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Social Challenge 3
人と自然が寄り添う未来へ

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なぜ取組むのか

NTTグループの事業に欠かせない通信設備、特に電柱、通信ケーブルなどは自然環境の中に設置しており、生態系に対し少なからず影響をおよぼしています。また、通信ケーブルなどがリスやカラスによってかじられ破損するなど、生態系から影響を受けることもあります。生物多様性を含む生態系からの恵み(水や食料など)は、人類を含む生物全体にとって不可欠なものであり、その保全に向け考える必要があります。

何を成し遂げるか(実施目標)

ありのままの自然を未来に引き継ぐために、事業活動および社員活動を通して、自然に寄り添い、生態系保全に関する取組み(自然資本への配慮)を推進します。

将来的な展望・見通し

事業活動および社員活動を通して、自然に寄り添い、生態系保全に関する取組み(自然資本への配慮)を推進していきます。

Business Activity 10
環境アセスメントの徹底

コミットメント内容

データセンターをはじめとした建物等の環境アセスメントの実施を徹底します。

具体的目標

NTTグループは、データセンター、鉄塔・通信ケーブルなどの建物・通信設備や、太陽光発電設備においてNTTグループのガイドラインを遵守し、地域環境への影響把握に努め、最適化を図ります。

背景・考え方

NTTグループの事業活動に必要となる、通信設備、データセンターをはじめとした建物および太陽光発電設備など少なからず環境に影響を及ぼしています。そのため、生態系に配慮した設計などを行っています。

データセンターをはじめとした建物の環境アセスメント

NTTグループは、データセンターなどの建物を新たに建設する際等に、グループ独自の「建物サステナビリティ設計ガイドライン」にもとづき、建物の敷地およびその周辺地域の歴史的、社会的、地理的、生物的な環境特性の把握に努め、必要に応じて設計に反映しています。たとえば、近年情報通信インフラの中核となりつつあるデータセンターでは、地域固有の植生を生かした緑化に取組んでいます。

さらに、お客さまに新規データセンターの構築を提案する際は、「建築環境総合性能評価システム(CASBEE)※1」で最高評価となるSランクの取得をめざした提案に努めています。このような環境への配慮と同時に、施工時には低騒音・低振動、地域美化などに配慮し、運用時には空調屋外機や非常用発電機に近隣への排熱や騒音の影響を抑制するための工夫も施しています。

活動事例紹介

NTT都市開発
品川シーズンテラスが「ZEB Ready」認証を取得

品川シーズンテラスでは標準的な建物と比べ、年間の一次エネルギー消費量をオフィス部で51%(建物全体では43%)削減することで、主用途であるオフィス部の評価で建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランクである5☆および「ZEB※2 Ready」認証を2019年12月に取得しました。自然光や風を取り込む吹き抜け空間や涼しい外気を利用する排熱システム、下水熱エネルギーを利用した空調設備、再生水の利用など、快適性と省エネルギー性能の高い環境に配慮した設計・設備を導入するなど、国内最高水準の環境配慮型オフィスビルです。

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  1. CASBEE:建築環境総合性能評価システム。環境配慮性や室内の快適性、景観への配慮など、建物の品質を総合的に評価する仕組み
  2. 先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることをめざした建築物

Business Activity 11
生態系保全に向けた貢献

コミットメント内容

生態系への影響を考慮した事業活動を推進していきます。

具体的目標

NTTグループは、生態系保全と自然資本への配慮を前提に、最善を図る事業活動と社員活動を推進していきます。

背景・考え方

ICTサービスを提供する企業として、その情報発信能力を活かした貢献活動にも取組んでいます。NTTグループ内のあらゆる業種・業態に適用されるガイドラインで、事業活動で使用する資材に対して配慮することが明記されています。NTTグループ内の各事業所における調達活動・購買活動に適用され、負荷の低い森林認証紙や再生可能エネルギー電力への転換等を進めています。再生可能エネルギー電力は、化石燃料採掘や温暖化による生態系への負荷と比べてネガティブインパクトが小さいと考えられます。

