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NTTグループTCFD提言にもとづく開示

NTTグループでは、金融安定理事会(FSB)の気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が公表した提言に対して、2020年5月に賛同を表明し、同年のサステナビリティレポートよりTCFD提言の開示推奨全11項目に沿った情報開示を開始しました。気候変動が将来NTTグループに与える影響について、シナリオ分析を実施した結果、特に脱炭素社会への移行に向けた政策・法規制、社会的要望による影響が顕在化することがわかりました。

これらのリスクに対して、2021年9月に新たな環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」を策定しました。2040年カーボンニュートラル、2030年に80%削減を目標に、再生可能エネルギーの開発・利用拡大、IOWN導入による消費電力の削減に積極的に取組むことで、リスク影響の削減に対応します。

また、カーボンニュートラルに貢献するサービスの提供を通じて、自らの事業成長へとつながるレジリエンスを推進するとともに、気候変動に起因した社会課題の解決や持続可能な社会の実現へ貢献していきます。

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環境マネジメント体制

NTTグループでは、気候変動に関する環境課題を重要な経営課題と捉え、特に重要な事項については、取締役との議論を踏まえて決定しています。たとえば、2021年9月に発表した新たな環境エネルギービジョン「Green Innovation toward 2040」は、社外取締役を含めた全取締役と2021年度3回に渡り議論を行い、取締役会にて決議し、策定されました。

温室効果ガス排出量については、各グループ会社の事業計画に組み込むとともに、達成状況について、今後、重要な指標として役員報酬に反映していきます。

取締役による監督体制としては、2021年11月から取締役会直下にサステナビリティ委員会(委員長:社長)を設置し、サステナビリティ委員会の内部委員会として、Green Innovation委員会を設置しました。グループ全体の環境活動方針やその進捗状況をGreen Innovation委員会にて管理・推進し、サステナビリティに関する方針(憲章および付随する方針等の制定・改廃、特に重要な指標の決定)は、サステナビリティ委員会を経て取締役会で決定、それ以外の項目は執行役員会議で決定する体制としました。経営陣の役割としては、環境課題やリスクを把握するとともに、これらの状況を勘案し、事業を推進していきます。

NTTグループ各社横断的に環境課題について取組むことを目的としたグループGreen Innovation委員会では、研究企画部門長を委員長とし、主要グループ会社の環境を所掌する主要各社責任者等を委員として年2回以上開催し、環境エネルギービジョン策定等環境保護に関する基本方針の立案や目標・進捗状況の管理・推進をしていきます。2022年3月の委員会では、NTTグループ役員の業績評価に連動する、温室効果ガスの削減目標値等の決定を行いました。

また、NTTグループの温室効果ガス排出要因の9割以上を占める電力に関しては、NTTグループの省エネ推進活動(TPR[トータルパワー改革]運動)を管理するエネルギー高度利用推進委員会(委員長:副社長)と連携し、電力削減に向けた計画を策定するとともに、進捗状況を管理・推進しています。

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シナリオ分析

NTTグループは、"Your Value Partner"をキーワードとした中期経営戦略「Your Value Partner 2025」を掲げ、事業活動を通じて、研究開発やICT基盤、人材などさまざまな経営資源や能力を活用し、パートナーのみなさまとコラボレーション(協業)しながら、デジタルトランスフォーメーションの推進により、社会的課題の解決をめざしています。TCFD提言を踏まえ、NTTグループの事業活動を推進する上での気候変動に対するリスクと機会を特定するためのシナリオとして、平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃未満に抑えるためのシナリオ(1.5℃シナリオ)と、温暖化対策が従来の延長線上にとどまることで気温が4℃近く上昇する場合のシナリオ(4℃シナリオ)の2つを採用しました。

NTTグループの重点課題選定プロセスを踏まえて、1.5℃シナリオにおいては、特に脱炭素社会への移行に向けた政策・法規制、社会的要望への対応といった移行リスクが顕在化すると分析しました。また4℃シナリオにおいては、大雨・洪水の多発や激甚化への対応、慢性的な気温上昇による電力コストの増加といった物理リスクが相対的に高くなると考えられます。一方で、脱炭素化に向けた社会全体での温室効果ガス排出抑制・再生可能エネルギーへのニーズの高まりは、当社にとってカーボンニュートラルに貢献するさまざまなICTサービスを提供する機会につながると評価しました。今回、それぞれのリスクの詳細と影響額、ならびにリスクへの対応とそれによる成長機会について、分析・評価結果を報告します。

