NTTグループの事業に欠かせない通信設備、特に電柱、通信ケーブルなどは自然環境の中に設置しており、生態系に対し少なからず影響をおよぼしています。また、通信ケーブルなどがリスやカラスによってかじられ破損するなど、生態系から影響を受けることもあります。生物多様性を含む生態系からの恵み(水や食料など)は、人類を含む生物全体にとって不可欠なものであり、その保全に向け考える必要があります。
ありのままの自然を未来に引き継ぐために、事業活動および社員活動を通して、自然に寄り添い、生態系保全に関する取組み(自然資本への配慮)を推進します。
事業活動および社員活動を通して、自然に寄り添い、生態系保全に関する取組み(自然資本への配慮)を推進していきます。
データセンターをはじめとした建物等の環境アセスメントの実施を徹底します。
NTTグループは、データセンター、鉄塔・通信ケーブルなどの建物・通信設備や、太陽光発電設備においてNTTグループのガイドラインを遵守し、地域環境への影響把握に努め、最適化を図ります。
NTTグループの事業活動に必要となる、通信設備、データセンターをはじめとした建物および太陽光発電設備など少なからず環境に影響を及ぼしています。そのため、生態系に配慮した設計などを行っています。
NTTグループは、データセンターなどの建物を新たに建設する際等に、グループ独自の「建物グリーン設計ガイドライン」にもとづき、建物の敷地およびその周辺地域の歴史的、社会的、地理的、生物的な環境特性の把握に努め、必要に応じて設計に反映しています。たとえば、近年情報通信インフラの中核となりつつあるデータセンターでは、地域固有の植生を生かした緑化に取組んでいます。
さらに、お客さまに新規データセンターの構築を提案する際は、「建築環境総合性能評価システム(CASBEE)※1」で最高評価となるSランクの取得をめざした提案に努めています。このような環境への配慮と同時に、施工時には低騒音・低振動、地域美化などに配慮し、運用時には空調屋外機や非常用発電機に近隣への排熱や騒音の影響を抑制するための工夫も施しています。
品川シーズンテラスでは標準的な建物と比べ、年間の一次エネルギー消費量をオフィス部で51%(建物全体では43%)削減することで、主用途であるオフィス部の評価で建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランクである5☆および「ZEB※2 Ready」認証を2019年12月に取得しました。自然光や風を取り込む吹き抜け空間や涼しい外気を利用する排熱システム、下水熱エネルギーを利用した空調設備、再生水の利用など、快適性と省エネルギー性能の高い環境に配慮した設計・設備を導入するなど、国内最高水準の環境配慮型オフィスビルです。
生態系への影響を考慮した事業活動を推進していきます。
NTTグループは、生態系保全と自然資本への配慮を前提に、最善を図る事業活動と社員活動を推進していきます。
ICTサービスを提供する企業として、その情報発信能力を活かした貢献活動にも取組んでいます。NTTグループ内のあらゆる業種・業態に適用されるガイドラインで、事業活動で使用する資材に対して配慮することが明記されています。NTTグループ内の各事業所における調達活動・購買活動に適用され、負荷の低い森林認証紙や再生可能エネルギー電力への転換等を進めています。再生可能エネルギー電力は、化石燃料採掘や温暖化による生態系への負荷と比べてネガティブインパクトが小さいと考えられます。
NTTグループでは、法人のお客さま・個人のお客さま向けに、それぞれ再生可能エネルギー電力をご利用いただくサービス提供を行っており、社会全体としての生態系への影響を低減する事業活動を推進しています。
NTTドコモは、生物多様性の保全と回復に向けた取組みとして、奄美・沖縄を対象に、環境保全・地域振興を目的とした世界自然遺産推進共同体の発足に携わり、推進しています。地域企業に加え、市町村や地元の大学と共に、希少種および自然環境の活用を通じた地域貢献・地域振興にも取組み、世界自然遺産登録をはじめ、環境保全と地域振興の循環モデルの確立をめざしました。今回、海洋ごみ問題の取組みも沖縄県の環境保全に必要な活動として、地元の団体と一緒に活動を行いました。漂流ごみを回収することで、清掃活動や海洋生物の負荷を少しでも軽減することができればと想いを込めて海洋ごみ回収ドローンを製作しました。
海洋ごみ回収ドローンはスマートフォンを使って操作ができ、ドローンに設置されたカメラからスマートフォンへ映像をリアルタイムに送ることで、映像を見ながら直感的に回収作業が可能です。ウミガメの外装は、現地の清掃活動で回収したプラスチックごみをプレート加工し、装飾として再利用しました。
同時に海面上のごみを空から探すためのカモメ型のドローンも製作。ウミガメ型海洋ごみ回収ドローンと同様にカメラを搭載し、リアルタイムに空からの映像をスマートフォンに送ります。海岸線エリアなど、人が行きづらい場所を広範囲に探索することが可能です。
自然(地球)との共生