検索パネルを開く 検索パネルを閉じる メニューを開く メニューを閉じる

第37回定時株主総会にあたり事前にご質問頂いた事項

最終更新日:2022年6月28日

第37回定時株主総会にあたり事前にご質問頂いた事項

第37回定時株主総会の開催にあたって、事前に多数の株主さまから計92問のご質問をいただきました。
誠にありがとうございました。
それぞれのご質問に対する当社の考え方について、以下の通り、カテゴリ別にご説明差し上げます。
なお、同趣旨のご質問については、まとめさせていただきましたので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

1. 議案関連

(1)第1号議案における配当金の増額について
(2)第2号議案において定款の変更内容全てを一つの議案とした理由について
(3)第3号議案において取締役を8名から10名に増員する理由について
(4)第3号議案において社外取締役候補が他社の役員を複数兼任していることについて
(5)第3号議案において渡邉光一郎氏を取締役候補とした理由について
(6)第3号議案において遠藤典子氏を取締役候補とした理由について
(7)第2号議案および第4号議案において監査役を5名から6名に増員する理由について

2. 経営戦略関連

(1)NTTグループのビジョンについて
(2)今後NTTがめざすことについて
(3)サステナビリティ憲章にある「Well-being」の意味について
(4)NTTドコモ完全子会社化による相乗効果について
(5)NTT東西の今後の再編の可能性について
(6)NTT東西における法人営業業務のドコモグループへの移管可能性について
(7)今後のグローバル・ソリューション事業の取組みについて
(8)NTTデータの完全子会社化の可能性について
(9)リモートワークを基本とする新たな働き方(リモートスタンダード)について
(10)リモートスタンダードの導入によるコストについて
(11)女性取締役の今後の増員について
(12)次の中期財務目標の提示予定時期について

3. 研究開発関連

(1)IOWNに関する研究開発費について
(2)IOWNの研究開発への投資と収益への寄与について

4. 業績・財務目標、株価関連

(1)競業他社と比較した業績について
(2)固定資産に対する考え方について

5. グループ会社の事業・サービス関連

(1)非常時に備えた通信インフラ設備の堅牢性について
(2)太陽フレアによる通信への影響と対策について
(3)災害時の被災者支援サービスの充実について
(4)マンション内の光回線の整備について
(5)人工衛星によるモバイル通信網の構築について
(6)NTTドコモにおけるスマートフォンの値引き競争について
(7)NTTドコモの低価格帯料金プランの導入検討について
(8)NTTドコモの5Gサービスエリアマップ作成時などのチェック体制について
(9)NTTドコモのdポイントクラブ条件変更と長期利用者に対する考え方について
(10)NTTドコモの「ポイント倍率アップ特典」の対象店舗について
(11)NTTドコモの「d払いステップボーナス」に関する説明について
(12)NTTドコモの「DAZN for docomo」の料金見直し理由について
(13)NTTドコモの「ドコモでんきGreen」事業について
(14)NTTドコモのフィッシングメール対策について
(15)NTTドコモのビル(ドコモ代々木第二ビル)工事に関する近隣住民への説明ついて
(16)NTTドコモのサービス・対応一般について
(17)NTT東西における特殊詐欺対策と固定電話におけるナンバー・ディスプレイの標準搭載について
(18)NTT東日本のフレッツ光契約時における固定電話加入権の取扱いについて
(19)NTT西日本が公表する「パーパス」の意味について
(20)NTT西日本において昨年5月に発生したフレッツ光受付システムの障害について
(21)NTT西日本の収容数がゼロとなった設備の電源断の実施について
(22)NTT西日本の設置する電柱に関する問い合わせについて
(23)NTTぷららのインターネット回線料金に関するご意見について
(24)NTTグループのクラウド事業について

6. コンプライアンス・ガバナンス関連

(1)会食事案に関する説明について
(2)会食事案の当事者であった澤田純氏を代表取締役会長候補とした理由について
(3)現場におけるコンプライアンス意識について
(4)一昨年のNTT西日本元社員による背任事件への対応等について
(5)セクハラ・パワハラの調査・報告の適正性について
(6)過去に不祥事を起こした社員の管理職登用について
(7)NTT西日本の社内認定資格の不正取得について
(8)NTT西日本におけるパワハラ申告への対応について
(9)公正競争の観点からの子会社への指導について
(10)グループ監査体制の強化など監査役会の実効性の向上について

7. 配当、株主還元関連

(1)株主優待(利用料の割引)について
(2)dポイントの進呈について
(3)招集ご通知の簡素化による経費削減について
(4)株式分割について

8. 開示資料について

(1)人材育成や研究開発の情報開示について

9. その他

(1)議決権行使結果について
(2)株主さまからのご質問、ご意見への対応について
(3)株主総会会場への来場自粛要請について
(4)招集通知における役員候補者の処分歴の記載について
(5)電話帳に掲載されている情報の二次利用に関する見解について
(6)NTTファシリティーズ発注業務の業者選定方法等について
(7)ドコモ・サポートにおける業務委託契約の解除について
(8)社員の処遇制度見直しに関する週刊誌の記事について
(9)NTT西日本グループにおける継続雇用条件について
(10)NTT社員のみなし公務員該当性について
(11)工事等における作業員の安全確保について
(12)アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)に関する社内研修について
(13)NTT西日本の社内資格認定試験会場における新型コロナウイルス感染症対策について

1. 議案関連

(1)第1号議案における配当金の増額について

本件を含め同様の質問が3件ありました

考え方

株主還元は、継続的な増配を基本的な考えとし、自己株式取得についても機動的に実施していくこととしております。

配当は、2011年度より増配を継続しており、2022年度も増配の予定です。自己株式取得は、2021年度2,500億円の取得を実施し、2022年度も上限4,000億円の取得を決議しています。

今後も株主の皆さまにさらなる還元を実施していけるよう、中期経営戦略の取組みを推進し、業績向上に努めていきます。

(2)第2号議案において定款の変更内容全てを一つの議案とした理由について

考え方

当社からご提案しております議案に関しましては、会社法等の関連法令に則ったうえで適切に定めております。

今回の定款変更議案につきましては、定款変更の内容や株主さまによるご検討及び議決権行使の際の分かりやすさといった点を総合的に考慮し、1つの議案としてご提案させていただくことといたしました。

ご理解のほど、よろしくお願いします。

(3)第3号議案において取締役を8名から10名に増員する理由について

本件を含め同様の質問が2件ありました

考え方

中期経営戦略の見直しに伴う国内外再編の加速、新たな経営スタイルの確立、サステナビリティ経営の社会的要請の高まり、ウクライナ情勢を含めた外部環境の大きな変化などに対応するためには、コーポレートガバナンスの強化が必要と考えています。

