benchmark カミーユ・ル・ポルス氏
(Ms.Camille Le Pors)
株式会社日本総合研究所 若目田光生氏

日本電信電話株式会社 総務部 人権啓発室長 他5名

経済人コー円卓会議日本委員会 ディレクター 他2名

ダイアログでは、プライバシーや人権の取り扱いの必要性、苦情処理システムの設置とマネジメントシステムへの組み込み、海外グループ全体と連携した人権マネジメント体制の確立、これらの取り組みに対する情報開示の必要性等、多岐にわたるテーマについて意見交換を行いました。人権をテーマとした有識者とのダイアログは今回が初めてであり、今後の人権マネジメントにおいて、本レビューを受けた対応策の検討、並びに今後も継続的なダイアログを実施することで、人権に対する取り組みを推進することの重要性を確認しました。

対外発信

NTTグループは、「ビジネスと人権」取組みの発信に努めています。2019年度は、経済人コー円卓会議日本委員会が主催する国際会議(企業/NGO/NPO/大学関係を含む54社8団体から97名が参加)において、NTTグループにおけるビジネスと人権に関する活動経緯と、2017年から2018年にかけて実施した人権デューディリジェンス・人権リスク評価の結果、グループ企業への展開状況などを説明しました。また、今後継続的にリスク評価の実施、「ビジネスと人権」に関する教育・啓発の強化、実効的なマネジメント体制の構築に取り組んでいく考えを紹介しました。

グループ一丸となった組織的な人権研修・啓発

人権の尊重および基本的人権の考え方やグローバルな人権基準に対する意識を浸透させることを目的として、入社時、昇格時など事業活動に関わるさまざまな人権課題に関する研修を実施しています。さらに、グループ会社の経営トップや管理者などの経営層に対しては、外部専門家によるグローバルな人権の潮流などに関する講演を実施しているほか、世界人権デーに合わせた担当役員からの人権メッセージの発信や従業員・その家族を対象とした「人権啓発標語」の募集を実施し、従業員の人権意識の醸成を推進しています。

また、「NTTグループ人権憲章」の考え方を浸透させるため、2014年度以降、国内のグループ会社に対して研修用のeラーニングコンテンツを共有し、全社員研修などでの啓発・教育を継続して実施しています。研修では人権尊重の重要性とNTTグループ全体で取り組むことの意義を伝えています。

人権に関する相談窓口

NTTグループでは、従業員の人権に関して、あらゆる相談を受けるための相談窓口を社内外に設置しています。

そのひとつである「企業倫理ヘルプライン」では、社内への通報が困難な場合や、従業員以外の第三者の方からの相談にも対応できるよう社外弁護士が受け付けし、秘匿で相談できる社外相談窓口も設置しています。なお、相談にあたっては、メール・電話・手紙などさまざまな手段に対応し、その際の相談者のプライバシーは保護され、不利益が生じないように秘密保持を徹底しています。

相談窓口はコンプライアンスに関する受付窓口と同一としており、詳細はP097を参照ください。

人権違反事例の開示と是正措置

NTTグループの従業員向け企業倫理Webサイトでは、コンテンツとして「企業倫理行動Q&A」を設置し、代表的な事例を9つ挙げ、具体的な行動、企業倫理上問題がある理由、その根拠となる法律などを紹介することで周知徹底と再発防止に努めています。また、人権に関わる懲戒処分があった場合、その事例を抜粋して同サイト上で解説することで、従業員の意識向上に努めると同時に、注意喚起や研修などを実施することで、再発防止に努めています。

海外での取り組み

英国現代奴隷法への対応

英国で施行されたModern Slavery Act 2015に基づき、NTTグループ各社では声明を公表しています。

B-BBEEの導入

NTTの子会社ディメンションデータが本社を置く南アフリカでは、アパルトヘイト時代に不当な差別で不利な立場に置かれている人びとの地位向上に向けた政策「Broad-Based Black Economic Empowerment (B-BBEE)」が導入されています。この「B-BBEE」は、南アフリカ政府による評価基準として、所有権、経営支配、雇用均等、技能開発、優先調達、事業開発、社会経済発展の各項目が定められ、それに対する企業の貢献具合がスコアカードに従って評価されます。所有権、雇用均等、技能開発等における取り組みの結果、2020年3月には、8段階ある貢献度評価で2番目に高い「レベル2」の認証を受けました。これは、前年よりも2段階高い評価となっています。