NTTグループでは、法人のお客さま・個人のお客さま向けに、それぞれ再生可能エネルギー電力をご利用いただくサービス提供を行っており、社会全体としての生態系への影響を低減する事業活動を推進しています。

活動事例紹介
NTTデータ 『CO2 Sink』

ネットゼロ社会の実現に向けて、どうしても削減しきれないGHG排出量を相殺するために、カーボンクレジットの利用が拡大する見込みです。ただし、カーボンクレジットは、クレジットとしての価値を訴求するにあたり、ビンテージ・二重計上防止・永続性担保など品質担保の課題があります。
そこでNTT DATAは、有力なGHG吸収源である森林に着目。イタリアのカラブリア州で「CO2Sink」というソリューションを用いて、森林のGHG吸収量を大規模かつ透明性あるかたちで測定するよう取り組んでいます。ここでは、衛星データと森林に設置したセンサーのデータを組み合わせて、機械学習により生態系のGHG吸収量を正確に定量化することで、数千ヘクタールの森林を容易にモニタリングします。これにより、高品質なカーボンクレジット創出を目指しています。企業による適切なクレジット利用の開示・主張を促し、脱炭素に貢献していきます。

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活動事例紹介
NTTドコモ
水中ドローンを活用したサンゴ生態調査支援

NTTドコモでは、「OISTサンゴプロジェクト」のスペシャルパートナーとして、サンゴ生態調査への協力を通じた生物多様性の保全に取り組んでいます。

OIST研究グループによるサンゴ生態調査では、ドコモの水中ドローン技術の活用により、これまで解明が困難であったより深い海域(30mから80m)における映像・写真による調査や海水の採取などを通じ、サンゴ礁エコシステムの研究を支援しています。

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※学校法人沖縄科学技術大学院大学(OIST)によるサンゴ保全プロジェクト
https://www.oist.jp/js/oist-coral-project

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NTTグループにおける自然への依存関係や影響の調査

潜在的な依存・影響の調査

NTTグループでは、世界中に多くの事業用施設を有しており、自然に依存するとともに、自然への影響を与えています。NTTの考える「持続可能な社会」の実現に向けた「自然との共生」の取組を深めていくため、これらの自然との関係性について、概要把握に向けた調査を行いました。
まず、移動通信事業・地域通信事業・ICT事業および再生エネルギー事業を対象とし、 NTTグループで使用している主要な事業設備の種類別に、ENCORE1等を用いた自然への潜在的な依存・影響に関する検討を行いました。
その結果、原材料調達段階では、事業共通で、原材料調達(金属採掘)における周辺生態系への影響や取水による影響、周囲への汚染の影響が挙げられました。
また、設置・運用段階では、主な設備種類別に、データセンターにおける取水による影響や、その他通信設備・再生エネルギー発電設備における周辺生態系への影響などが挙げられました。
さらに、廃棄段階では、周囲への汚染の影響が挙げられました。

これらをふまえ、金属原料の採掘段階における自然関連リスクの概要把握に取り組むとともに、設置・運用段階におけるNTTグループの直接操業設備について、実際の自然への影響度を検討するため、地域性評価を行いました。なお、廃棄段階については、すでにNTTグループにおいては廃棄物のリサイクルに努めており、撤去通信設備の99%超がリサイクルされていることから、影響は僅少と捉え、調査の対象外としています。(☞関連リンク

1ENCORE (Exploring Natural Capital Opportunities, Risk and Exposure)
*を付したものは、自然への依存関係を、*のないものは自然への影響関係を示す

設置・運用
直接操業設備における地域性評価の実施

設置・運用段階における直接操業設備の地域性評価については、NTTグループ設備のうち、発電設備(太陽光、風力)および通信設備(データセンター、その他通信設備)の全設備数(約10万施設)に関し、施設の類型別にサンプリングによる調査を行いました。