そのため、今回の人事では、当社取締役会の多様性を更に高め、戦略的議論の更なる活性化を図るために、役員数を増やすことを判断しました。引き続き独立社外取締役比率を50%とするとともに、女性取締役比率も30%にまで高め、多様性を持たせることとしております。

(4)第3号議案において社外取締役候補が他社の役員を複数兼任していることについて

考え方

社外取締役候補については、業務執行の監督機能の強化を目的とし、経営戦略に照らし、必要な専門分野や経営的視点等に関する高いスキルを有する人物を選任しております。

選任にあたっては、他社の兼任状況を踏まえ、十分な役割発揮が可能であることを確認のうえ就任承諾を得ており、就任後の活動実績も継続評価していきます。

既に兼任済の他社の状況については、当社の活動に影響のない範囲内での対処が基本であり、今後の新たな他社取締役の就任については、事前承認の上での対処としています。

なお、これまでも社外取締役については、取締役会への出席以外に、ボードメンバー・ディスカッションや経営課題に関する意見交換会、取締役会議題に関する事前説明会等の機会を定期的に設けてきましたが、各自これらに出席して経営に対する活発な議論をしております。

(5)第3号議案において渡邉光一郎氏を取締役候補とした理由について

考え方

渡邉氏については、ガバナンス強化、新規事業、海外展開等企業経営者として豊富な経験を有し、人格、見識ともに優れていることから、当社としては、業務執行の監督機能強化への貢献および幅広い経営的視点からの助言を期待し、社外取締役候補者としました。

また、渡邉氏と当社との間に、一般株主と利益相反が生じるおそれがあるような人的関係、資本的関係、取引関係、その他の利害関係はなく、東京証券取引所の定める独立性基準及び当社が定める独立性判断基準を満たしていることから、社外取締役としての独立性にも問題はないと考えています。

(6)第3号議案において遠藤典子氏を取締役候補とした理由について

考え方

遠藤氏においては、経済誌編集者としての取材活動、公共政策研究(エネルギー分野など)および企業の社外役員の経歴を通じて培った豊富な経験を有し、人格、見識ともに優れていることから、当社としては、業務執行の監督機能強化への貢献および幅広い経営的視点からの助言を期待し、社外取締役候補者としたものです。

遠藤氏は豊富な経験から幅広い人脈を有しておりますが、選任理由として政治家や官僚との関係構築を期待したものではありません。

なお、遠藤氏はカジノ管理委員を務めておりますが、当社社外取締役就任にあたって、法令上抵触するものはないことを確認しています。

兼職が多すぎるとの指摘については、他社の兼任状況を踏まえ、十分な役割発揮が可能であることを確認しています。

(7)第2号議案および第4号議案において監査役を5名から6名に増員する理由について

本件を含め同様の質問が4件ありました

考え方

今般、当社が直面するリスクは大きく変化しており、中期経営戦略の見直しに伴う国内外再編の加速、サステナビリティ経営の社会的要請の高まり、ウクライナ情勢を含めた外部環境の大きな変化などに対応するためのガバナンス強化が急務であり、その一環として監査役を現在の5名から6名に増員させていただくことと致しました。

増員にあたっては、社外監査役を1名増やし6名中4名を社外監査役とすることで、独立性を向上させるとともに、社外監査役1名を常勤とすることで常勤監査役3名体制となり、情報収集能力の向上も期待できます。また、社外監査役は弁護士、大学教授、公認会計士、会計検査の専門家と多様性も増し、より多面的な監査が可能になると考えております。

なお、監査役会の決議においては過半数にて意思決定をすることとなりますが、監査役会の決議は各監査役の権限の行使を妨げることはない(監査役の独任制)ことから、員数が偶数となることが監査役の活動に及ぼす影響は限定的であり、員数が奇数か偶数かの問題よりも、ガナバンスの強化や多様性を確保した体制運営をしっかり構築することが重要と考えております。

今後とも監査の実効性向上に努めてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

2. 経営戦略関連

(1)NTTグループのビジョンについて

考え方

中期経営戦略においてNTTグループのビジョンとして「Your Value Partner」を掲げています。

「Your Value Partner」とは、「あなたにとって価値のある、選ばれ続けるパートナー」になりたいという、我々のめざすべき企業像を表現したものであり、「あなた」とは、お客さま、株主、パートナー、地域社会等あらゆるステークホルダーの方々です。

こうした方々に対し、価値ある存在として選ばれ続ける「Your Value Partner」へと自己変革を加速していくことをめざしています。

(2)今後NTTがめざすことについて

考え方

新型コロナウイルス感染症拡大などによる、リモート・分散型社会の拡大や、デジタル化/DXが進展する一方で、監視社会などのデジタル化の負の側面の課題が顕在化し、経済安全保障の重要性の拡大や世界規模での自然災害の激甚化など、環境が大きく変化したことを踏まえ、2021年10月に中期経営戦略を見直しました。

選ばれ続ける「Your Value Partner」へと自己変革を加速し、これまでの取組みは踏襲しつつ、

  • with/afterコロナ社会における分散型ネットワーク社会に対応した新たな経営スタイルへの変革
  • 社会・経済のデジタル化・DXの進展に合わせた国内/グローバル事業の強化
  • Well-being社会の実現に向けたESGへの取組みによる企業価値の向上
によりサステナブルな社会実現への貢献を目指していきます。

(3)サステナビリティ憲章にある「Well-being」の意味について

考え方

私たちNTTグループの考える「Well-being」とは、多様な文化・価値を理解し、互いに共生できる社会を築くことです。差異を理解し、許容し、排除することなく包摂し、自らの幸せと他の幸せの共存を図る「利他的共存」の精神でお互いの人権を尊重することが私たちNTTグループがめざす「Well-Being」の最大化です。

引き続き、株主の皆さまはじめ、広く社会の皆さまに対し理念をわかりやすく伝えられるよう工夫してまいりたいと存じます。貴重なご意見を頂きありがとうございました。

(4)NTTドコモ完全子会社化による相乗効果について

考え方

新生ドコモグループ統合については、順調に推移しております。

2023年度1,000億円、2025年度2,000億円の目標シナジー効果の実現に向けて、法人事業の拡大、金融・決済・映像サービスや電力・メディカル・XRなどのスマートライフ事業の成長、ネットワーク機能統合による通信事業の強化等取組みを推進いたします。

具体的には、OCNモバイルONEの販売強化などの比較的短期間に効果が出る施策がある一方で、NW 設備の共通化など効果の創出まで一定の時間がかかる施策もございます。