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※1 2030年度時点での1.5℃シナリオ・4℃シナリオにおける影響度 ※2 時間軸短期(3年未満)、中期(3-6年未満)、長期(6年以上)を記載、影響度を3段階で記載(▲:小、▲▲:中、▲▲▲:大)

推定される年間利益影響:

カーボンプライシングが導入された場合(▲160億円)

再エネ賦課金・再エネ導入のコスト増(▲100億円程度)

豪雨や台風による災害復旧(2019年度:▲80億円程度,2020年度:▲50億円程度,2021年度:▲2億円程度)

気温上昇に伴う空調コストの増大(外気温度が1度上昇した場合は▲6億円)

【前提条件および算出根拠】

カーボンプライシング(130USD/t-CO2)×2030年度目標排出量(2013年度Scope1+2排出量実績465万トンを基準に2030年度▲80%削減)〈カーボンプライシング IEA「 World Energy Outlook 2021」における2030年度の予想単価、Advanced economies:130USD〉

再エネ賦課金 2030年度:4.1円/kWh、2021年度:3.36円/kWh証書コスト1.0円/kWhを元に推計

2019〜2021年度の豪雨や台風等による復旧等の概算影響額

2021年度の国内電力使用量をもとに推計した空調コスト増加額

戦略

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指標と目標

NTTグループの重点課題選定プロセスを踏まえ、自然との共生に向けた3つのチャレンジについて、対応の実効性・有効性の確認および進捗状況を確認するため、活動目標(KPI)を策定しました。

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集計範囲
温室効果ガス(No.1)・社会の温室効果ガス排出量の削減貢献量(No.4)は、バウンダリ[C]
一般車両のEV化率(No.2)、資源のリサイクル率(No.5)は、バウンダリ[B]
通信事業の通信量当たりの電力効率は、東日本、西日本、コミュニケーションズ、ドコモ、データの5社の国内の事業を対象

※1 GHGプロトコル:Scope1,2を対象

温室効果ガス排出量

NTTグループの2021年度のサプライチェーン全体の排出量は2,372万tと、前年度と比較して250万t(10%)削減しました。2021年度は、再生可能エネルギーをグループ全体で18億kWh(消費電力量の約23%、前年度比で約150%)を再生可能エネルギーに切り替えたことで、Scope1+2排出量について290万tとなり、2013年度比で38%削減しました。また、Scope3では、2021年度は2,082万tとなり、前年度比で7%削減しました(環境省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」にもとづく試算)。

NTTグループは、事業の性質上、自社から排出する温室効果ガス排出量(Scope1+2)に比べ、サプライチェーンからの排出量(Scope3)が多く、サプライチェーン全体での削減を推進してまいります。2021年度は、 NTTグループ独自で規定しているグリーン調達基準(旧:グリーン調達ガイドライン)として内容を見直し、より効果的な削減を推進しています。

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  1. カテゴリ 8(リース資産(上流))は、リース資産が使用する燃料や電力はScope 1 または 2 で算定済みのため、算定対象外としました。
  2. カテゴリ 9(輸送、配送(下流))は、自家物流や自社施設での排出(Scope 1 または 2 で算定)、委託輸送(カテゴリ 4 で算定)がほとんどであることから算定対象外としました。
  3. カテゴリ 10(販売した製品の加工)については、NTTグループの主事業において、中間製品の加工を実施していないため、算定対象外としました。

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算出方法の変更について
カテゴリ1およびカテゴリ2の算出にあたり、2019年度は環境省の定める排出原単位を使用していましたが、2020年度より、各サプライヤの削減努力を反映できるよう、一部のサプライヤについて各社の排出原単位(各社の公表値より算出)を使用しています。

社会からの温室効果ガス排出削減貢献量と通信事業の電力効率

社会からの温室効果ガス排出削減貢献量

NTTグループは、2030年度の目標として、私たちのサービス・技術などを提供することで削減可能な社会からの温室効果ガス排出量を、NTTグループ自身の排出量の10倍以上とする目標を設定しています。

これは、私たちが事業を通じて排出する温室効果ガスを抑制するとともに、サービス・技術などの提供によって社会全体からの排出量削減に貢献していくための目標です。

スマートフォンや光コラボレーションによる高速・大容量のネットワークの普及によって年々拡大している情報通信の活用は、通信のためのエネルギーを必要としています。しかし一方で、情報通信の活用は、社会の効率化やデジタル化によるモノの削減などによって、通信に必要なエネルギー消費を上回る環境負荷を低減し、社会全体の温室効果ガス排出量削減に貢献しています。