この結果、発電設備、データセンター、その他の通信設備のいずれも、サンプルの数%程度において、生物多様性の重要性が高い地域への立地が見られました。 また水については、データセンターについて、海外拠点の一部について水ストレスが高い地域への立地が見られました。 発電設備(太陽光、風力)においては、想定される自然への依存・影響が大きく、かつ多岐にわたる傾向等をふまえ、今後、重要性が高い地域に立地する設備において生じるリスクの有無や、追加的にとりうる対応策の検討を行うこととしています。 データセンターについては、自然にもたらす影響が主に取水によるものと考えられることから、各事業会社において取水量や周囲の水環境に関する情報収集を行っており、これらから生じるリスクは少ないことを個別に確認しています。 通信設備は、事業の性質上、電信柱やRT-BOXといった軽微な設備も含め、全国に多数分布しています。重要性が高い地域に立地する通信設備については、各施設の影響として周辺生態系への懸念事象が生じていないか把握するため、一部の保護地域における公園管理者、施設管理者等のステークホルダーとの意見交換による現状把握を行いました。その結果、これらのヒアリングを行った設備に関しては懸念事象はなく、事業上生じうるリスクは低いと判断しています。今後は、その他の地域でも影響度の精査を進めるとともに、新たな設置を行う場合の自主ルール化や環境影響の緩和を含め、とりうる対応策の検討を行います。

今回、サンプリング調査の対象とした設備の他にも、化学物質を用いた研究活動を実施している研究機関では、個別に排水処理施設の設置や化学物質漏えい防止対策などを実施し、これら処理排水が法規制値以下の水質となっていることを、定期的に水質監視して確認しています。なお、NTTグループでの重大な漏出の実績はなく、こうした施設においても環境汚染に関するリスクは低いと判断しています。

表.【直接操業設備の地域性評価結果】

(注釈)
NTT Ltd. が所有する海外施設は、地域性評価の対象に含まれていない。

生物多様性評価ツール(IBAT)イメージ

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Aqueduct イメージ

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(備考)
生物多様性リスク: 生物多様性リスク評価ツール(IBAT)を用い、KBA (生物多様性保全の鍵となる重要地域)にあたる地域へ立地するかにより評価した。
水リスク: WRI Aqueduct 2019を使用し、Baseline Water Stressにおける「High」「Very High」とされた地域へ立地するかにより評価した。

原材料調達
金属原料の採掘段階における自然関連リスクの概要把握

金属材料の採掘段階については、主要な金属として銅、鉄、アルミニウム、レアメタルの4種を取り上げ、日本への輸出が多い主要産出国における主要鉱山について、立地を生物多様性リスク・水リスクの観点から評価することで実施しました。これらの結果、生物多様性リスクは非常に多くの鉱山で高リスクであること、水リスクも半数程度の鉱山でリスクが高く、自然への大きな影響を与えうることが分かりました。

NTTグループでは、サプライチェーンにおいて持続可能な社会の実現に向けた取組みを進めていくため、サプライヤーに対し、「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」及び「NTTグループグリーン調達基準」の遵守を依頼し、定期的に環境保全に関する取組状況についてアンケート・調査等を行うほか、企業評価や製品評価を実施しています。今後、これらの枠組の中で、自然・生物多様性保全に関するサプライヤーとの対話を強化し、金属資源の採掘を含む上流工程における、生物多様性の保全や地域の水資源の保全に関する取組強化を検討します。

表.【主要な金属資源の採掘地に関する生物多様性リスク・水リスクの状況】

(備考)
生物多様性リスク: 生物多様性リスク評価ツール(IBAT)を用い、70㎞圏内にKBA・保護地域がある場合に高リスクとした。
水ストレス: WRI Aqueduct 2019を使用し、Baseline Water Stressにおける「High」「Very High」とされた生産拠点を高リスクとした。
なお、割合は、金属種類ごとの調査拠点数(主要産出国における主要鉱山)を分母とした割合。レアメタルについては、主要統計における拠点情報の入手可能性をふまえ、また通信事業における電子部品原料を念頭に、タンタルを選定した。