2022年度においては、統合コストが先行して発生するものの、法人事業における営業機能の統合・強化やぷらら統合による映像サービスの強化等により約300億円のシナジー効果を見込んでおります。

(5)NTT東西グループの今後の再編の可能性について

考え方

NTT東西の再編など、 NTT東西の現状を変更することは現時点では考えておりません。

現状の体制においても、サービス開発やITシステム等についてはNTT東西での連携を図ってきており、効率的な事業運営に向けて今後も取り組んでまいります。

また、地域社会・経済の活性化に向けて、東西がそれぞれのエリア特性に応じて、地域に密着した取組みを一層加速してまいります。

(6)NTT東西における法人営業業務のドコモグループへの移管可能性について

考え方

NTT東西の法人営業業務を新ドコモグループに移管することは現時点で検討しておりません。

特に、裾野の広い中小企業向けの市場は企業数も多く、新ドコモグループだけで、あるいはNTT東西だけで、全てのお客さまへの十分な営業活動を展開することは容易ではないと考えております。

これまで同様、それぞれの強みを活かした営業活動を、それぞれ展開していく中で、より多くのお客さまへご提案することが重要と考えております。

(7)今後のグローバル・ソリューション事業の取組みについて

考え方

NTTデータは国内外ともに旺盛なデジタル化需要を取り込み拡大したものの、NTT Ltd.は半導体不足や供給網の混乱により通信機器販売が影響を受けました。

デジタル時代において企業のお客さまの経営課題を解決するには、個々のサービスの提案ではなく、コンサルティングから入り、デジタル技術を活用した提案が求められております。

今回のグローバル事業再編でNTTデータとNTT Ltd.を事業統合し、カスタマー・エクスペリエンス(CX)や業務コンサルティング、デジタルアプリケーション開発、それを支えるITインフラサービスを一体的に提案してまいります。

また、データセンター市場はGAFA等ハイパースケーラーによる旺盛な需要により拡大が続くと想定しており、データセンターへの設備投資を拡大し収益増を図ってまいります。

(8)NTTデータの完全子会社化の可能性について

考え方

NTTデータはグローバル事業の比率が高く、海外の投資家・株主等から評価いただいている現状を踏まえ、上場を維持したいと考えているため、現時点で完全子会社化する考えはありません。

(9)リモートワークを基本とする新たな働き方(リモートスタンダード)について

考え方

NTTグループは、リモートワークを基本とする業務遂行を行う働き方として、新たに「リモートスタンダード」を設定いたしました。リモートスタンダードが適用された社員等については、勤務場所を自宅としたうえで、リモートワークを基本とする業務遂行を行うこととします。

この制度を導入することにより、制度対象の社員については全国どこからでも働くことができるようになり、これまで以上にリモートワークの選択肢が広がることになります。また、転勤による転居や単身赴任をする必要が無くなることから、社員のワークインライフ(健康経営)の向上にも資することになると考えております。

ICT企業として「リモートワークを基本とする働き方」を推進することは、社員等の意識や組織の変革・エンゲージメント向上に資するだけでなく、自らのDX(デジタルトランスフォーメーション) を推進することによって、お客さまのテレワーク導入支援等によるDXの推進にも貢献し、相乗効果を高めてまいります。

(10)リモートスタンダードの導入によるコストについて

考え方

「リモートスタンダード」の導入によって、遠距離出社による旅費等のコスト増はある程度想定されるものの、単身赴任や転居を伴う転勤に伴う転居費用・社宅費用・単身赴任手当や都心のオフィス費用についてはコスト減が見込まれるため、現状のリモートワーク実施率(7割程度)であれば、大きく費用が増加することは無いものと考えております。

(11)女性取締役の今後の増員について

考え方

コーポレートガバナンス強化の観点から、取締役会の多様性を高めることは重要なテーマです。こうした観点から、取締役会における女性比率の向上については、以前から取り組んでまいりましたが、今回の改選でひとまず短期的な目標である女性比率30%を達成することができました。また、執行役員に占める女性の割合も30%を超えました。

ここで終わりということではなく、社員(特に管理職)の女性のさらなる活躍も含め継続的に取り組み、社員個々人の多様性をいかし、新しい視点や価値観を活用した経営スタイルへの変革を進めていきます。

(12)次の中期財務目標の提示予定時期について

考え方

2021年10月、社会・経済の方向性に合わせ、これまでの中期経営戦略の枠組みは踏襲しつつ、新たな戦略の枠組みで取組みを進めるため、2025年までのNTTグループ中期経営戦略の見直しを行いました。

現目標である2023年度の中期財務目標の達成に向けて各種取組を推進するとともに、2024年度以降の中期財務目標については、今後具体的に検討し、提示していく考えです。

3. 研究開発関連

(1)IOWNに関する研究開発費について

考え方

IOWNにご期待いただきまして、たいへんありがとうございます。

IOWNの研究開発という範囲としては規模は限られているところですが、いよいよ研究開発のフェーズから社会実装・事業化していく時期であると考えており、研究開発の枠を超えて大きく投資していく予定です。

社会実装・事業化に向けては、NTTグループの各事業会社やIOWNグローバルフォーラム参画企業の皆さま方と研究開発に一定規模の投資をしていくことになりますが、詳細な費用については、ご容赦ください。

(2)IOWNの研究開発への投資と収益への寄与について

考え方

IOWNにおける研究開発はこれまでと変わらず、強化していく考えです。

また、IOWNに関してはNTTグループに加え、IOWNグローバルフォーラムに参加している世界の様々な企業と共に、実現にむけて研究開発に投資していくことになると考えています。

収益に結びつけるには事業会社が設備投資を行い、サービスを創出することが必要です。2025年の大阪・関西万博をきっかけにモバイル、データセンタ領域に加え、ネットワーク領域へIOWNの技術を導入していく予定です。

当初IOWNは2030年導入のマイルストンを設定いたしましたが、昨今の日本政府のカーボンニュートラル宣言や環境問題を考え、計画の前倒しに動いています。

なお、現時点のスケジュールは「IOWN導入計画」をご確認ください。いち早く皆さまにご覧いただけるよう、IOWN技術の創出を進めてまいります。

4. 業績・財務目標、株価関連

(1)競業他社と比較した業績について

考え方

他社の業績についてはコメントは差し控えさせていただきますが、2021年度決算、2022年度業績予想ともに、法人事業の拡大、金融・決済・映像サービスなどのスマートライフ事業の成長と、ネットワーク機能統合による通信事業の構造改革の加速等により着実に伸長しており、同業他社と比較しても遜色ない業績であると考えております。