社会からの温室効果ガス排出削減貢献量は、ICTサービスなどにより得られる省エネの効果を温室効果ガス量で数値化しています。省エネ効果の数値化には、TTC(情報通信技術委員会)の標準「ICT製品・ネットワーク・サービスの環境影響評価手法(JT-L1410)」と、LCA日本フォーラムの「ICT(情報通信技術)事業の組織のLCA」研究会の算定方法を参考にしています。

ICTサービスなどの導入により得られる省エネの効果としては、たとえば、エネルギーマネジメントによる家庭や会社、工場などでのエネルギー消費削減、渋滞・運行情報解析による渋滞回避、交通ダイヤ効率化・最適化などによるエネルギー消費削減などがあります。

NTTグループ自身の温室効果ガス排出量には他の通信事業者やデータセンター事業者がサービスを展開するために必要な設備の排出分も含みます。

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通信事業の電力効率

NTTグループは、2030年度の目標として、データセンターを含めた通信事業の通信量当たりの電力効率を、2013年度比で10倍以上※1に設定しています。電力は通信事業継続に不可欠であり、またNTTグループの温室効果ガス排出要因の9割以上を占めています。電力利用の効率を上げることは、事業継続リスクの回避と、気候変動の緩和の両面につながると考え、目標を設定しました。グリーン調達基準にもとづく、省エネ性能の高い機器の導入や、ネットワーク構成の効率化を進めています。

また、2018年10月には、The Climate Groupが主催するエネルギー効率に関する国際イニシアティブEP100※2に電気通信事業者としてはじめて加盟しました。このような国際イニシアティブに参画することで、NTTグループの環境への取組みを対外的に宣言し、国際的な環境問題への取組み姿勢を示していきます。

  1. 通信事業の通信量当たりの電力効率は、東日本、西日本、コミュニケーションズ、ドコモ、データの5社の国内の事業を対象
  2. 事業のエネルギー効率を倍増させること(省エネ効率を50%改善等)を目標に掲げる企業が参加する国際イニシアティブ

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環境パフォーマンスデータ(社会が低炭素化している未来へ)

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  1. 事業活動にともなうCO2排出量は、CO2以外の温室効果ガスを除いた値です。
  2. NTTグループはほかの通信事業者やデータセンター事業者がサービスを展開するために必要な設備等を提供しており、これまでその設備等に必要な燃料や電力は「地球温暖化対策の推進に関する法律」の報告方法に基づきNTTグループの排出量・使用量として公表してきましたが、環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(Ver2.3)」に基づいた算定方法を確立したため、上記CO2排出量をスコープ3として算定することとしました。これまでと同じ算出方法での排出量は( )内に記載しています。また、購入電力量と総非再生可能エネルギー消費量も同様に、2018年度からほかの通信事業者やデータセンター事業者の消費量を除いた数値を記載することとし、2019年度実績値より上記CO2排出量をスコープ3として算定することとしました。
  3. 総非再生可能エネルギー消費量は購入電力量に、ガソリンや都市ガスなどの燃料消費量のWh換算値を加えた値です。
  4. 集計バウンダリ[C]

集計範囲:バウンダリ[B]

環境パフォーマンスデータ(資源が循環している未来へ)

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NTTグループのマテリアルバランス(2021年度)

関連するGRIスタンダード:301-1/302-1/303-3,4/305-1,2,3/306-1,2

NTTグループでは、事業活動にともなって発生する環境負荷をできるだけ低減していくために、「事業活動を通じて、どのような資源・エネルギーを使用し、その結果、どのような環境負荷が発生しているか」について把握・分析に努めています。

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環境会計

関連するGRIスタンダード:102-18/103-2/307-1

NTTグループは、環境保全への取組みを効率的かつ効果的に推進するために、2000年度から環境会計を導入し、事業活動における環境保全のためのコストと、その活動によって得られた環境保全の効果(経済的効果と物量効果)の定量的な把握を行っています。環境活動の定量的な把握、分析によって、活動の効率を把握し、課題を明確化し、またそれらの共有化を行うことで、引き続き、効率的・効果的な環境経営の実施をめざします。

  • 集計対象範囲
    NTT、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ、NTTドコモおよびそれらのグループ会社の環境会計データを集計しています。
  • 集計対象期間
    2020年度分のデータは、2020年4月1日~2021年3月31日
    2021年度分のデータは、2021年4月1日~2022年3月31日
  • 集計方法
    NTTグループ環境会計ガイドラインにもとづいて集計しました。このガイドラインは、環境省の「環境会計ガイドライン2005年版」に準拠しています。環境保全コストは、環境投資と環境費用に分けて集計しました。環境費用には人件費および減価償却費を含んでいます。省エネ施策によるCO2排出削減量は、施策を行わなかった場合の予測排出値(成り行き値)との差分から算出しています。

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