今後も更なる成長に向けて取り組んでまいります。

(2)固定資産に対する考え方について

考え方

NTTグループの資産圧縮の取組みとして、2021年度は債権流動化、海外データセンターの第三者資本活用、不動産の売却等を実施しております。2022年度以降も有形固定資産の圧縮に向けた取組みを強化していきます。

無形固定資産については会計基準に基づいて、ソフトウェア等を適切に計上しております。

5. グループ会社の事業・サービス関連

(1)非常時に備えた通信インフラ設備の堅牢性について

考え方

NTTグループは、国民保護法(武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律)の定める指定公共機関として、強靭なネットワークの構築、テロや武力攻撃等への備えに取り組んでおり、安心・安全なサービスの継続提供が可能と考えております。

具体的には、重要設備の二重化・分散配置、ネットワークや通信設備の監視等を実施しております。

また、有事の際は、迅速な情報収集・分析・応急復旧等を実施できる体制を構築済みであり、国や自衛隊等の関係組織間の連絡体制についても整備済みです。

(2)太陽フレアによる通信への影響と対策について

考え方

太陽フレアにより発生する太陽嵐により日本中に様々な深刻な影響が出ると考えられます。影響は大きくいうと「地磁気嵐による送電網への影響」、「雑音や干渉による携帯電話を含む無線通信への影響」、「荷電子による機器の損傷や誤作動」の3点と想定されています。

NTTとしては状況を注視し、通信ビルや基地局の非常電源の確保、通信経路や通信装置の多重化や、無線通信の切断回避を目的とした通信速度制御により、被害を最小限にしていくほか、荷電子による機器影響のシミュレーションを実施し対策を行っていく考えです。

また、光ファイバーは影響を受けにくいため、IOWNのAPN(フォトニクス技術を導入した通信ネットワークであるオールフォトニクス・ネットワーク)を中心に安心安全なコミュニケーション基盤として、オール光化の研究開発を進めてまいります。

(3)災害時の被災者支援サービスの充実について

考え方

NTTグループでは、伝言ダイヤルによる電話・音声による安否確認以外に、ホームページ等でも登録できる災害用伝言板(Web171)を開設しており、開設時にはSNSによる広報も実施しております。

今後も、いただいたご意見を参考に、被災者支援に資する更なる取組みについて検討を行ってまいります。

(4)マンション内の光回線の整備について

考え方

NTT東日本では、集合住宅の通信環境の向上に向け建物内の光化を推進しており、建物構内の電話線を用いる方式から光ファイバを用いる方式への置き換えを進めています。

築年数の経った集合住宅等では、配管の中が狭隘な場合であっても細径で低摩擦の光ケーブルを開発する等に取組むことで光化を進めてきましたが、配管が無く光ファイバを部屋まで構築出来ない等で通信ルートの確保が難しい場合は、建物改良工事の提案や関連機関への働きかけ等を行っております。何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

建物建築時に電気・ガス・水道と同様に光ファイバを建物設備として構築するよう関係機関への働きかけを進めており、引き続きICTインフラとしてのネットワーク環境のスマート化に貢献していく所存です。

(5)人工衛星によるモバイル通信網の構築について

考え方

NTTグループとしては「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の中で、人工衛星を携帯バックホールとして活用することを見据え、人工衛星とHAPS (高高度プラットフォーム)を用いた宇宙RAN(無線アクセスネットワーク)の実現に向け動き出しました。

地上の設備は異常気象などの影響を受けますが、衛星は自然環境や人為的な影響を受けにくいものです。地上の通信設備と非地上系通信設備を組み合わせることで安心、安全をつなぐ使命を宇宙も利用した形で果たしていきたいと考えています。

なお、現時点において、人工衛星を用いたモバイル通信網が、競争環境に大きな影響を与えることはないと考えております。その理由としては、今のスマートフォンでは、低軌道の人工衛星と直接通信することや、現行の各種サービスを広範囲に提供することは困難であるためです。

また、低軌道衛星に代わって注目されているのが成層圏を飛行するHAPSです。NTTとしてまずは国内にHAPSを展開し、通信サービスを拡大していく予定です。このHAPSによる通信サービスをいち早く実現することで、海外キャリアの進出に対抗すべく国内サービス・品質の向上をめざしたいと考えています。

(6)NTTドコモにおけるスマートフォンの値引き競争について

考え方

通信と端末の分離ルール導入の法改正により、一部のユーザのみに対するキャッシュバック合戦による過度な顧客獲得競争が抑制されたことはモバイル市場の競争の促進に繋がったと評価しております。

現在行われているスマートフォンの値引き競争は、端末単体でも割引いていることから、電気通信事業法上の問題はないものの、今後、端末割引がエスカレートする場合、以前の過度なキャッシュバック合戦の状態に逆戻りするおそれはあると考えており、総務省等の関係者とも連携し、対応してまいりたいと存じます。

(7)NTTドコモの低価格帯料金プランの導入検討について

考え方

NTTドコモでは、お客さまの多様なニーズにお応えするため、様々な料金プランを展開しています。

小容量のプランについては、MVNOとの連携により「エコノミーMVNO」を順次拡大しており、例えばNTTコミュニケーションズにおいては、OCNモバイルONEでは月額550円から利用可能な料金プランを提供しています。

現時点で新たな小容量プランの提供について決まったものはございませんが、今後も多様な分かりやすい料金プランに加え、高品質なネットワークの構築、商品ラインナップの充実、販売チャネルのデジタル化等に取り組み、競争に打ち勝てるよう努めていく考えです。

(8)NTTドコモの5Gサービスエリアマップ作成時などのチェック体制について

考え方

数値計算シミュレーションによる技術的な限界や、一時的な通信状況の影響により、サービスエリアマップ内であっても、5G通信とならない場合がございます。

また、「シミュレーションツールによる機械的な生成」により恣意性を排除し、「既存の4G通信状況との比較」、「5G通信状況のモニタリング」にてチェックを行っており、シミュレーション精度の向上にも取り組んでおります。

5G通信をご利用いただける機会をより拡大できるよう、今後もサービスエリアの拡充に引き続き努めてまいります。

(9)NTTドコモのdポイントクラブ条件変更と長期利用者に対する考え方について

考え方

これまでの「ずっとドコモ特典」はエントリー制としていましたが、エントリー不要なシンプルな設計を望む声が多かったことから、本特典は特典対象のお客さまが誕生月にd払いを利用すれば自動で特典が付与される設計に変更を行いました。

ずっとドコモ特典を忘れずにエントリーされていて、d払いを全く使っていらっしゃらないお客さまにとってはデメリットと感じられるかもしれませんが、この機会にd払いをご利用いただければ、例えばギガホの場合では、進呈ポイントの上限をずっとドコモ特典の3,000ポイントから5,000ポイントへ引き上げを行っており、これまでよりも多くの特典を獲得することが出来るようになっております。

また、新たな特典としてポイント倍率アップ特典もご提供しており、dポイントカードの提示とd払いをセットでご利用いただければ、ずっとドコモ特典の進呈ポイント数から増やしていただくことも可能です。

(10)NTTドコモの「ポイント倍率アップ特典」の対象店舗について

考え方

今回のポイント倍率アップ特典を「dポイント加盟店でのdポイントカード提示」としたのは、お客さまがdポイントを使う理由に「多くの街や・ネットの加盟店でdポイントがたまる・つかえるから」という声が多かったからです。

街やネットでのお買い物を通じてよりdポイントが貯まりやすなるような特典を用意することで、これまでdポイントを使っていなかった方に、ぜひ使い始めるきっかけとしていただきたいと存じます。

使える場所については、ネット加盟店であるメルカリやリクルートも本特典の対象となるため、ぜひご活用ください。なお、dポイント加盟店も今後も拡大をしていく予定です。

(11)NTTドコモの「d払いステップボーナス」に関する説明について

考え方

対象のお客さま(ドコモユーザー)への告知はドコモからのリリース、d払いアプリ、メルマガ、dポイントクラブアプリ、ドコモショップ店頭ツールなどで恒常的に対象のお客さまへご案内を実施しております。また、d払いアプリでも常にTOPページでサービス説明や還元率の表示をさせていただいております。

今後も対象のお客さま対してさらにわかりやすいご案内をしていきたいと存じます。

(12)NTTドコモの「DAZN for docomo」の料金見直し理由について

考え方

今年2月、DAZN社は持続的なサービス提供のためDAZNサービスを値上げしました。これに伴い、DAZN for docomoも値上げとなりました。

既存のお客さまには継続的にご利用いただけるよう、DAZN標準価格と比べ割安な価格でご提供することとしたのでご理解いただけますと幸いです。

(13)NTTドコモの「ドコモでんきGreen」事業について

考え方

ドコモでんきGreenのご契約は、5月末現在で20万件を突破いたしました。

ドコモでんきGreenを軸にカーボンニュートラルに資するサービスとして、時代のニーズに合った形に進化させていきたいと考えております。

地域電力会社、ガス会社等大規模な発電設備を有する発電事業者と契約を行っている他、環境価値については非化石証書を購入することで、ドコモでんきGreenの提供を実現しております。

エネルギー価格高騰による影響については、ドコモでんきは3月にサービス開始したため既存顧客の影響がないこと、一般的な新電力会社と比較しても相対契約等による電源調達により、JEPX等市場価格の高騰影響に対する対策を講じていることから、直ちに新規受付停止するような事態とはなっておりません。

しかしながら、次年度以降エネルギー価格高騰が継続した場合、市場影響は発生すると想定していることから、市場影響を軽減すべく安定的な電源調達に努めるとともに、新規販売数のコントロールを行うことでドコモでんき事業の収支影響を最小限にしたいと考えております。

(14)NTTドコモのフィッシングメール対策について

考え方

ドコモメールにおいても2021年5月よりドコモメール公式アカウントの導入により、公式アカウントからのメールが一目でわかるようにしております。

また2022年3月より危険SMS拒否設定を提供しており、お客さまへ送信されるフィッシングSMSを遮断するサービスを行っております。

上記の対策で100%防ぐことは不可能ではありますが、NTTドコモのHPにてフィッシングの事例や詐欺にあわないための対策方法を公開しております。

詐欺メール(メッセージ)の実例も随時アップデートしておりますので、同社HPの情報もご参考に確認いただけますと幸いです。
https://www.docomo.ne.jp/info/anti-phishing/当該ページを別ウィンドウで開きます

(15)NTTドコモのビル(ドコモ代々木第二ビル)工事に関する近隣住民への説明ついて

考え方

この度はNTTドコモ発注の代々木第二ビルの工事におきまして、近隣にお住まいの皆さまにご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません。

また、同社から当ビルの位置付けや社会的重要性についてお話ができておらず申し訳ございませんでした。

当ビルは5Gネットワークの通信拠点として新設しております。

5Gネットワークを通じ、各産業・分野が抱える課題の解決に寄与し、新たな付加価値の創出を実現するとともに、感染症の収束後を見据えたデジタル・トランスフォーメーションを支えるインフラとしての役割を果たすことも期待しております。

(16)NTTドコモのサービス・対応一般について

本件を含め同様の質問が2件ありました

考え方

ご指摘頂いた点につきましては、貴重なご意見として承り、今後のお客さま対応の改善に活かしてまいります。

また、NTTドコモでは、お客さまから頂いた声に対し、経営幹部や商品・サービスを担当する部門をはじめ社員全員で共有する等、お客さま視点での改善に取り組んでおります。改善事例については、ドコモホームページ等でお客さまへご案内しております。

(17)NTT東西における特殊詐欺対策と固定電話におけるナンバー・ディスプレイの標準搭載について

考え方

NTT東西では、特殊詐欺対策について、これまで行われてきた「発信者番号表示」や「通話録音」という対策に加えて、実際の通話の内容から、犯罪の危険性があるとAIが判断した場合には警告通知を行うことで、より安心してお客さまに電話をご利用いただけるよう、特殊詐欺対策サービスの提供を開始致しました。

今後、自治体等とも連携しながら、より多くのお客さまに本サービスをご利用いただけるよう、努めていきたいと考えております。

なお、縮小し続ける電話サービスをいかに維持していくかという観点や、お客さまの様々な端末のご利用環境等を総合的に勘案し、現時点では、ナンバー・ディスプレイを固定電話の標準機能として提供することは考えておりません。

(18)NTT東日本のフレッツ光契約時における固定電話加入権の取扱いについて

考え方

以前は利用休止期間満了(5年)の際に、郵送でご連絡しておりましたが、不達となるケースが多いことから、2009年からは5年満了後の郵送連絡を廃止し、自動的に更に5年間(合計10年間)、継続させていただいております。しかしながら、お客さまからお申出がなく10年を経過した場合には、電話サービス契約約款の規定に基づき、契約を解除させていただいております(お客さまからのお申出があれば延長可能です。)。

なお、電話加入権とは、施設設置負担金を払った契約者が加入電話の提供を受ける権利であり、実態として加入権取引市場において売買されていることは認識しておりますが、NTT東日本は取引に関与しておらず、売買における価値や財産的価値を保証するものではありません。

何卒ご理解いただきますようお願いいたします。

※利用休止(NTT東日本公式HPより引用)

電話のご利用が不要になった場合は、NTT東日本で電話の権利をお預かりいたします。「利用休止」というお取扱いとなり、お預かり期間は5年間となります。5年単位で利用休止の期間を更新できます。なお、利用休止期間(5年)を経過しても、利用休止の継続又は再取付のお申し出が無い場合は、更に5年間経過した時点でこの電話の契約は解除されたものとして取り扱われます。

(19)NTT西日本が公表する「パーパス」の意味について

考え方

NTT西日本グループのパーパスは、『「つなぐ」その先に「ひらく」 あたらしい世界のトビラを』というメッセージの下、社員一人ひとりが地域社会の一員として、あらゆる人々の幸せで豊かな未来の姿を追求し続け、そのために技術と知恵ををみがき、新たな価値の共創に挑戦していく決意を表しています。

なお、パーパスとは、将来に亘って企業と社員が共有する、企業自身の普遍的な存在意義のことであり、近年、多くの企業で取り入れられております。

(20)昨年5月に発生したNTT西日本のフレッツ光受付システムの障害について

考え方

株主の皆さまにご心配をおかけし、申し訳ございません。

NTT西日本では、昨年5月、フレッツ光受付システム更改を行いましたが、その際、移行データの不備や設定誤りによるエラーが多数発生しました。これにより、システムメンテナンスに要する期間が長期化し、フレッツ光の受付開始が当初の予定より23日遅れるとともに、新システムへのデータ移行が滞ったことで約4.9万件の工事日再調整等が発生し、開通工事の遅れ等が生じました。影響規模の大きなシステムトラブルであったため収束に時間を要しましたが、2022年1月時点で問題は解消しております。

更改作業が、引越シーズンの5月となりましたのは、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言下において当初の開発スケジュールの見直しが必要になり、一方で、システムの維持限界も迫っていたことから、この時期での実施となったものです。

なお、具体的な収支への影響額については回答を差し控えさせていただきます。

本件については、NTT西日本の社長と、システム部門の長である取締役の計2名が、責任者として役員報酬の返上を行っております。

今回の事象を踏まえ、システムトラブルを発生させないための事前準備の再強化に加えて、予期せぬエラーの発生を前提としたシステム移行体制の一層の充実を図るなど、再発防止を図ってまいります。

(21)NTT西日本の収容数がゼロとなった設備の電源断の実施について

考え方

従来は収容数がゼロとなった設備について、電源断と撤去工事を一連の計画工程として実施しておりましたが、昨今の電力事情を鑑み、撤去工事時期に拠らない電源断の早期化に努めております。

なお、本件は監督官庁への報告を要するものではなく、報告は行っておりません。

(22)NTT西日本の設置する電柱に関する問い合わせについて

考え方

この度はお客さまをお待たせすることになり、大変申し訳ございません。

NTT西日本が設置する電柱は、通信サービスの提供になくてはならない設備でありまして、地権者の方や近隣の方々のご協力やご理解を得ながら安定的なサービス提供に努めております。

電柱の設置については、土地の所有者と協議を行いつつも、近隣の方々からお申し出があった場合も、誠意を持って対応させていただきます。

(23)NTTぷららのインターネット回線料金に関するご意見について

考え方

サービス料金の設定は重要な経営課題の1つと考えています。これまで、光コラボレーション事業者向けの光卸料金については、自主的に段階的な値下げを行い、また、小売料金についても、継続利用割引サービスの提供等を通じて、お客さまにとってお求めやすいサービス・料金プランとなるように努めてきました。

今後も、コスト削減をしながらお客さまに還元していくとともに、市場環境や競争状況等を踏まえ、利用しやすいサービスや料金をめざしていきたいと考えております。

(24)NTTグループのクラウド事業について

考え方

NTTグループでは、事業会社各社が、クラウドを活用したお客さま個別のサービスとして提供しております。

例えば、NTTコミュニケーションズの「Smart Data Platform」では、データ利活用に必要な全ての機能をクラウド上でワンストップで提供する等、お客さまの多様なクラウド利用のご要望に合わせて、複数のクラウドを一元的に管理・運用していくことを基本にご提供しております。

今後も、様々なクラウド関連サービスの提供により、お客さまのデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進等に貢献してまいります。

6. コンプライアンス・ガバナンス関連

(1)会食事案に関する説明について

考え方

昨年6月7日に、会食事案の事実関係、原因分析や再発防止策等を記載した特別調査委員会による調査報告書を公表するとともに、会食相手の公務員の国家公務員倫理法・倫理規程違反を誘引した会食に参加したものに対する社内処分についても公表しております。

また、昨年の株主総会においても、会食事案に対する発生原因、処分等の責任や再発防止策などについてご説明しました。

なお、個別の会食の内容については、相手のご了解を頂いていない場合は、回答を差し控えさせていただいております。

(2)会食事案の当事者であった澤田純氏を代表取締役会長候補とした理由について

考え方

澤田氏については、当社においてNTTグループ中期経営戦略を策定・推進し、国内ビジネスの競争力・収益力の強化、海外ビジネスの拡大等に取り組むなど、経営者として豊富な経験を有しております。

また、人格、見識ともに優れていることから、代表取締役会長候補者としたものです。

なお、澤田氏が公務員の国家公務員倫理法・倫理規程違反を誘引した会食に参加したことについては報酬減額の社内処分を実施し、責任対処をしております。

(3)現場におけるコンプライアンス意識について

考え方

NTTグループでは、「NTTグループ企業倫理規範」を制定し、コンプライアンスを遵守して行動するよう指導しているところです。

具体的には、経営トップメッセージの発信や役員、社員向けの「企業倫理研修」を毎年実施するとともに、社内向けWebサイトにおける不正・不祥事事例の周知・解説を行っているほか、社員への企業倫理意識調査を毎年実施し、社員の理解度と企業倫理の浸透度の向上に取り組んでおります。

また、先般の弊社経営層と省庁関係者等との会食事案を踏まえ、「NTTグループ企業倫理規範」に公務員・政治家との応接に関する行動規範を明記するとともに、接遇に関する規程を新設し、役員・社員へ新たなルールに関する研修を実施しております。

さらに、内部監査部門や監査役による適正な管理体制を構築し、監督機能を強化など、再発防止に取り組んでおります。

(4)一昨年のNTT西日本元社員による背任事件への対応等について

考え方

株主の皆さまにご心配をおかけし、申し訳ございません。

NTT西日本は、管理職を含めた全社員に対し、従来より繰り返し、不正の防止、コンプライアンスの重視について指導、周知徹底を行ってまいりましたが、その中で、このような事件が発生した事実を厳粛に受け止めております。

該当の元社員は既に解雇しておりますが、本件を受け、NTT西日本グループ全社員を対象に、再度、法令の遵守、倫理観を持った行動などコンプライアンスの再徹底について強く指導を行っているところです。

今後も、管理職への登用のタイミングを始めとして、継続して指導を行ってまいりたいと存じます。

なお、今回の事件によってNTT西日本に生じた損害の賠償については、元社員との間において話し合いをしているところであり、具体的なコメント等についてはご容赦いただきたいと存じます。

(5)セクハラ・パワハラの調査・報告の適正性について

本件を含め同様の質問が2件ありました

考え方

セクハラ・パワハラについては、あってはならない重大な人権問題と認識しています。

社内規程に基づき申告・相談窓口を設置し、企業倫理委員会において申告者や調査協力者の信用・名誉・プライバシー等に配慮した上で関係者への聞き取りを実施するなど、丁寧に調査を行っています。実名での申告の場合には申告者に調査結果をお伝えしています。

また、セクハラ・パワハラと認められる事例が発生した場合は、就業規則に則り厳正に対処しております。

(6)過去に不祥事を起こした社員の管理職登用について

考え方

管理職登用は、個人の業績・能力などを総合的に勘案し決定しており、コンプライアンス遵守についても必要な条件だと考えております。

一方で、過去に過ちがあったとしても、再生やリカバリーの機会を、企業人・組織人としての長いキャリアの中で与えることも大切と考えており、本人に対して厳正かつ適正な処分がなされ、かつ、本人自身が当該行為を反省し、悔い改めているのであれば、その後の本人の努力や頑張りは否定されるべきものではなく、管理職へ登用される場合もあると認識しております。

なお、NTTグループにおきましては、管理職登用後も、コンプライアンスをはじめ、マネージャーに要求される行動規範、必要な知識やスキルの付与等を目的とした各種の研修を実施しているところです。

(7)NTT西日本の社内認定資格の不正取得について

考え方

社内認定資格試験の運用については、実施要領のルールに基づき適切に運用しておりますが、一部不適切な事案があったことは把握しており、その事案については、当該社員に対し、速やかに認定を取り消し、資格取得奨励金の返納も実施しております。

なお、調査の結果、その原因は「従事期間終了後も自身が試験問題作成等に関与した試験について受験出来ない」という受験条件を把握していなかったという本人の不知によるものであり、会社を欺く意図までは無かったものと判断しております。

(8)NTT西日本におけるパワハラ申告への対応について

考え方

ご申告があったNTT西日本におけるパワハラの有無につきましては、同社企業倫理委員会における事実関係の調査の結果として、ご指摘のような事実はなかったことを確認し、ご申告者には個別にご説明をさせていただいております。

(9)公正競争の観点からの子会社への指導について

考え方

NTTグループには、公正競争の確保の観点から、過去の分社・再編成において公表している公正競争条件や、電気通信事業法等による規律が課されており、それらについてはこれまでも持株会社より関係する子会社に対して遵守を徹底するよう指導をしてまいりました。

また、ドコモの完全子会社化に伴い、新たにNTTドコモがNTT東西の特定関係事業者に指定される等、追加の法的措置がなされ、加えて、当社も総務省からNTTグループ会社に対して公正競争の遵守を徹底させるよう、改めて要請を受けております。

当社としては引き続き、関係する子会社に対して、公正競争条件や各種法令の遵守を徹底するよう指導するとともに、総務省が行う市場検証にも協力していく考えです。

(10)グループ監査体制の強化など監査役会の実効性の向上について

考え方

今回、社外常勤監査役を1名増員させていただければ、社外監査役が6名中4名となり独立性が向上するとともに、常勤監査役3名体制となり情報収集能力の向上が期待できます。

これまでも、グループ会社との監査役との意見交換を実施するなど、グループ会社監査役との連携強化に取り組んでおり、加えて、この度社長直轄の組織となる内部監査部門と監査役との更なる連携強化にも努めていく考えです。

7. 配当、株主還元関連

(1)株主優待(利用料の割引)について

本件を含め同様の質問が2件ありました

考え方

株主還元については、これまで通り配当という形で利益を還元させていただくことが基本と考えており、電話料等への割引を実施することは考えておりません。中期経営戦略において、配当は継続的な増配を基本的な考えとし、この考えにもとづき2011年度より増配を継続しております。

(2)dポイントの進呈について

本件を含め同様の質問が7件ありました

考え方

株主還元については、これまで通り配当という形で利益を還元させていただくことが基本と考えております。dポイント進呈施策は、個人株主数の減少に歯止めをかけ、中長期的に当社株を保有する株主の拡大を目的として2020年度に導入したものであり、一定の効果は出ていると認識しております。今後も、本施策についてどのようにしていくべきかを考えていきたいと思っております。

なお、申請手続きに関しましては、進呈の対象となる株主さまに対して、手続きのご案内を6月下旬に送付する決議通知・配当関連書類と同封し、お申込期間を7月から翌年3月末までの9か月間を設定しております。期間中の12月に株主さまへ発送する株主通信でもお申込方法等をご案内させていただいております。

(3)招集ご通知の簡素化による経費削減について

考え方

招集通知については、上程した議案の内容や、事業に対する取組み等について、株主の皆さまにご理解いただくことをめざし、コスト面も勘案し作成しております。

招集通知の簡素化については、会社法改正に伴い、株主総会資料の電子提供制度が導入されることから、制度導入後は紙の削減や郵便料の低減が図れるものと考えております。

(4)株式分割について

考え方

投資単位当たりの金額を引き下げることで、より多くの株主さまにとって投資しやすい環境を整えることは重要と考えております。

株式分割は現時点で予定しておりませんが、東京証券取引所の規程では、投資単位が5万円以上50万円未満となるよう移行・維持に努めることとされており、東京証券取引所の規程も勘案しながら検討してまいります。

8. 開示資料について

(1)人材育成や研究開発の情報開示について

考え方

当社が発行するアニュアルレポートやサステナビリティレポートにおいて、専門スキルを習得するための集合研修やOJTへの取組み、研究開発体制および研究開発費の実績を掲載しております。

なお、金融庁の審議会にて、人的資本に関する情報を有価証券報告書に開示すべきという議論がなされており、今後の議論や法令改正等を踏まえ、有価証券報告書への記載について適切に対処していきたいと考えております。

9. その他

(1)議決権行使結果について

考え方

株主総会の議決権行使結果については、総会開催日の翌営業日に関東財務局へ「臨時報告書」を提出致します。本報告書は、弊社IRホームページ(株主総会)でも掲載致します。

(2)株主さまからのご意見、ご質問への対応について

考え方

株主の皆さまからのご意見は、事業運営の参考としております。また、当社の事業領域は幅広く各組織がそれぞれの業務を実施していることから、ご質問への回答は責任をもって対応ができる担当者へお繋ぎする場合がございますので、何卒ご理解賜りますようお願いいたします。

(3)株主総会会場への来場自粛要請について

考え方

当社の株主総会は例年のべ数千人を超える株主さまにご来場いただいており、感染者数が減少していても、多くの人が集まる環境でクラスターが発生する事例もあることから、例年のような大規模での集会を開催することには、高い感染リスクを伴うと考えました。

株主様さまおよび関係者などの健康と安全を第一に考えて、本総会においては、株主さまに対してご来場の自粛を強く要請することとしたものですので、ご理解いただきますようお願い致します。

(4)招集通知における役員候補者の処分歴の記載について

考え方

招集通知における役員選任議案に関する株主総会参考書類につきましては、会社法等の関連法令に則ったうえで候補者の略歴等を適切に記載しております。

公務員による国家公務員倫理法・倫理規程違反を誘引した会食に参加した者に対する社内処分につきましては、昨年6月に公表し、株主総会でもご説明しているところでございますので、何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。

(5)電話帳に掲載されている情報の二次利用に関する見解について

考え方

NTT東日本では、iタウンページ上で、特定のアドレスからの大量のアクセスには制限を行うなど、不正ダウンロードを防止するためのシステム的な対応措置を講じております。

タウンページ(職業別電話帳)の職業別分類をそのまま掲載していたり、それを改変したものを掲載しているなど、NTT東日本の著作権を侵害していることが明らかな場合には、当該サイトの差止め請求等、法的措置も含め対応していく所存です。

(6)NTTファシリティーズ発注業務の業者選定方法等について

考え方

通信用建物等の建築工事においては、NTTファシリティーズが透明性・公平性を持った手続きにより施工会社を選定しております。

ただし、通信の信頼性・品質の確保のため、埋設物調査等の一部の高度な技術力を必要とする工程は、特記仕様書等で要件を指定する場合がございます。

なお、指定要件は、適正な競争環境や品質確保の観点から必要に応じて見直しに取り組んでおります。

(7)ドコモ・サポートにおける業務委託契約の解除について

考え方

NTTグループとの業務委託契約についてご意見いただきましたが、個別に対応させていただいておりますので、ご回答は控えさせていただきます。

(8)社員の処遇制度見直しに関する週刊誌の記事について

本件を含め同様の質問が2件ありました

考え方

今回の「人事・人材育成・処遇等」の見直しは、事業環境が大きく変化する中、社員一人ひとりが今まで以上に高い専門性を発揮できる制度とし、発揮した行動や業績をこれまで以上に反映できる、成果に報いる仕組みへと見直す処遇体系の見直しです。

ご質問にあったような、大半の社員の給与等を下げるという賃下げ施策ではありません。この見直しにより、これまで以上に社員がやりがいを高め、働きがいを持ち、社員満足度(エンゲージメント)の向上を図っていくものです。

なお、今春闘においても、査定昇給を含めた年収ベースでの改定率は、主要6社平均で約3.2%の賃金引上げを実施し、社員の頑張りに報いるような賃金全体の底上げを図っているところです。

(9)NTT西日本グループにおける継続雇用条件について

考え方

NTT西日本グループにおいては、2002年1月に雇用形態選択制度を導入した当時から、65歳までの雇用を希望した社員全員を65歳まで継続雇用する、継続雇用制度を導入しています。

60歳超契約社員うち月給制のコアスタッフ・プロスタッフについては、募集時において募集内容や選考実施等を周知しており、選考にあたっては、スキル・勤務実績等を総合的に勘案し、事業運営体制見直し後も統一制度として適正に実施している認識です。

(10)NTT社員のみなし公務員該当性について

考え方

NTT、NTT東日本、NTT西日本の社員等は、日本電信電話株式会社等に関する法律(※)により、収賄罪の適用がある旨が規定されています。

なお、法律で「刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」などと規定される、いわゆる「みなし公務員」には当たりません。

※第19条第1項

「会社及び地域会社の取締役、監査役又は職員が、その職務に関してわいろを収受し、要求し、又は約束したときは、3年以下の懲役に処する。これによって不正の行為をし、又は相当の行為をしなかった時は、7年以下の懲役に処する。」

(11)工事等における作業員の安全確保について

考え方

NTTグループでは、人身事故撲滅を非常に重要ととらえており、安全対策の徹底に取り組んでおります。

具体的には、NTTグループの社員のみならず、通信建設会社を含め、安全啓発活動、優良施策の水平展開、小集団ディスカッション等を定期的・継続的に実施しております。

また、上記の取組みに加えて、高所作業等の危険が伴う作業の削減を目的とした点検作業へのドローンの導入や第三者目線での安全確認を目的としたネットワークカメラを用いた危険作業の見守り施策を実施しております。

さらに、作業者の育成の観点でもVR技術を活用した危険作業の疑似体験やAIによる危険作業の自動判別等の導入を行っており、継続的に事故撲滅に向けて取り組んでおります。

(12)アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)に関する社内研修について

考え方

NTTグループでは、誰もが自分らしく生き、働ける組織・社会の実現をめざしており、その実現に向けた取組みの一つとして全社員向けアンコンシャス・バイアス研修を実施しています。

個々人が自らの個性や能力、強みを活かして自らの役割を果たし自己実現してもらうようにしていくためには、評価する側も、従来の画一的な考え方・思い込みを改め、評価軸を多様化していくことが必要と考えています。

(13)NTT西日本の社内資格認定試験会場における新型コロナウイルス感染症対策について

考え方

社内資格認定試験の会場については、そのレイアウトに応じた収容人数制限を行い三密回避等の感染リスクの低減に努めております。

また、人の移動を抑える観点から、各認定試験については各県域で開催しているほか、実機を用いるため開催地が限定される認定試験についても、地域ブロックでの開催を可能としております。

今後も、政府やコロナ対策本部の方針に則り、感染リスク対策を継続しながら、社員のスキルアップ機会の推進に取り組んでまいる所存です。

株価情報(リアルタイム)

- 東証プライム : 9432

現在値 -

前日比 -